僕のオリーブ色の世界は
涼しい部屋、僕の部屋へ南端を張り付けて
外はいつでも火葬場と、冷たい果物の皮、
神経の通った舶来の氷、醒めた屋根、裏庭の水
(コミュニケーションと、くらい泡((

 ....
 ふんわりあかるい 丘をもちあげ
 かげにかくりと 谷をおる
 ひらひら帰りみち

 みどりのうらで こえをきく
 蜘蛛のこわさや あしたの雨の
 ひろがりについて

 夕陽がおちる
 ....
夜に
優しく撃たれて
ひとり、またひとり
人は
優しく死んでいく
夜に
まだちゃんと慣れてないから
きみは泣く
これからはじまる長い旅路の
最初に出会った
得体の知れないその不安は ....
痙攣するプラグを立て、整列する、よろよろした、ねじ曲げて(とろけそうな)パンクチュアルな。心臓の垣根。超えて生きる努力の半分は、犠牲で、とても痛い痛い。

こすれたナイロン
ぜんそくのイソギンチ ....
ぬるい海域を、影の重みで推進していた。助けて、という声がするから振り向けた私の首には、目が付いていなくて、ただ白いもやもやした、息のような威圧感に 圧倒されて、怯えていた。 二十四時間は、眠るのに十分 .... 孤独を、記憶を睡眠薬で噛み潰す。
私の身体が音楽、点になるのを待つ。
LEDが向こう側で密柑色に暮れていく。
画面の奥で電子が踊っている。
RGBの奥へ、私の顔が流れていく。
私は、私が私に ....
白い絹のような夜
双子の一人は
もう一人を揺さぶる
隠されたおもちゃの
在り処を聞き出すため
哲学的な問答の
何度も
何度でも
蒸し返されることといったら!
起こされた一人は
寝ぼ ....
 わたしからあかんべ

 あなたからは木の葉

 たからもの 小指ではさみ

 あたたかな秋の 空へかえそう

 うたたねしながら

 ときどき見てる

 からみぐあい

 ....
秋の風は寄せては返す波
蝉は近くてどこか遠い
空洞に宿った声もまたよそよそしい
蝶のかたはね、
蜘蛛のひとあし、
うすい影をまとって
手のひらにのせれば
軽くて重い
この夏を生き延びた ....
寝転んまだまま
垂れた紐を引っ張ると
ドーナツのような円形の骨が光る
おれはそれを蛍光骨と名付けた
蛍光骨の尻尾のようなものを紐骨と名付ける
そんな遊びが
まわりのものを骨にかえた
おれ ....
 余った腕は力を脱いて 指をかるく握る
 人さし指だけすこし立てて
 みぎ足 引いてひだりはそのまま
 そう ずらした軸を忘れないで
 鏡 ここに置いておくから

 そこで足を組むならもっ ....
人里離れた木の家で
タイプライターで小説を書いていたい

静かに、小さく、ひとりで



忘れられたピンボール・マシン
白黒写真にだけ残ってる
白骨化した遺体みたいに

静か、 ....
真夜中の、それも特に舗装もされていない道には気をつけることがある
これは僕の中にあるよくない傾向なのです
たとえばお金を拾うことは先ずないし(暗いからね)
本物の幽霊をみることもない(きみは ....
内海の
淵という淵をふるわせてやってきた風に
我が家のカーテンは
たちまち妊婦のように孕(ふくら)み
裾はひるがえって
海老蟹文様の空をまぶしく刻印する

内側は闇
ひっそりと
仰臥 ....
焼けつく夕日が焼けつく 脳裏を焼いて 焼き付く夕日
まぶしく夕日がまばたく まばらに赤く 火をまぶす

赤錆びて ブランコ 赤錆びて 回る子の鎖
うらぶれて倉庫の 何世紀 遠いどこそこに かぶ ....
 ちいさくて固い 心臓が
 そっと弛まるように
 白い雲は
 もう 空の高さを競わなくなった

 風が足跡をうずめるように
 虫達も その聲を次第に顰ませて
 次つぎと落ちて プリズムの ....
ダイヤモンドの針をそっと置く

行っておいで

想い出は遠くなるばかりで
美化されたがっているのはなぜだろうか
この溝は
なぞられれば現れる道だ
ふたたび
さみしさの琴線に音を咲かせ ....
小さな手花火
火をつけられたら 
そこからはじまる
儀式
一瞬燃えたあと
丸く赤い心臓が生まれ
酸素を吸って
チカチカと
この世ではじける
火の花
いっときの命
えいえんには続か ....
   オーム(あるいは人の死)



