盆を過ぎると
道端のあちこちに
蝉の死骸が落ちている
干乾びて塵同然

役目を終えた蝉たちに
弔いはない
墓もない
けれど残していった
ものがある

未来の夏には
また喧しく
 ....
山形のだだちゃ豆をいただいた
採れたてを宅配便で送ってくれるので
翌日には届くそう
鮮度が落ちないうちに
すぐ茹でて食べてね
お裾分けするなら今日中に

すぐに小分けして
おつきあいの ....
見えないほど小さなひとつのかけらが
ずっとどこかで匂いつづける
次々に場所を変えながら
部屋の一部だけが揺れつづける


誰のものかわからぬ指跡が
火のようにあちこちを焦 ....
ノイズ
世界から降ってくるノイズ
を増幅しつづける過剰な神経

らんらんと{ルビ赫=かがや}いてしまう意識
この苛立ちからは逃れられない
僕が世界から逃れない限り
あるいは
僕が僕から ....
ぼくの産まれた家の梁に掲げられた肖像写真
セピア色の男は祖父だという
のっぺりとした老女は曾祖母だと聞いた
ぼくの子どものときから宙を睨んだ顔
五十年以上も表情を変えることなく
梁に張り付い ....
誰もいない
立っていた 街の中に
立っていることを特に意識することもなく
そこに 立ちつくすこともなく

夏がはじまり
目を閉じた僕は
目を 閉じたまま
また 冬が 来る

な ....
その汚いものに触れたときに

少女は腕に黒い水玉が無数に散らばったのを想像した。

破裂した水道管に横たわる猫。

輪切りにした水羊羹に指が詰まっていた。

症状は進行し、先端から落ち ....
 
夏の日差しをつめた小さなガラス瓶

机の上に ぽつり

砂に埋める勇気もなくて



 
{画像=140913144617.jpg}




僕たちはいつも何かに憧れ
僕たちはいつも何かに付き従っていた
特別な何かは空虚な私を満たして
あたかも違う何者かであるように
僕た ....
地球も随分柔らかくなりましたねえ
雨の度に土砂崩れするなんて

あの触れ合えば割れてしまいそうな
カチカチだった国もね

この頃再び難くなってきたかと
心配しているんですけれど

ま ....
電池切れるまでオモチャ動いている 哀しみは河の流れのように
流れるけど
僕はせき止める事が
できるだろうか
もしせき止められないのなら
どこまで
どこまで
流れて行くのだろうか
それを見届けられるだろうか
河は流れる ....
  なかば開かれた窓の傍ら、
  揺り椅子で膝を抱えあなたは風を舐めている
  なにもかもが 透明なジャッカルと化して
  あなたの内なる屍肉を貪っているのだろうか
  みどりいろの西 ....
夜空に迷子の鳥 記憶喪失で夜を駆けている
花火の音に驚き 目を瞬かせる
その瞬間 記憶が蘇る 「何やってんだ俺」鳥は夜空に叫んだ
夏にはぐれた神鳴雲がひとつ
ぽつんと漂う空
雲は、雲は、やって来たのに
大きく大きくなって やって来たのに
酷苦の炎天を 猛暑を 
掻き消してあげたくて

やっと辿り着いたときには
夏 ....
胸に手をあてる。
指がゆっくりと心臓に近づく。
きいたことのない、
初老の声が響く

(自身の内へ
精神の内へ入りなさい
そこに、
求めているものが
必ずあります ....
もう 燃えてしまったのでしょうか
あなたが転がす言葉に震えて
いとおしさに狂いそうになった夜も


もう 燃えてしまったのでしょうか
認めてしまったら苦しくなるような
どうしようもない感 ....
もう二度と
会うことのないであろうひとを
思い出させるように、蝉時雨

誰、と決めず指定せず
つぎつぎと浮かんでは消えてゆく
顔と名前と時と場所

じっくりと、はっきりと
立ち止 ....
耳が悲しいと言いながら楽しい曲を聴いている
リズムはその狭間を泳いでいる
新しい音は 声を泳いで この世界を眺める
ケンタウルスに跨り流鏑馬 鯨の背中を飛行機で飛んだ

