・ 
揮発性の朝の
つめたい胎盤の上で
藤の花房が ゆれている



風にさらわれて
透けてゆく春の上澄みは
背中から咲いてゆく
焦点のあわない花の群れの
ひそやかな発声で
 ....
零れ落ちる花弁を無碍に季節の風が運んでゆく

ちょっと絡めただけの指先が愛しくて

君の名前をそっと呼んで見る

僕は花盗人君の唇を奪うろくでなしさ

君にあずけたこころはいつか返して ....
  夜には涙を流し
  昼には歯を食いしばり
  そんな 見苦しい表情を
  想い出の中に焼き付けてきた

  大勢の自分達

  心の物置に積み上げた
  記憶のフィルムに踊りだ ....
焦りと不安が狂わせた

備えという名の独占

街から安全な水が消えた

走り回るのは血眼の乳母だ

理不尽がまた増えた

臨界点の明滅をみる

なにもできないままで

空の ....
まどろみの
虚ろに耐えている
生物がいると
伝えてくれたこともあり
それならばこのようにして
指を浸し
呼び止めるならば
花は花を覆い
応えた面影の数にだけ
ゆるく髪を梳かし
蛇行 ....
出せなかったラブレター盗まれる 失恋って
誰かと共有する必要が
あるのかな?

一人飲み
布団かぶって寝るので十分
明日は
誰もそんなことがあったなんて知らない

そんな顔で
リセットしたいね
体育の授業でできなかった
隣に座る女の子が休み時間に
ぼくを誘ってくれた
ふたりで校庭をはしって
鉄棒につかまり
練習を始めた

雨の降らない日は
休み時間のたびに
ふたりで鉄棒をす ....
生まれた時から軋みを聴いている

トンネルばかり走る列車の足音だ

時々思いがけない景色が見えて

映した窓を切り出しては

懐かしい無人の駅に送る

随分と乗り換えないでここまで ....
 
 
空飛ぶ円盤が池に落ちた
脱出した宇宙人は池に溺れた
溺れた宇宙人は池の鯉が食べた
その頃、僕は恋に落ちて
恋に溺れていた
今思えば、身勝手な恋だった
鯉が溺れなかったのが
唯 ....
うわ滑りせぬよう
地に足つけて
踏み出せば

見渡すものは
主観の世界

彩り
カタチ

ひかり

発語はいつも
見えない
暗喩


から回りせぬよう
地 ....
     はしる かぜ
     まどう くも
     かわく かなしみ
     うたう さんだる

     なでる ひかり
     わらう このは
     すける わだか ....
春になると飛んでる虫が集中的に増える

だから燕はこの時期にこの国にやって来る

命を食べみずからも命に食べられる

命のピンボール

切実でも偶然でも運命でもない

ぼくみたいに ....
止まらない世界は僕らを圧迫する
時間は切り刻まれて疲れている

それでも安息を求めてやまない魂は
慰安の色をさがす

世界を認識し感じるのはこの皮膚

本当は政治や経済で色分けされた世 ....
むなさわぎむささび

さっきしずかにとおりすぎた

わさびかみしめさわがしい

ずっとよいんはつづいていて

わびさびおかしななびげいと

のうりをよぎるむしのしらせ

むなさ ....
木の皮に こもった熱が
少しづつ 雪を溶かし

陽射しが 波紋のように
幹の根元を まるくあゆむ

溶けた雪は水となり 土にしみ込む
しみこめない水は 雪の下をたぱたぱ流れ

水の膜 ....
同姓同名が出世している {画像=130413231900.jpg}


世界が今日より早くて

欺瞞に満ちた世界に落ちるなら

夢を切り売りし

希望を消費して暮らそう


排他的な言葉を並べては
 ....
木漏れ日が気持ち良い

緑が光りを浴びて生き生きしている

鳥の声も嬉しそうだ

人の声がする

嬉しそうな声だ

ちらりほらり木々の間から

鮮やかな着物を着た女性たちがこち ....
おまつりのちょうちん
ぼうととおくあかるく

おみこしを
かねを たいこを
かついで たたいているのは
おじいちゃんだ
おとうさんだ
となりの おにいちゃんだ

いまはもういない
 ....
 あなたがどこか遠く知らないところから
 「あなた」と呼びかけるたび
 なんにも知らない鏡みたいに
 よろこびを反射させて光っていました

