噛み合う会話には拍感が不可欠なのだと
一日の終わりに反省するけれど
あげく拍を取れないまま
ついに考慮されるのは

振動にことばに帰納的な推測に
ことばに信号に声帯の震えに
とうめいな笑 ....
迷走しているのは私です。
つめたい冬の夜。
不明なことに、ときとして
名辞をしらされることがある。
ただの落書きにも…
土鍋の蓋に
細い褐色
目をこらすと
かまきり
眠っているのか
脚を折りたたんだまま
じっと動かない

夕暮れに
畑から採った野菜に
紛れ込んだのか
なかまから逸れたのか

師 ....
この手は拒まない
例えば冬の凍て付く月を
耳たぶに飾って光るなら
夜しか生まれずに爪を渡る

明日はきっと
何も聴こえなくなって
心だけで
叫ぶでしょう
 浜よ
 あなたは
 これほどまでに
 ごつごつとして
 来るものを
 こばみつづけていたのか
 
 浜よ
 あなたは
 これほどまでに
 えぐれて
 どん深で
 とらえたもの ....
いつもの部屋


寝返りのうてる高さに枕を濡らす。身体に比べて耳が異様に巨大化している。右耳だけが。心臓を上にして横になっているので、重さは、苦ではない。耳朶が足先まであり、指で弾力を確かめて、 ....
麻の半袖ワンピースを
さっぱりと洗い
捨てる時を伸ばし伸ばしにしていた
サンダルに永遠の別れを一方的に告げる

風鈴は日曜日の新聞紙でくるみ
青いペディキュアを消す

扇風機の薄い羽根 ....
もがいて水面から顔を出す
ように息をするかろうじて
ポジティブ思考
が大事です
足首に錘
つけられても
まだ笑えます
夢も見れます
今日一日を楽しみに
起き上がります
階段をおりて ....
 
金色の蜘蛛が光の絲で部屋を寸斷していく幽かな音を録つた
 
 
複雑な小路が入り組んだ先に
ほんの小さな広場があって
そこに君の住むアパートメントがある

夢しか見えない君を訪ねる
思い切り太っていて
あらゆることに考えが歪曲し
君はすっかり君でなく ....
さよならのかたちして
かもしかは
ゆうまぐれ
町を歩く
ときどき
立ち止まり
思案して
また
歩きだす
かもしかの
梢とも
灰ともつかぬ毛
硬い毛
そのきわ ....
冷たい雨

青い雨

ノイローゼのように震える雨垂れ

記憶を宿した暗い雨

金色の雨の音

昆虫たちの巣に流れ込んでいく雨

秋のやらずの雨

湿った車の音

国境に ....
この世でいちばん大きな生き物は何だとおもう?

暮れゆくばかりの秋の問いに
ふとたちどまる
たちどまることは忘れがちだけれど
時折とても大切だから
スニーカーの靴底で
きのこをおもう
 ....
Mrs.アリスの物干し竿には
百年前から着古したシャツやらが
のんきにぶらさがっている

逃げたカナリアの幸せを祈り
野良猫は低く鳩を狙う
公園はひっそりと
今日も来ない子どもを待ってい ....
穂のゆれる
夕方まえ
ゆれてるね といい、
すわったまま
夜をむかえる

つめたい月をちぎっては
たべ、
いくつかの
物語で暖をとり
ちらばった行間をたばねて
舟を編んだ ....
詩は流れ星のように夜
俺の空を流れる
それは流星群のようだ
ひとつひとつの着想をつかまえきれずに
死にものぐるいで
ボールペンを走らせる
アイデアが豊富な訳ね素敵ね
でもそれはあなたがお ....
空と雲の間で
聞こえる気がした
まだ誰も触れてはいない
風に揺れるような言葉が舞っている
全てを心の中へ預けてみると
紙飛行機が生まれる前の形に戻って
地面を育てていた
会いたいと思う時 ....
雨風に家が鳴いているから
壁の写真を剥がして日焼けを数えて太陽を
探しています、乾いた唇が忘れた温度は

カップの欠けた縁みたいに痛覚を撫でる

破いて散らした写真の風吹は夏の嵐を
さら ....
 
