夏の間中じっくり眠り込んでいたものたちが
大地をぬぐうように冷たい夢を放ち始める
夢とうつつとが激しくこすれ合う中
秋の虫たちは生まれ秋の草たちは伸びる
夢が散り散りになって燃え果てていく ....
考え事に埋め尽くされて
頭が体を超えて行くとき

私はスニーカーを履いて
ドアから飛び出す

目的地なんて関係ない
ただ走る為だ

町を抜けて
川沿いを疾走し
理由も無く走り続け ....
水と油が
分離するように

時折
私はゆらゆらと分裂する

それは
焦点がずれた映像のように
バスの窓から景色を見ている

光の帯が
賑やかな街に伸びて
ひとりの私を過去にして ....
街はガラスに囲まれている
反射する さまざまな夢は
灰色に熱くなったアスファルトに
焦がされて 揮発する

空調の快適な 何もない部屋で
ただ死ぬのを待っている 暇つぶし
ガラスの表 ....
一枚の紙に、今から100年分のカレンダーが載っている。

想像できるだろう。

このカレンダーのとある日に、きみは死ぬ。

想像できるだろう。

なにもしなくてもきみは死ぬ。

想 ....
運命を呪うというのは
自らの遺伝子を呪うということ
運命を愛するというのは
自らの環境を愛するということ

私は地球の申し子であり
あなたの息子である
あなたの息子と同時に
独立した個 ....
失われた時を還せ
死んだ夢を呼び覚ませ
きみのうなじの産毛が好きだから
僕の名前を風に聞いてくれ

最期の銅鑼が鳴り僕たちのバンドは退いてゆく
黄昏の中へ精緻な夜へと官能をつなぎとめる
 ....
真っ白い炎が
咲き乱れて
花ちるさと
凍えるような涙で
殺菌する、
浴衣の模様を
黒地の頬を落ちる涙、
昔、
夏祭りに出かけて
一緒に金魚を網ですくった思い出がある
うちのお父 ....
私が水の娘だった時
その人が私に望んだのは
夕暮れの淡い光に満たされた
一枚の
黄色い風景画となること
郷愁のような安らぎをもたらす
穏やかなさみしい静止画像

額縁に収まり切れない私 ....
耀う光のなか 疎らに枯れだす芝生
なにを疑うでもなく
彼女はそこに寝そべり
湧出する表層にみをあずけて
こちらをおもしろそうにみつめている

薄絹のみなれないスカートを
潮風にさらし
 ....
薬で眠る
父を見舞った

ゆっくりと
眼裂が開き

ゆっくりと
また閉じる

私は
川に立つ
真っ白な鳥を想う

そう
あの鳥と
同じ視線で

父は
私を見る
私 ....
演奏会の時には一番後ろの椅子のままで私は終わりました
初秋の朝、風が窓辺に腰掛けて静かに凪いでいる
この白髪はさぞ目立ったことでしょう
彼の故郷のみずうみは人知れず朝陽に煌く
家族たちはいった ....
人間の空は 何かぶつぶつ言っている

本当は 黙っていたいのかもしれない

心の背中が ちょっとかゆいのかもしれない

もう たまんなくなって

掌を広げてみたんじゃないだろうか

 ....
兄がいもうとをおぶってはしる
空にくるさいごの夜にてらされ
町や人を巻きおおう紅い霧がまう
木と紙の家をすばやい蛇がはう

あけて通りには誰もみとめない
ぬがれた帽子の散らされたかげ
 ....
運命は変えられるの?
アリスは尋ねる

運命なんてありはしないさ
きみが夢のなかで存在するように

偏在する夢が現在という一点に
結ぶ露のようなものが人生らしいんだが

アリスは頷く ....
雨は綺麗だ
ひどくやみ上がった空はうつくしい
衣服が濡れて透ける
心までが裸になるのだ

終わり欠けの虹を見る
どこへいく
どこへいってもスマートフォンは繋がる
恋人からは逃げ ....
【ふたつの音】



毒虫に やられ
全身は はれあがっておりました
つかれきった こころに
毒蛇を漬け込んだ酒をかけると
寝袋の中に身を横たえた私は、
水平さざ波のように 癒えてゆ ....
 真夜中に飲むアールグレイに心は踊る。
 記憶の中のバレリーナのようだ。
 真紅の液体はほんのり苦い。
 記憶の中の初恋のようだ。

 煙草を一本。あの頃の記憶が蘇る。
 あれは横浜の ....
 森の中にひっそりと佇む湖に北風が淡く吹き抜ける。
 初秋の風にやましさはない。
 私は一人湖岸を歩き、秋の訪れを静かに待っている。
 夏が今、去ろうとしている。