 あなたがどこか遠くから
 わたしでないだれ ....
{引用=「草枕旅ゆく君を愛(うつく)しみ副(たぐ)ひてぞ来し志賀(しか)の浜辺を」(万葉集 巻四566)}
或る女は旅に連れ添い
まだ若い馬にまたがりシカの浜辺へ
青々としたうつくしみの心でもっ ....
黄昏た窓枠を眺めている
はちみつ色に細める
瞳の中には
きっと琥珀が ねむっている



机の上の
コンパスの針で刻まれた
しらない時代の落書きを
なぞる白い指はこびで
背 ....
役者は
媚びてしまった

目の前の毒リンゴを
食べてしまった

役者が
安っぽい悦楽で
身体中を痺れさせている間に

観客は
優しい嘲笑を浮かべつつ
足音もたてずに去ってい ....
手をつないでいた
痕は
君に残っているかい

抱きしめた時の骨の
軋み
君は覚えているかい

うずくまって、泣くなよ

ほうら、風が吹く
ほうら、音が鳴る

太陽の欠 ....
国をあげて
ゆすりたかりに
明け暮れるっつうのも
なかなか他に見ないよな
すげえもんだ
むなびれが似合いそうな顔してよ
まあ、親父は
オバサンパーマで
グラサンだったしな

ところ ....
なにもしなかった一日の締め括りを
ピーナッツサンドに熱い珈琲で終わらせてしまうだけ。
配送される
朝はもうそこまできているのに
言葉たちは僕の眠りを妨げる。
裏切りもしない反面
厚く盛 ....
大きく伸び縮みする時間、とポプラのあの不穏さ
を 考えているときに隣で編み
込む 糸を巻き付けて束ねて吸い込んだ製糸工場の裏


中心部分の球体をゆっくりゆっくりなぞりあげる
指の先 ....
子供達がてをふりながらさってゆく
老いた道化師は泣いた

彼らはもうサーカスを振り向かない
ガランとしたテントだけが残される

1918年の秋はからっぽだった
1928年には不安が流 ....
外国語のように
流暢な言葉でなくウグイスがいた
なめらかに
気持ちのよい朝に

外国語にはちがいないな
などとおもったりする私は
また
うつむきかげんで歩いていた

君はいまどのへ ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
春の残り香- 佐東自由詩4*13-4-16
花盗人- 梅昆布茶自由詩813-4-15
空に浮かぶ棺- まーつん自由詩613-4-15
麩を買う老人- 村正自由詩1*13-4-15
- 春日線香自由詩313-4-15
出せなかったラブレター盗まれる- 北大路京 ...自由詩713-4-15
リセット- 鵜飼千代 ...自由詩13*13-4-15
逆上がり- 殿岡秀秋自由詩713-4-15
最終列車- 村正自由詩3*13-4-15
住処- たもつ自由詩413-4-14
地に足つけて- シホ.N自由詩213-4-14
はるの_くわだて- nonya自由詩21*13-4-14
命のピンボール- 吉岡ペペ ...自由詩613-4-14
感性の幹- 梅昆布茶自由詩913-4-14
むなさわぎはちぶんめ- 灰泥軽茶自由詩7*13-4-14
陽_波紋- 砂木自由詩17*13-4-14
同姓同名が出世している- 北大路京 ...自由詩513-4-13
世界が今日より早くて- 自由詩413-4-13
陽春の花- 灰泥軽茶自由詩7*13-4-13
はるまつり- 朧月自由詩613-4-13
鏡たち- はるな自由詩513-4-13
うつくしみの_うつつ- 木屋 亞 ...自由詩4*13-4-13
かたおもい- 佐東自由詩4*13-4-13
役者は夜になった- nonya自由詩14*13-4-13
僕の腕はその重たさを忘れない- うめぜき自由詩113-4-13
ミサイルふぐちょうちん1号- 花形新次自由詩213-4-13
妄想と夜の交わり- アラガイ ...自由詩5*13-4-13
石女- 自由詩313-4-13
道化師の秋- 梅昆布茶自由詩1313-4-13
こちらがわのウグイス- 朧月自由詩213-4-12

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