だきしめる
だきしめる
秋風をだきしめる
沈黙をだきしめる
他人をだきしめる
通りすがりにだきしめる
ぼくのアリクイをだきしめる
人食いアリクイをだきしめる
雲をだきしめる
幻をだき ....
小さい花咲いたからっぽの海 怖く 暗い 部屋の中で
冷たく 嫌な 夢を見ました

震えながら 午前4時
吐く息は白く 消える

暑い 塩水が頬を垂れて
少しだけ 私は海に還る

この時が最後だった

 ....
月の光がぼくに問う

ぼくもまた心のなかで

それをひとに問うのだ

楽しいことを

見つけたときのように

ビニールが発する光の

美しさや無意味さのように



き ....
リルケの詩集を 雪の積もった日に
重いコートの襟を立てて 携えてきた
大事な宝物のように 頬を赤くして
そんな時代に きみの後姿が重なる


茶色くなった 欅の落ち葉に書いた
秋の香 ....
大陸で、
枯葉をペンキで塗ったような芸術が
砂浜で、
新しい季節を注文するらしいよ
噂では
鈍い犯罪は鮮やかな生姜の味
(意味わかるでしょ?
ひな菊を食べながら
逃亡する無意味が
情 ....
より良き生活のため神経の野菜畑を耕し、

朝日眩しい熱病に身体を委ね、

街を徘徊するのだ。

貪欲の沼を啜り、文字列に擬態するのだ。

嘘の窓の隙間を滑るように、

明日の腕を引 ....
眠れないのは少し良い
電灯も点けず薄暗い
六畳間にカラカラと
回し車の音がするのは

眠れないのは少し良い
苦い過去を吐き戻し
くちゃくちゃと咀嚼
案外甘みもあるのだと

眠れない ....
ひとつ心の紫陽花は記憶の静寂で雨を待つ

いつまでも、

視野に入れてはよそ行きの

祇園寺町河原町

どこへ向かへば夏祭り


愚鈍かもね熱々の

ライスカレーはひ ....
あれをずっと松茸ご飯だと思っていたかった 少年には
旅に出なければいけない時がある

うすい口唇と
よごれた頬と
ほそい首筋と

何を信じればいいのか
何を感じればいいのか
それを探しに

だから旅に出る
やがて逢う少 ....
寂しいから綴るのでしょう
私はここに居ますと
何も瓶にお手紙を詰めて
読んで下さいなと祈る事もありません
ひたすらにぼんやりとした
心の内側を吐き出すのです
吐瀉 これは辛いです
すんな ....
ふたりでハンカチ落としするのか 大切なものを落としてしまった

それは方法のようなものだった

それは機能のようなものだった

それは祈りのようなものだった


新たに買えばすむようなものではなかった

代替に ....
薔薇よ
かくも烈しい
おまえの怒りに
一瞬にして触れてしまった
不意をつかれてたじろぐ私の指先の
見えない程小さな
けれど思いのほか深い傷から
みるみる膨れ上がって
指を伝って流れた色 ....
美しい花は咲き始めるにあたって
他の花々と契約を交わした
それぞれの孤独を干渉し合わない契約を
美は純粋であることから生まれ
自らの美の形成は自らの唯一の中心性に基づく
だがやがて花 ....
誰も通りにいない
風の時の中を吹く流れ
僕の体は いつも そこに立っている
そして 街を 流されながら 歩いていた

僕の中でプールを思い出した日
青色を見た 目の中に
壁の模様の目の前 ....
ほんとうの話を 書こうか書くまいか
かくまうのはやめて お書きなさいな
夜空に 月ひとつ
鱗雲に埋もれつつ 虹彩を放つ

大地を踏みしめて
月と私は空を挟んで共にある
驟雨の ....
ニオイスミレの葉の下で
天道虫が雨宿り
あおげば
かおる風にあらわれた
なびく髪の先にそら
投げたこいしのその先に
ひろがるあわい面影の
ふかい懐に抱かれて
ひそやかに
咲い ....
エラーコインのズレた穴から月を見ている すべての望みをかなえることができないように
すべてのいのちをいきることができないように
ぼくたちはあるフレームできりとられた風景を生きる