  {引用=みずうみに
釣り糸をたらすと
うつくしい皺が外縁へむかい
逡巡をひろげていく

魚のいない惑星では
玻璃でできた液体はとてもあおい

水べの図書館の閉架には
魚偏で ....
西日のざらざらで
描いた影の絵を
なぞる蜜の指
終わろう終わろうと
切っては捨てた
いろいろな物が
日の沈むあたりで
燃え残って鳴っている
世界と水平な心でいて
こまかい こまか ....
線路の脇の赤茶けた砕石の荒野
そこに芽吹いてしまったジシバリ
細長い茎のてっぺんに
ちいさいタンポポに似た花を掲げ

電車が来れば車輛の下に潜り込むほどレールに近いのに
倒れずに
ふらふ ....
やすらかな、静けさと麗しさのかたよりのなかで、
彼はそっと目をしばたいたの。
そうして楽器を叩く。
若い彼は楽器をたたく。
 
塔のそとでは風がながれ、
落ち葉をはこんでゆく。
湖にしず ....
梔子の花は枯れず
ただ一輪として朽ちず
果てしなく昇る夏雲の白さを
その面に留めて

漣は凪がず
ただ一波として静まらず
絶え間ない青い流れにいつか
遠く帰るために

空は果てず
 ....
音楽を聴く分析学的な時間が好き
きみと過ごす解析学的な時間

深く沈潜してゆく愛情にも似た雪のよう
罵られる騾馬のように時間が過ぎていっても

愛撫する隙もないきみと暮らしているぼくは
 ....
言葉でなくて
石を拾う
このことばには
重量があります


宇宙の蝶番に
薬指を挟みました
いたわっているところに
風鈴が鳴ります


鳶を見下ろす
鳶はいない
そういう思 ....
くだけちる
まえの、ひかりを
だまって
みつめていた


夏のおわりに
めばえをなづけたりする
そらは逃げ水になって
星をのみほす
みたこともないくらいに
あかい月を
 ....
白くてぼんやりしている一日
読みかけの本は表紙から冷えていく
犬はどこどこ毛を生え換わらせるから
死んで右往左往している夏の毛を集めて
新しい子犬として
毛糸玉に魂を吹きいれる魔法の息を
 ....
けだものだったころが、もうあんなに遠く
淡い水色を地に、薄紅色の薔薇柄の薄いカーテンが
夏の終わりの風に
パタパタ揺らめいていて ベージュのソファがあり
包帯
外の桜の木の緑が、盛りだけれど ....
泳ぎ疲れた川魚の 
ため息が水面にうかぶとき
十月は訪れる
他愛もない 言葉のくずを散りばめて
だれもいない山道の清水に流してしまおう

季節は傾斜し 黙り始める
そのはざかいに ぼくた ....
頸を傾げ
游ぐ白鳥の
鉤括弧を孵化させる


言葉を寄せれば頬が温もる。そうしていくつもの冬を乗り越えてきた。
正義と正義と欲はきっと同じ意味であり、他人のものであるとは到底言い難い。しか ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
シントニックコンマ- じおんぐ自由詩220-12-11
見つけられた言葉- ナンモナ ...自由詩3*20-12-8
かまきり- もちはる自由詩5*20-12-7
月光- ミナト ...自由詩320-12-4
種崎海水浴場- 北村 守 ...自由詩320-12-3
いつもの部屋- 後期自由詩120-12-1
夏をしまえば- そらの珊 ...自由詩10*20-11-26
発信- Lucy自由詩11*20-11-25
room,_alone- 墨晶自由詩1*20-11-18
帰路- 山人自由詩10*20-11-16
羚羊- フユナ自由詩420-11-15
- 由比良 ...自由詩720-11-8
きのこは愛なんか歌わないけれど- そらの珊 ...自由詩14*20-11-6
秋の窓は刹那- そらの珊 ...自由詩10*20-11-6
川辺- はるな自由詩1720-11-6
コヨーテの夜- TAT自由詩320-11-3
散歩道- ミナト ...自由詩4*20-10-31
あらしのよる- 帆場蔵人自由詩320-10-28
幻想と歴史- 道草次郎自由詩13*20-10-27
西日- はるな自由詩620-10-26
いつからそこにいたのだろう- Lucy自由詩10*20-10-15
sonnet(塔)- おぼろん自由詩3*20-10-11
梔子の花は枯れず- につき自由詩4*20-10-6
秋の詩片- 梅昆布茶自由詩1420-10-5
四行詩- 道草次郎自由詩2*20-10-2
覆水- むぎのよ ...自由詩320-10-1
暮れるのがはやい- そらの珊 ...自由詩14*20-9-30
獅子の町- 田中修子自由詩6*20-9-30
十月- 山人自由詩4*20-9-27
違語- すいせい自由詩420-9-27

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