ざーざーざーざー雨が降る

部屋にポツリと男と女
外は雨がざーざー降り
女が照らす明かりの側に
男は入らず闇の中

部屋に二人で男と女
外は雨がざーざー降り
女が尋ねる言葉の先に
 ....
冷えすぎません
電気要りません
上の空間に氷入れます

その氷が溶けるまでです
わたしがアイスボックスでいられる時間は

あなたからもらった
昨日の茉莉花が
せめて今日だけでも
芳 ....
空がせつなく見える日は
誰かのためいきが聴こえる

ためいきは
透明の煙になって
立ち上り
つどいあって
やがて白い雲になる

空がせつなく見える日は
あなたもためいきをついている ....
顔が見えない君の姿が雨の中 走り過ぎていくよ

ドアを閉ざして立ち並ぶ高層ビルの間を なにも構わないで

豹のように身体しならせて 行き交う獲物達をすり抜けて



先が見えない不確実 ....
雨の夜に思う 秋の初めの未だ残る緑の葉

鋭く細長い葉を纏った 細長き胴の先

風に振り乱だされる 白髪が如き穂

星も月も無く 徒に寂しく暗い野で

薄よ お前は そぼ降る雨に打たれ ....
あるところに
色を嫌うレンズがあった

それが愛したのは形
そして光と影の
バランスだけ



そのレンズを通して見ると
総ての花が おしゃべりをやめた

春の日差しの ....
長袖ビュンビュン

半袖ぴゅんぴゅん

お洒落じゃないから同じような柄ばかりの

シャツたち

ズボンもこれからの季節はずっと

うねうねコーデュロイを色違い二本

これから寒 ....
私の言葉を
ばらばらにすれば
私がわかるのかな

そうだったらいいな
それなら
どれだけ分解されてもいいのに

きっとわからない
自分でさえわからないからでなく
想いなんて
心な ....
塗料が剥げた
一部むき出しの看板
××酒店の文字が
マグマのように溶けだした
アスファルトの傍らで
孤独の声を上げる

何食わない顔をして
過ごしている

もう忘れてしまったなんて ....
秋は正しくあらわれて
冬になるまでに仕事をする


暑いからいや
寒いからいや
そう言っていた君はいまどうしているんだろう


春には
あたらしいという言葉が
使わなければな ....
私に優しいあなたは 
私じゃなくても優しい
それが悔しくて 
唇を強く噛みしめる
ひとり占め出来ない男は 
心を{ルビ蝕=むしばむ}む

胸が苦しいの 
肌が紅く染まっていく
女の身 ....
美しいモノが見たいというなら
それはもう美しくないかも知れない

汚いモノには目を覆いたい
だけど匂いはどうしようもない

私はたくさんの言葉を紡いできた
そこには僅かな真実があったのか ....
もくもくと

香ばしい

秋刀魚の焼く匂い

くんくんと

昨日の秋刀魚は美味しかったねぇと

家族が昨日の夕飯楽しそう

もう秋だね

うんそうだね

優しい匂いが私 ....
虫の鳴き声がする

星が動くように見える

夜の高くを

何処かのひかりを

吸った雲が流れていた


別れ話のそのあとには

永遠のふりをした

永遠でないものが

 ....
路上
たぬきが死んでいる 今日
のどを空に見せて
堂々たるもんだ

左右に列なす車の真ん中を
雲を逆さに見下ろして
脇腹を少し赤く割って
動かないで

見に行こうぜ いっしょに
 ....
カウンターのまえに生簀がある
生簀のうしろで二人の板前が
包丁を手にして僕たちの注文を待っている

弟と〈活定食〉というものを頼んだら
すかさず板前が網を持ち出して
生簀から魚を二匹すくっ ....
「あの子が嫌い」

彼女が一言そういえば
パタパタパタパタ
音を立て
私のオセロは翻る。
黒なら白に
白なら黒に。

「あの子が嫌い」

彼女が一言そう言うたびに。


 ....
コスモスが道をふさぐ
迷っている私をみすかすように
濡れたコスモスが
ふれて冷たい

いかなくちゃ
そうおもうときほど
いかなくてすむ方法を
想ったりする

大人になるって
迷わ ....
弁護依頼
冒頭調停
資産精査
財産分与
親権争い
罵詈雑言
憎悪交錯
視線鋭利
責任主張
法廷闘争
損得勘定
喪失感覚
精神耐久
疲労困憊
結局敗北