ことばでそれらをデッサンする
どうやったら頭のなか ....
昨夜も死と戦っていた

胃カメラを飲むように

ぼくは死と戦っていた

ずん胴な土管をイメージして

胃カメラをやり過ごすように

染み渡れ、縋りつけ、寄るべなき生に


薄 ....
美味しそうなものに向かうと
全身全霊、前のめりでピンと張る

いつも一緒かと思いきや
左右別々に、動いてもみせる

音を拾います
そこから
ここまでの
世界を知るための複雑な情報であ ....
ほどよいお湯で滝行 片づけておいてね、って 言った
私の責任だとしても
鞄という鞄の ファスナーもホックも全部
ジッパーは下ろされ パックリと口を開けて
私を 逆さまに覗いて笑っていた

自分では見 ....
 妖怪


都会の妖怪は
昼間に出るらしい
夜は明るくて
隠れる場所が無いから

たとえば
人の途絶えた午後
ビルの屋上に出るドアの
前に佇む影

あるいは
休日の事務室に ....
硝子のむこうで
雨が呼んでいる

硝子のむこうで
闇がきらめいて

硝子のむこうで
孤独が浮遊する

四角い窓から
宇宙がもれだして
夜はカーテンと
ひとつになる

四角い ....
いくらの軍艦巻に
乗組員、数十名

生まれることを許されなかった
鮭の卵たち

テレビのニュースに
独裁者

彼を許すまじと
人々はその軍艦巻を
一口にほおばりながら ....
毛布の花が体の上で咲いている
冬の寒さを養分にして
何に耐えかねてか
世界からぱらぱらと言葉が剥がれ落ちる
きらめく言葉
傾いた言葉
青ざめた言葉
しどけない言葉
跳ねまわる言葉

何に耐えかねてか
僕からもぱらぱらと言葉が剥がれ落ち ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
だきしめる- やまうち ...自由詩4*14-11-9
小さい花咲いたからっぽの海- 北大路京 ...自由詩114-11-9
陽が昇る時に- 瑞海自由詩5*14-11-9
月の光- 吉岡ペペ ...自由詩614-11-8
夕萓に- 藤原絵理 ...自由詩8*14-11-8
ひずみ- 左屋百色自由詩7+*14-11-8
良き生活のため- 近藤孝次自由詩514-11-8
少し良い- ドクダミ ...自由詩4*14-11-8
カレー丼- 自由詩5*14-11-8
あれをずっと松茸ご飯だと思っていたかった- 北大路京 ...自由詩714-11-8
出逢い- 渡辺亘自由詩414-11-7
きっと- ドクダミ ...自由詩7*14-11-7
ふたりでハンカチ落としするのか- 北大路京 ...自由詩214-11-6
祈り- 吉岡ペペ ...自由詩414-11-6
薔薇よ- Lucy自由詩20*14-11-6
- 葉leaf自由詩514-11-6
子供の目で- 番田 自由詩114-11-6
恍惚の魚眼- るるりら自由詩8*14-11-6
ひそやかに咲くむらさきの- 衣 ミコ自由詩314-11-6
エラーコインのズレた穴から月を見ている- 北大路京 ...自由詩214-11-5
素描- 梅昆布茶自由詩1914-11-5
染み渡れ- 吉岡ペペ ...自由詩1114-11-5
饒舌な耳- そらの珊 ...自由詩1614-11-5
ほどよいお湯で滝行- 北大路京 ...自由詩7*14-11-4
マヌケな家政婦- 為平 澪自由詩10*14-11-4
妖怪- イナエ自由詩15*14-11-4
夜の帳- 川瀬杏香自由詩7*14-11-4
寿司桶- 小川 葉自由詩514-11-3
winter_flow- mizunomadoka自由詩214-11-3
静かな手- 塔野夏子自由詩7*14-11-3

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