 その人は象徴を求めない
 鏡もまがたまもいらない

 その身を世界のくらやみに置かなくては
 鳥たちの空を見上げることは許されない

  キ ....
 子どもが さけぶ 肺をからにして
 名前を奪われた 動物を確かめ
 さけぶ こめかみをふるわせ
 おなじ靴、おなじ服
 好きになれない 名前 みなひとまとめに
 ぬぎ捨て駆ける

 さ ....
亡びたもののあかるさが満ちる夏の庭
もう誰も時刻を読むことのない白い日時計
茂みに囲まれた小さな池

茂みをざわめかせていた風がやむと
あちこちの陰にひそんでいた気配たちが
(それが何の気 ....
夏の雨が降るとやってくるシロイルカ
冷蔵庫から勝手にサーモンなんか出して盗み食いしてる
(いいけど、いいんだけどね。そのために買っといたんだけどね。柿の種もあるよ)
腹が満ちたら、さてっと、やる ....
 忘れ物 に なったハンカチ
 あわいもも色 うさぎを飼って
 駅の向こうから来る
 おんなの子を見て
 つれていって
 と、輪をかいた
 石のむれをしずめた 海と
 とおい空 かすれた ....
 ゆれる ぬけがらの重さ
 ひとつひとつ 声に彫られた
 ふるい幹のこまかな傷と

 蝉と烏 青を奪いあう
 にぎやかな今日

 不意につまづく
 日傘をさした子づれの伝道師が
 扉 ....
夏の水の力を借りて
包丁を研ぐ
冷たい石の周りで
世界は沸騰し騒騒しい
蝉は
悲しみを
果てまで
追い詰めて鳴く

時折
人差し指で
刃に触れて確かめる
すり減りながら
鈍色 ....
刻も戯れも心音も手招いて誘う
こころ あちらへ こちらへ
揺るがして手放す
なみだの群れは押し寄せて 弾き 引っ張る
しなだれる砂 きぬずれの脚
よるの はまゆう



 ....
日差しの刃に斬られ
だらしなく溶けてゆくかき氷の
まだ冷たいスプーンをなめながら
またひとつ星がおちたのに気づく

小豆とぎと河童と
座敷わらしとあと誰だっけ
訃報を連絡するために
黴 ....
左手に溶けたアイスクリーム
右目に遠ざかる稜線
風の音しかしない口笛

右足で蹴ったゴミ箱
左耳で聞いた流行歌
海の匂いしかしない溜息

右手は枯れたサボテン
左足は錆びた自転車 ....
たどたどしい指が生み出す
バッハのプレリュードを
小さな鉢植えに収まったサボテンだけが
棘をかたむけて聴いている

他の観葉植物は枯れて
手元に残ったそれは
巣立っていった息子が置いてい ....
裏路地、提携する眼
蔓延る窓
分裂する窓
その狭間で女は窓を拭き続ける
手にしたウエスは適度な温度を保ち
それはまた彼女の無口だった

無口の中には一人の海がいる
私と私たちは ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水のスープ- 由比良 ...自由詩4*23-9-24
ちょうちょ- soft_machine自由詩10*23-9-23
こんな夜は子守唄を- そらの珊 ...自由詩16*23-9-22
(abuse)- 由比良 ...自由詩223-9-22
縮図- 由比良 ...自由詩4*23-9-17
逃避- 由比良 ...自由詩5*23-9-15
双子の遊び- やまうち ...自由詩3*23-9-12
しえすた- soft_machine自由詩13*23-9-10
渚にて- そらの珊 ...自由詩7*23-9-7
骨のすべて- 室町自由詩7*23-9-6
クロッキー- soft_machine自由詩9*23-9-6
- 由比良 ...自由詩7+*23-9-5
快便な生活(応答風に)- アラガイ ...自由詩7*23-9-3
遠雷- 室町自由詩223-8-26
- なけま、 ...自由詩523-8-23
回帰線- soft_machine自由詩823-8-22
オールドレコードに寄す- そらの珊 ...自由詩9*23-8-21
線香花火- そらの珊 ...自由詩13*23-8-14
オーム(あるいは人の死)- soft_machine自由詩5*23-8-12
こどものせかい- soft_machine自由詩9*23-8-9
夏の庭にて- 塔野夏子自由詩15*23-8-7
シロイルカとの日々- そらの珊 ...自由詩8*23-8-7
忘れ物になったハンカチ- soft_machine自由詩12*23-8-5
青い影- soft_machine自由詩523-8-4
- そらの珊 ...自由詩13+*23-8-4
潮夜- 唐草フウ自由詩8*23-8-1
失う夏のソネット- 佐々宝砂自由詩6*23-7-28
- 夏井椋也自由詩5*23-7-28
夏の日のプレリュード- そらの珊 ...自由詩11*23-7-21
裏路地- たもつ自由詩7*23-7-19

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