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こたつたつ
少し歩く
猫を呼んでみて
夜が笑う
震える身体
注ぐ月
少し酔ったふりをしながら
夢見る団欒

こたつたつ
少し歩く
転がるみかん
時計がつぶやく
じっとして
 ....
夕暮れがそっと肩に手をかけて
淡い影が滲んでいく
ちぎれた雲の影が
ひとつずつひとつずつ
心の影のもようだなと
こつこつと
ぽつぽつと
とつとつと呟きながら
うつむくとくるぶしまでがア ....
雨がぽつぽつ
アスファルトには
できたばかりの真っ白な線
跡がつくかな
けこけこ
けこけこ
私の足音
蛙の鳴き声みたいだ
楽しいな靴のうらっかわ
けこけこ
けこけこ
あじさいがし ....
森の道を歩いていると
くるくると
糸を垂らした葉っぱが
目の前で少し風に揺られて
くるくると
じっと見つめていると
おもてうら少し色が違うから
綺麗にはためく
ぱたぱたと
わたしもお ....
今日は一日山登り
家に帰り片づけて
お風呂に入り
布団に横になる

目を閉じるとたくさんの
光が溢れてくる
身体が温かい
こぽこぽと生まれてくる
弾けて飛んでいく

私は
風に ....
春のゆたんぽ
ぽぽぽと踊る草の匂い
たんぽぽ色の光は
そっと鼻をなでる
なでなでゆたんぽ
ほころぶこころは暖まる
ゆっくりとほぐし
軽やかな跳躍
すういすいっと風は
私をどこか遠くへ ....
古本屋をぶらぶらしていると
キーホルダーのついた
鍵が落ちていたので
拾ってレジの人に渡した

お寺の受付に行くと
年季のはいった分厚い
お財布がおいてあったので
受付の人に渡した
 ....
つばきの花が
ぽとりぽとりと落ちている
鮮やかな色
まわりの空気がしんとしている
ひとつ大事に掌に乗せ
匂いを吸い込むと
ふと綺麗なうなじが
日傘をさして横切ったような
滲む掌から消え ....
私は十年ほど前に
リサイクルショップのビラ配りをしていた
すぐやめてしまったけれど
一軒のポストで
お爺さんに呼びとめられて
昔学生時代に何十万もしたというイタリア製の
壊れたアコーディオ ....
私を望遠鏡で覗きこむ
遠くから眺めるとよくわかる
良くないことを考えると顔に出るぞ
もう少し背筋を伸ばしたほうがいいな
人をあまりきょろきょろ
見ないほうがいいかな
口をあけたまま
ぽか ....
私を吐き出し
それを紡ぐ毎日のような
繰り返し繰り返し
季節と同じように
私もあおあおしてきて
めきめきにょきにょき
新しい私が
生えてきたらいいのに
そうはいかない
それでもじっと ....
手首をこねて
フライパンを揺らす
生地がもたつく
蓋をしてもう少し待つ
タイミングが肝心

そろそろいい音ぱちぱちと
ふわっふわっと生地が浮く
気持ちが踊るこの瞬間
今だ今こそえいっ ....
夜中に音楽を鳴らし
ショーウインドウや
マンションのテナントに映る
自分の姿を見つめ踊る若い人たち

かっこよいはかっこわるい
かっこわるいはかっこよい

躍動する身体と一途な眼差し
 ....
飴玉
また噛み砕いちゃった
我慢できずに
ばらばらの気持ち
ゆっくり
舐めたらいいのに
こういうときは
せっかちだから
噛み砕いちゃう
少しでもあなたの気持ちをと
少し時間がたてば ....
私は折り畳み傘が好きだ
しゅっぽと傘を広げるとき
そうっとわくわくする

それはマジックのようで
手を広げれば花束や
白い鳩が出てきそうな予感がする

それはまた魔法のようで
手を広 ....
コトコトと
コトコトと
お鍋の中でじっくりと煮る
お肉のような気分

身体も気持ちも柔らかくなって
景色も回想も流れる流れる
ここはどこだか知らない街で古い町

コトコトと
コトコ ....
少しずつこそぎ落していく
へらで余分な私を
色んな好奇心がこびりついて

何をしたいのか
何が必要なのか
わからない

埋もれてしまう
忘れてしまう
本当の自分はここにいるのだから ....
古いのや新しいの
ひびだらけや穴ぼこだらけ
人の生活
車が走る
すき間から雑草が伸び花を咲かす
犬がくんくん歩いている

今日もどこかで工事している
せっせと耕して平らにするけれど
 ....
むしゃくしゃくしゅん
気持ちのスイッチパチンと
切り替えられたらいいのにな
どうでもいいことが
どうにもよくないからよくないね

