ボタンがとれたシャツやズボンがある
もう何年もそのままほったらかし
衣替えの季節になると
そういえばといって結局ほったらかし
ただ今日はなんだかムズムズして
針に糸を通す
ボタンをつけ ....
雨になんて
うたれたっていいのに
逃げている 背中丸めて
桜だけが
受けとめている
雨滴
弱虫だね
私たちみんな
それをよいことにして
よりそうきっかけにして
雨滴 ....
ショッピングセンターの駐車場でカレーパンと牛乳でお昼を済ました
なかなか家に帰れない
僕の家って本当は彼処じゃ無いんじゃあないのかなんてねときおり思うんだ
誰も待ってないし読まない新 ....
泣きたい時は水面に揺られて
私という器に水を張る
たっぷりと注いで染み込ませて
体中が潤い続けるようにする
泣き叫ぶ声が私を呼んだら
ひしゃくで水をすくって
たっぷりと捧げよう ....
小さな音にも
怯える夜
泣き虫のわたし
行き場のない衝動を抱えて
闇に眼を凝らす
枕の下で圧し潰された
我楽多の夢を探しながら
夜 ....
どんなに美しい言葉も
ひと房の桜の花には
かなわない
何も語らなくていい
ただ眺めていよう
桜の季節を
ピンクのイルミネーション
....
咲く桜と散る桜
人はどちらも風情があるとのたまう
咲く桜は春を告げ
散る桜は春を急ぐ
咲く桜は人を浮き足立たせ
散る桜は哀愁を手繰り寄せる
降りしきる桜の花を全身に浴びなが ....
エイプリルフールに嘘もつかず通勤電車の千の目玉の泳ぐなかO・ヘンリーの短編を読んでいる貧相な美少女の内心は化粧広告と拾い読みの愛の言葉がガスを吐き出す夢七色のドブ川にはあらで、清楚なカレンダーを書き込 ....
約束通り 同じ橋に辿り着いた
花冷えのお陰で まだ
ソメイヨシノは競っていた
所々 吹き出した新緑が 目に痛く
未来への想像の刺激となる
川辺は穏やかな戦場
はらり ....
うぐいすが鳴いた
私を出迎えるように
うぐいすが鳴いた
姿をみせないままに
うぐいすが鳴いた
去年の今頃と同じように
うぐいすが鳴いた
ききなれたその声に
気持ちが晴れ ....
寝言で見ず知らずの女の名を呼んだ
二時半は、二時半で、いつだって
ロッキングチェアの揺れない時刻だ
海辺の街でもないのに
波の音が聴こえるのは
朽ち果てた夢のせいか
それとも途切れ途切れの記憶のせいか
家族の温もりが残るリ ....
縦や斜めや裏返しにわたしの体がぎっこんばったんやられているあのときに決意しました。わたしはたぶんわたしではなかったです。黄色いのや赤いのは好いです、青いのも緑のも好いです、白と黒も好いです。ただし ....
終わったはずの青春が
皮膚の微細な穴を通って
少しずつしずくを蓄積させていって
何かの風向きで強く匂う
孤独の針が何千本も
「誰にも愛されない」と囁く
雑草のようにいくら引っこ抜いても生え ....
葱。
葱をみている
きざみ葱を頼まれたが
青い部分ばかりで一パックこの値段とは
いかにも法外である
ひと振りの葱を取り、握りを確かめる
銘刀「下仁田」ほどではないが
なかなかの白鞘で ....
□報告者/ るるりら -(2013/04/01(Mon) 01:49:27)
このほど発掘された石版には 解読の結果、このように記されていた。
***
なんどとなく残酷な ....
入道雲がたかく盛り上がっていた
あの丘の向こうにぼくらの夏がある
縁側にふたりならんでこしかけて西瓜を食べた
僕が種を飛ばすと君はぼくより遠くへとばそうと
おたふくみたいに頬ふくらまし ....
ポケットのなかで
45分しゃべりつづけた
書類のしたで
45分しゃべりつづけた
せまい湯舟に
ぼくとあなたと
あなたの児と
さんにんでつかって
慌た ....
体がうごくとき、心もうごくだろうか?
心がうごくとき、体もうごくだろうか?
あなたに、うごくだろうか?
軽トラが農地の空地に
放置されて顔だけになっている
車輪は地中に埋まって
後ろの荷台は錆びてもげて
かろうじて面影を残すのみ
緑の雑草や蔦が生い茂り
うす紫色の花がたくさん綺麗に咲いている ....
情熱のゆくえに 墓標を立てて
そうら やいやい はやしたて
心が揺れるのも風のせいにした
だれもたぶん 正しくはなかったね
正しくはなかった
正しくはないけど
正しくないまま
見 ....
開花宣言があるなら葉桜宣言だってあってもいいはず
開花宣言だけじゃあ僕はいつまでたっても宣言できないではないか
葉桜だってもとはちょっとは咲いたのだぞって
たまには力んでみたいのだよ ....
いやな人にあいにゆく朝
少し曇っている
少し寒くもある
食欲もない気がする
頭が重い気がする
のろのろ ぐずぐず
そんなときあるよね
ね
うん っていってよ
あな ....
ぐるり、と周りを見回してみた
遮断された思考回路
崩れ落ちた自信とプライド
夢中で追いかけているうちに
何を追っているかも分からなくなった
ぐるり、と周りを見回してみた
逃げる ....
「あるところに花喰いという、花を喰う者がおりました。
年はまだ若く、どこかの城から逃げてきたとの噂もございました。
花喰いは澄んだ池の上に花のなる木を植えました。
その身重たさか ....
誰が見送っていたのか知らない
わたしは振り向かなかったから
三月の道をざくざく歩いて行ったから
足取り軽くはなかったけど
雪解けの道が歩きにくかったからじゃなく
涙で目の前がいつも曇っていた ....
ゆっくりと回転する
地球儀の上で
つま先立ち
孤独と幸せ
目を閉じると
遠い古い町が風化して
ぼそりぼそりと崩れて
風に消えていくのが見える
軽いめまい
かかとから
身体は宙に ....
こんにゃくが泣くんです
キュッ キュッ って
から煎りされて
栄養は 無いんです
指でちぎったから
かたちは良くありません
みりんと出汁と砂糖
....
まだ涙はあるか血は流れるか
何かを忘れてはいないか
誰かを犠牲にしてないか
驕ったつらしてないか
問う事を忘れていないか
ともすれば自分の痛みに埋没して
痛み分けを忘れてほうけてる ....
地下系で 繋がっている
細っこい もやしみたいな 白い根が
河童の皿を 連れて来る
若しくは 小さな 蕗
フッ と 吹きかけたら 飛びそうな
華奢な姿を 思い描くから 立ち止まる
....
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