理由のいらない椅子が並ぶ
未明に墜落した紙飛行機の残骸と
食べかけのルーマニア菓子
砂浜の砂の数は
既に数え尽くしてしまった
栞の代わりに挟んだ魚が
静かに発酵して
すべての ....
【幸福な魚】


福はあなたのまわりに 居ますか?
幸福のフクですよ。何言ってるのですか?
福は生き物に決まっているじゃあありませんか

なになに幸福が生き物だとしたら 
め ....
冷蔵庫のコンデンサと
    コンプレッサとが
ご機嫌いかが と適時にささやく
そして そのたびに
    卒寿のおひとりさまは
ぴくっとして 暮しの流れに竿をさす
過ぎた四次元の追憶を迫 ....
僕の頭を開けてごらん
中にも僕がいるでしょう
そいつはしかし偽物だ
さあもうひとつ開けてごらん
そこにも僕がいるでしょう
そいつもしかし本物じゃない
どいつもこいつも容れものなんだ
開け ....
人間としての純粋さは
美しすぎる少年のように夭折した
私はそれを補うものとして
社会という書物を解読する意欲に満ちて
純粋なサラリーマンになった
だが純粋なサラリーマンはあっけな ....
 朝夕と寒さの残る白樺湖のほとりの美術館で娘と戯れる。
 初めて間近に見る大きな影絵は色鮮やかに娘の眼前に聳え立つ。
 後往く月この戯れが続くのだろう。
 残された日々はあまりにも短く感じる ....
 街角の雑貨店に流れるオルゴールの音色が心地よい。
 店番をしている若い雌猫のカフェオーレのような顔もまた楽しい。
 店の扉を押し開けてのっそりと入ってくる常連の猫は
 手入れの行き届いたひ ....
{引用=お隣りさんから伸びている皐月の枝に腹を立てて
お父さん、チェーンソーで切ったのよ
根元から


母の愚痴のほぼ全ては父のことで占められているから
電話はいつも父への悪口で終わるの ....
ジャガイモ一袋かごの中へ

ゴツゴツした日焼け顔が笑う

にんじん一袋かごの中へ

面長のすまし顔が知らんぷり

たまねぎ一袋かごの中へ

まんまる顔の泣き顔がうつむく

豚肉 ....
梅雨空の悲鳴
私の空はやけに立て付けが悪い
私は有無を言わさず空を閉じる
天国など空から見えるわけもなく
ただひたすら空は鈍色だ
君がどの辺(あたり)に上ってゆくのか
風が吹いている
ダ ....
自然にできたグループに分かれて
植民地時代のボストンの街並みを色画用紙で再現している
春陽に包まれた5年生の教室

その穏やかな空間に一瞬そよ風が吹いて
支援クラスに行っていた娘がひらりと入 ....
もう二度と出逢えない
雪のように溶けゆく理想達
狂想の瞳孔に映るのは
忘却の綿埃に覆われた部屋の明かり
そこに確かにあった愛を指でなぞり
世界が終わるまで決して連れ出さない
薄っぺらな紙に ....
おれが息をする夜
この部屋の明かりは
林道にぽつりんと佇む
自動販売機

蛍光灯をカナブンが舞う
2ストロークのエンジン
ギアはまだ1速
目を閉じると
それはまるでチェーンソー
古 ....
『難破船』        あおい満月


(書きたいなら、食べなさい)

誰かの声に瞬きをすると硝子の壁の向こうに、
肉や魚や、
色とりどりに切り刻まれ、
煮込まれた野菜たち ....
きのう
電線の張替工事があって
声が途絶えた
それからというものの
すずめの親鳥が
トランスのあたりをちょろちょろしている
巣は
除去されていたよ
それから
ふだんはこの街にいないは ....
それでも時は流れていく
ゆっくりと
淀みなく
立ち止まる想いを押しのけ
焦る足元も
掬いあげ

鳴り響く発車のベルの音
口ごもる詩を
何度も試み
置き去りにされる記憶を
追いかけ ....
容赦なく
照りつける太陽から
逃れるように
白い日傘が路地の奥へと入ってゆく

打ち水をしたアスファルト
ゴーヤ棚が繁って日陰をつくっている
縁台でのんびり寝ている野良猫
軒下には硝子 ....
五感に塩漬けされた記憶の味が
酸っぱくなってゆくようだ
母は既に亡くなり
カビの生えた世間知らずの正義と理想を
空は紐で繋いで晒し者にする

生温い風に扇がれて
都会のビルの間で尾鰭を振 ....
 