それこそ
離婚 ....
生臭いゴミの匂いがした

いい匂いのふりをしていた

季節の夕暮れのひかりに


ぼくは金木犀じゃないかと見回した

歩きだせずにいた

ひかりは姿を

ゴミの匂いは形を
 ....
見上げた灰色の空に

風が答えるように 霧雨をよび込む

屋根岩二峰

小さな張り出しの下にたどり着いても

漂う水滴から 逃げる事はできない


吸う息も 吐く息も
踏みしめ ....
美術の造形で手の形のを作った。
更衣室で皆で
蹴って遊んでいた。
そうしたら私の蹴ったのが

友達の目の上に
当たってしまった。
縫ったそうです。
傷は一生残っている

とても大切 ....
朝起きたら
おもいのほか寒かったのです
肩がひんやりします
すっかり秋ですね
早起きしても
ひぐらしの声はどこにもありません

朝起きたら
寝違えていたのです
眠りながら何かを間違う ....
9月からアメリカの小学校に入学した娘
2日目の朝吐き、早くも欠席
3日目お腹が痛いと昼前に早退
4日目から毎朝目が覚めると学校に行きたくないと、泣くようになった

「なんで行きたくないの?」 ....
それぞれの許されない世界は
こまるかもしれない

パートのないオーケストラは
ハーモニーを奏でない

ぼくは遇いたくない人間にはあいたくないと
思っている動物

話したくないのはぼく ....
太陽がラッパを吹いても
月がバイオリンを弾いても
最後は祈ることしか頭にない
最後は祈ることしか頭にない


私の湖に小舟がやって来て
そっと浮かばせてあげるこの腕は
いつでも身軽であ ....
人を
ただしい場面で
ただしい順序で
ただしい角度に
揺すると
泣く

そのただしさを
習得することを
愛とか技とか
呼ぶ人びとを
軽蔑し
憎んでいるわたしも

ただしい角 ....
誰にも届かない言葉を綴ろう

僕は 夜の井戸に吊るされた{ルビ剣=つるぎ}
永遠の愛を探し求める 一匹の蛾

その羽は古い靴下のように 穴だらけで
沈むことのない夕陽の その逆光に透けて
 ....
自分のすべき事が
見つかった。
できるかできないか
分らないが私のできる事。

私にしかできない事
反対も多いと思う。
でも私は負けない。
皆と戦う。

勉強は人間関係を
悪くす ....
発酵と腐敗は兄弟で
人間生活に有用なものは発酵
有害な場合を腐敗というらしい

母の遺産のふるーい缶詰がある日でてきた
台所のすみで静かに時を過ごして
僕と対面したわけだ

すでに缶は ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨の別れ歌- ……とあ ...自由詩8*12-9-25
アイス_ボックス- そらの珊 ...自由詩11*12-9-25
ためいき- そらの珊 ...自由詩812-9-25
A_Beast_In_His_Heart- まーつん自由詩2*12-9-25
初秋- ドクダミ ...自由詩512-9-25
色を嫌うレンズ- まーつん自由詩10*12-9-25
ころもがえ- 灰泥軽茶自由詩9*12-9-25
総画- 朧月自由詩212-9-24
チンポコ音頭- 花形新次自由詩2*12-9-24
正しい秋- 朧月自由詩512-9-24
【_柘榴_】- 泡沫恋歌自由詩17*12-9-24
【_移ろい_】- 泡沫恋歌自由詩7*12-9-24
もう秋だね- 灰泥軽茶自由詩6*12-9-24
永遠- 吉岡ペペ ...自由詩312-9-24
路上- オイタル自由詩6*12-9-23
活きた魚の眼- 佐々木青自由詩5+12-9-23
オセロ- 亜樹自由詩412-9-23
雨とコスモス- 朧月自由詩912-9-23
泥仕合- HAL自由詩3*12-9-23
金木犀- 吉岡ペペ ...自由詩412-9-23
マツムシ草- ぎへいじ自由詩9*12-9-23
美術- ペポパン ...自由詩6*12-9-23
なで肩の運勢- そらの珊 ...自由詩17*12-9-23
‘義務’という言葉をまだ知らない娘へ- 夏美かを ...自由詩17+*12-9-23
とぐろのなまえ- 梅昆布茶自由詩912-9-23
チャチ- マーブル自由詩612-9-23
ゆらす- はるな自由詩2412-9-23
約束の朝- まーつん自由詩412-9-23
なすべき事- ペポパン ...自由詩5*12-9-23
台所のかたすみで- 梅昆布茶自由詩10+12-9-22

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