むしゃくしゃくしゅん
花粉の前触れか
誰かが噂している ....
やかんに水を入れて火をかける
ぽつぽつとやかんが
今日あったことを
私のかわりに
喋り出す
こぽこぽと
良いことも悪いことも
とりあえず言葉にすることで
ふうっとため息
すうっと深呼 ....
小学生になって集団登校
その中に喋らない女の子
うちでは喋るらしいから
帽子を引っぱたり
ランドセルを押したり
ちょっかいをだすと
すごく眉をへの字にして
嫌な顔するけれど何も喋らない
 ....
何も考えられなくて
何も考えたくなくて

調子が悪いのに
調子が良いことばかり言って
疲れてしまう

梅酒と炭酸水
コンビニのおでんだけが
あればそれで今日はおしまい

炭酸水の ....
電子の雨は音がしないけれど
それはボリュームを縮めているだけ
身体はだんだんぐっしょり濡れていく

黄色い雨合羽を着た子供たちが
二列になって歩いている
どうしてこんなにちっちゃいのだろう ....
朝日が暖かい
風は冷たいけれども
春の予感か
何か良いことが起こりそうな感覚か

昨日降った雨の水たまりも
エイッとジャンプすれば
映った綺麗な空から
まっさらの息吹が噴き出して
彼 ....
山を登り汗をかき
服を脱ぐ
上半身裸で
身体から湯気が出る

冷たい風が
木々を揺らし
光がまばたき
葉脈の枯れ葉が
ひらひらひんやりと
肌に沁みこみ
私は透き通る
葉脈のよう ....
時々思い出す
二段ベッドの下のうすい隙間に
うつ伏せになって潜りこんでいたこと

とても気持ちが落ち着きほっとする
目を細めると
奥の奥へその先があるような
私はぺらんぺらんになって
 ....
それは今川焼や大判焼と呼ばれるもの

その店というか屋台のような小屋
初老のおじさんとおばさんが
たこ焼きとたいこまんじゅうを売っている

一個八〇円するけれど
いつも五〇円になったり
 ....
もうこんな季節だねと
誰かが言っているうちに
時は絶えまなく流れているから

いつも気づく頃には
紅葉は枯れ
雪は解け
桜は散り
蝉は死んでいる

この瞬間は
すぐ枯れて解け散り ....
畑の隅に雨水を溜めている
ラムネ色した
プラスチック製の風呂桶

畑では老いた夫婦が
腰をかがめて手入れをしている
昔はその
小さなラムネ色の風呂桶に
家族で皆身体を丸めて
入ってい ....
またたくまのすれちがいざま

運転席に乗るドライバーよりも
車の助手席に乗せられた
大きなクマのぬいぐるみは
何も話したくない
少し怒っているようで
私は立ち止まって振り返り
走り去る ....
ただのみきやさんの灰泥軽茶さんおすすめリスト(218)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
こたつたつ- 灰泥軽茶自由詩516-11-3
夕暮れもよう- 灰泥軽茶自由詩815-12-16
雨の影- 灰泥軽茶自由詩515-6-10
葉っぱが回る- 灰泥軽茶自由詩415-5-27
山登り- 灰泥軽茶自由詩915-4-29
ゆたんぽぽ- 灰泥軽茶自由詩815-4-15
こつんと- 灰泥軽茶自由詩715-4-11
つばき- 灰泥軽茶自由詩615-3-22
アコーディオンの旅- 灰泥軽茶自由詩715-3-19
望遠鏡- 灰泥軽茶自由詩815-3-17
紡ぐ私- 灰泥軽茶自由詩1415-3-10
宙返り- 灰泥軽茶自由詩515-3-8
夜の灯りと姿見- 灰泥軽茶自由詩515-3-6
飴玉- 灰泥軽茶自由詩615-3-4
折り畳み傘- 灰泥軽茶自由詩1215-3-3
列車に揺られて- 灰泥軽茶自由詩815-2-28
へらで- 灰泥軽茶自由詩515-2-25
アスファルト舗装- 灰泥軽茶自由詩615-2-22
気持ちのスイッチ- 灰泥軽茶自由詩615-2-17
やかんの独り言- 灰泥軽茶自由詩915-2-14
風変わりな女の子- 灰泥軽茶自由詩615-2-11
そんな夜もある- 灰泥軽茶自由詩815-2-10
電子の雨と小さな子供たち- 灰泥軽茶自由詩715-2-9
水たまり- 灰泥軽茶自由詩515-2-6
葉脈- 灰泥軽茶自由詩915-2-1
二段ベッドの下- 灰泥軽茶自由詩915-1-31
たいこまんじゅう- 灰泥軽茶自由詩915-1-30
きまぐれのみぞれ- 灰泥軽茶自由詩915-1-28
畑と風呂桶- 灰泥軽茶自由詩1015-1-25
ぬいぐるみ- 灰泥軽茶自由詩1015-1-22

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