 
部屋に海が落ちていた
魚の姿は見えなかったが
遥か遠くを
タンカーが航行していた
 
朝のうちは
キッチンの方へと吹く
潮風にあたり
そのように過ごした
 
午後 ....
愛とか恋とか売買できるものだと思っていた

遥か遠い叶わぬこの気持ち
たくさんの壁があるこの気持ち
声だけで繋がれるこの気持ちは
一体なんと呼ぶのであろう

貴方の頬に触れたいこの気持ち ....
先人は言った
「高く翔べ」
「真っ直ぐ翔べ」
「ゆっくり翔べ」
しかし私は
ゆっくりとは翔べなかった
あまりにも
あまりにも生き急いでしまった

堕ちた翼は
折れた翼は
二度と翔 ....
川の底で
石くれが削れていく

棚の奥で
干菓子が湿気っていく

人がまた
一つずつ年老いていく

失われていく何かを
今日もただ見守りながら


床の上で
米粒が乾い ....
あたしの母親の両脇腹には
あずき色に腫れあがった
おびただしいインスリン注射の痕がある
あたしの母親は重度の糖尿病で
両眼は白内障で目が見えない
向かって右目は
塩焼きにしたあ ....
憎悪と欲望渦巻くこの界で
残された己の生、
あの善なる黄金に輝く頂きへの意志
育み保つ。
殺されたモブキャラにも家族がいる 「死」というものは、笑えぬもの。

五年前の冬
八十九年の生涯を、閉じた
婆ちゃんについては、笑えるもの。

在りし日の婆ちゃんの
面影が今も座る食卓の席に
遺影を置き
孫の僕は冗談 ....
黒い森包む静謐
包む深淵に踏み沈み
朦朧と憧れ辿る境の途

溶け消え逝く恍惚迷妄、
抑え抑え。
窓の外は夕焼けだった
西の空が燃えてしまうのじゃないかと
男は本気で心配をした
世界が端から燃えてゆくなら
何を持って逃げようか
あの手紙
あの写真
あの画集
あの女
一体どこへ逃げ ....
たずねてもいないのに
自分のことや 他人のこと
ババババーッと しゃべりまくる人
そんな人が 機関銃の弾切れみたいに
一瞬 静かになったとき
その口元から もれる煙を
ぼーっと見るのが、好 ....
くろい満月が
手のひらに浮かんでいる
あたしの腕はあなだらけだ
あなのうえを歩いている
面接にいくまえに
立ち寄ったスターバックスの
本日の珈琲の黒いあなに
あたしはすいこ ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
理由- たもつ自由詩1615-6-25
さかなかな(三篇からなるオムニバス)- るるりら自由詩9+*15-6-25
老いの演繹- 信天翁自由詩415-6-25
マトリョーシカ- 花咲風太 ...自由詩615-6-25
かなしみ- 葉leaf自由詩515-6-25
湖畔にて- ヒヤシン ...自由詩6*15-6-25
愛というもの~永遠と呼べる一瞬- ヒヤシン ...自由詩10*15-6-25
チェーンソー- そらの珊 ...自由詩15*15-6-24
買い物かご- 佐白光自由詩4*15-6-24
挽歌- ……とあ ...自由詩10*15-6-24
ものさし- 夏美かを ...自由詩37*15-6-24
伴侶- 由木名緒 ...自由詩715-6-24
777- もり自由詩5*15-6-24
難破船- あおい満 ...自由詩8*15-6-23
亡くし仔- 凛々椿自由詩415-6-23
快速- Lucy自由詩18*15-6-23
【_風の通り道_】- 泡沫恋歌自由詩16*15-6-23
六月- 乱太郎自由詩11*15-6-22
言い訳- たもつ自由詩515-6-22
売買される恋愛- じまさん自由詩315-6-22
Fly__high- 渡辺亘自由詩315-6-22
干菓子- 青井自由詩315-6-22
アリア- あおい満 ...自由詩715-6-22
表明- たけし自由詩115-6-22
殺されたモブキャラにも家族がいる- 北大路京 ...自由詩315-6-22
椛の手- 服部 剛自由詩615-6-21
均衡- たけし自由詩2*15-6-21
胸焼け- やまうち ...自由詩215-6-21
行間- もり自由詩5*15-6-21
満月- あおい満 ...自由詩615-6-20

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