氷の世界でヘリに飛び乗る

そして荒海に飛び込むんだ


ぼくを笑顔で見送りながら

ジーンズ姿のきみがギターを奏でる

きみの顔をした鳥の群れだ
 ....
ひまわりを見つめると
いつも
太陽を背にしてる

もう一年経ったんだ
あの時もひまわりはまだ咲き残っていた
あの時は太陽で後頭部が焼けるように熱くて
流した涙も熱かった

記憶は儚い ....
アイスランドの国民的グループを聴いている
宗教音楽にも似た轟音にも似た雨の雫のような

ときおり雷鳴のように存在を粉砕しにやってくる
ミュージシャンたち

原型はうしなわれても様式は変化し ....
荷物をとり検疫をパスし

出口を出てバスに乗った

暗い大阪の海を見ながら西宮まで揺られた

もう誰とも話したくなかった

神様とも話したくなかった

自問自答もしたくなかった
 ....
Jazzだ
地べたにブルーノートが散らばっている

フェロモンでマークした道から外れる蟻
ほとんどの蟻はフェロモンの道から外れないけど
中には道を外れるフェロモンに鈍感な奴もいる
ウロウロ ....
遥かに漂う四次元よ
         聴いておくれ
もう おいらの青い春は
        赤い夏は
         白い秋さえも
めぐりめぐって 戻っては呉れず
ただ汚血に淀んでばかり ....
泣いた夜の
径に現われる白い珠
先をゆく 先をゆく
色のない足跡


片方の動きから生まれくる
羽のかたまりのいのちたち
夜の熱をつかまえたまま
夜の辺を昇りゆく
 ....
いくつかの
起承転結が
たとえば
レース編みの
小さな花模様のように
点在しているような
ひざかけを
(今朝、突然に秋が来たので、
 それが不意打ちであったため
 タオルケットだけの ....
ふたをする
という感覚

耳を塞ぐ
という感覚

たましいが
堆積して
そこにあって
そこにない

ぽっかりと草原に
ひざをかかえる
ような感覚

ちくちくと
腕に手の ....
筆名をコロコロ変えて賞味期限切れ
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
【_バトンタッチ_】- 泡沫恋歌自由詩20*14-9-1
鮮度- Lucy自由詩17*14-9-1
夜のしるし- 木立 悟自由詩714-9-1
ノイズ- 塔野夏子自由詩4*14-9-1
写真嫌い- イナエ自由詩9*14-9-1
神南の風- 番田 自由詩414-9-1
「あの、気持ち悪さ」- 宇野康平自由詩314-9-1
ぽつり- 殿上 童自由詩25*14-9-1
憧れ_/_私は途方にくれている- beebee自由詩3214-8-31
なんかねえ- イナエ自由詩8*14-8-31
電池切れるまでオモチャ動いている- 北大路京 ...自由詩514-8-31
哀しみは河の流れのように- 渡辺亘自由詩314-8-31
嗤うジャッカル- 草野春心自由詩414-8-31
夜空を飛ぶ鳥- 陽向自由詩4*14-8-31
ぽつん- ハァモニ ...自由詩4*14-8-31
体温- あおい満 ...自由詩714-8-31
灰と熱- 笹子ゆら自由詩414-8-31
蝉時雨- 千波 一 ...自由詩514-8-30
悲しい耳- 陽向自由詩6*14-8-30
ケンタウルスに跨り流鏑馬- 北大路京 ...自由詩514-8-30
どこまでも- 吉岡ペペ ...自由詩214-8-30
ひまわり- ichirou自由詩15*14-8-30
日々の様式- 梅昆布茶自由詩16*14-8-30
生の周辺- 吉岡ペペ ...自由詩714-8-30
地べたのブルーノート- ichirou自由詩16*14-8-29
ケロイドも忘れて_七- 信天翁自由詩614-8-29
水へ_水へ- 木立 悟自由詩414-8-29
たくさんのおはよう、いってらっしゃい、ありがとうが行き交う交 ...- そらの珊 ...自由詩23*14-8-29
逃げ切れない、だけど私は生きるしかない- umineko自由詩18*14-8-29
筆名をコロコロ変えて賞味期限切れ- 北大路京 ...自由詩714-8-29

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474