 私は自分の心と対峙 ....
新しいばんそうこうを貼って
おもてに出たらば
白いクジラが通り過ぎて
桃も潰れていた

夏休み~
誰もいない家の中
パスタを袋の中で折って
折って折って
折って折って
普通に美味し ....
朝は夢のお告げとともにやってきた。
都市のあらゆる時間の色を濃縮して色鉛筆を
つくり、その色鉛筆をもって描け。この目が
見るものすべてを丁寧にえがきつくすことで
立ち上がる都市。今この場所で、 ....
あの頃、彼の人影は発光した
暗闇に跪き、両手を組んで
あの頃、彼は両手を差しのべた
背後の照明に、照らされて
顔の無い客席へ

歌だけを残して
若い彼が世を去った
あの日から――僕は耳 ....
緑を渡り
砂を運び

波を煽り
渦を巻きあげ

静かな野辺の昼下がり
焼き付けられた青空の下で
見失った行先

迷子の風は
回帰へ向かう

忘れ去られた後悔の渦が
始まる ....
青い闇の中に
うすく光って浮かぶのは
吊された
右半身だけの
白いレースの婚礼衣裳だ

その左半身を
纏って逃げ去った美しい少年は
そのまま白い流星と化したという

そもそもその衣 ....
たしかだとは言えないんだが風の音とも音楽ともつかない
遥か彼方より開いたドアからやってくるもの

空っぽのそらの高みに燃え尽きようとする太陽
響きが海岸に打ち寄せるところに遠くからやってくる僕 ....
八月一五日、僕は早朝仏壇の前で線香を上げ

手を合わせ、妻の位牌に向かって詩の息を吹きかける。

随分長い間詩を書かなくなった僕は肺の中にたくさんの思いが膨らんでしまい

他人様には気づか ....
揚げすぎたコロッケがはじけた飛沫をたてる
これ以上もう無理の逃走本能がわきおこる
さまざまなバリエーションの試み
フジツ誠のお歳頃
透かしそこねた屁の具の香
あゝ、こんなさみしい呼鈴きいたこ ....
いきなり水曜におぼれる水に酔う
ふんでおくれ
ところう どころう


水びたしのことばは
町の名をいいまちがいながら
おたがいはりつき
電柱のほうにながれてかたまり

白々 ....
 悲しみのヴェールに霧が溶けてこの村に訪れる晩夏が眩しい。
 お前と過ごした最後の夏はこのフィルムに焼き付いて時を彩る。
 優しさは或る晩の静けさに紛れて、一枚の絵画には音も無い。
 描かれ ....
      僕は途方に暮れている
      渡したいものがあるけれど
      今日は誕生日でも
      記念日でもない
      項垂れるむこうに
      ぽっかり浮かぶ
 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
秋のはじまり- 葉leaf自由詩316-8-29
脱走- ガト自由詩4*16-8-29
ターミナル- ガト自由詩4*16-8-29
夏の断章- 藤原絵理 ...自由詩216-8-27
100年カレンダー- 吉岡ペペ ...自由詩516-8-27
ダンス- 鷲田自由詩216-8-26
四季- 梅昆布茶自由詩1016-8-26
金魚- 百均自由詩7*16-8-26
水溶性- Lucy自由詩8*16-8-24
芝生に- 末下りょ ...自由詩4*16-8-24
俯瞰- umineko自由詩7*16-8-23
みずうみに漣を- もっぷ自由詩3*16-8-22
心の空- 尾瀬の色自由詩116-8-22
きおく- soft_machine自由詩116-8-21
アリスの夢- 梅昆布茶自由詩516-8-20
雨やみ上がり虹のハシまでいと電話するすると吐く恋人のサギ- かんな自由詩10*16-8-20
ふたつの音- るるりら自由詩7*16-8-20
アールグレイ- ヒヤシン ...自由詩3*16-8-20
今を生きる- ヒヤシン ...自由詩1*16-8-20
a_new_wwworld- ふるる自由詩8*16-8-18
透明で情緒的な朝の栞、-0.5度、そしてあなたは何がしたいの ...- こうだた ...自由詩2*16-8-18
始まりの人- 服部 剛自由詩316-8-17
風はどこへ- Lucy自由詩5*16-8-17
初夜譚- 塔野夏子自由詩4*16-8-17
からっぽの空- 梅昆布茶自由詩316-8-17
二人の朝- ……とあ ...自由詩516-8-17
ほ_°_ん_°- soft_machine自由詩216-8-17
水曜- 末下りょ ...自由詩4*16-8-17
晩夏- ヒヤシン ...自由詩3*16-8-17
贈り狼- やまうち ...自由詩216-8-16

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