道路の真ん中に
枕が落ちていた
枕が変わると眠れない、
という性質でもないので
すっかり寝てしまった
車に轢かれる夢を見て
目が覚めると
胸の上あたりに
ミニカーが置い ....
意識の地中に
閉じ込められた想いは
言葉になることも許されず
凍てついた時間の底で
膝を抱え込んでいた
想い出したように吹く
溜息によく似た風を頼りに
出口を探したこともあったが ....
生命とはなんだろう。
父母を―私がまだ光だったころ―なんとなく選び、
生まれてからする「一つのテーマ」を神様からもらって、
おぎゃーと生まれてくる。涙。
年は残酷な程に大急ぎで ....
有機体に満ち溢れているのに
荒涼とした味を覚える
過剰な砂浜
砕けた白波は強風のしわざ
風が存在を知らしめるかのように
砂が無数の線となり砂浜を埋め尽くす
自分の意志で砂浜に立っている ....
陸に上がることなど望んでいなかった
沖から寄せる波に乗せられたのだ
いつになったら戻れるのか
オットセイだったら良かったのに
だが人の助けが無くては水の上でも
自由には動けない
ましてや陸 ....
晴れた日 銀の洗濯棒は陽射しに熱され
光を宿し 立ち尽くしている
光を受けない所は 銀棒のまま
横にかけられた 渡し棒とまかれた鎖を支える
重しにはめこまれ 土の上に立つ洗濯棒
洗濯物が ....
すずたん でも すずちゃん でもなく すずこサン
そう呼ばれる時には 必ず 何か有る
だから
朝っぱらから 真面目なトーンで
呼ばないでえ 下さいよぉ
なんて 言う暇も無く 返事をし ....
孤独と隣り合わせの自由
愛と背中合わせの孤独
無数の愛と自由と孤独が春の風に舞う
窓から望む 菜の花畑は 春霞
重ねた手の温もりは幾つかの時のかけらを記憶の襞から呼び覚まして
....
大切に使ってた
真っ白な皿を割ってしまった
その日夜ふけに
目を閉じて
ぼくの視界を埋め尽くす
たくさんのシャボン玉を真似た
永遠をつかもうと
子供の頃好きだった
虫取り網を持ち出して ....
化石少年は砂岩の中にある海中生物の
痕跡に魅入られていた
数十万あるいは数百万年の時を経て
無名の海底生物の生きた証左が地の中の眠りから
主亡き痕跡という奇跡の造形のままよみがえる
....
プラナリアに会いたい
永遠の命かもしれないプラナリア
世界は、春霞ではない 黄砂だ
降り注いでいる微妙な沈鬱が 世界を覆っている
それでも 季節はまだ めぐっている
水仙の花は ....
露天の さまし湯に 独り
寒緩む月の右側に 一番星
やがて 一つ二つ
あとは
何を思うわけでもなく
考えるわけでもなく
湯煙と たわむれながら
....
雨の一粒一粒が誰かの愛なんだってイメージできたら
一身に浴びる人は拍子抜けするくらい幸せなんだろう
すごいスピードで飛んだ鳥!
かれにとって街は一瞬通りすぎた愚痴みたいなものか
す ....
絶望のしずかな荒野に
インスツルメンタルが鳴り響いていた
降りつもる痛みや悲しみ
こぼれ散るひかり
ゆっくりとゆっくりと
絶望のしずかな荒野に
インスツルメンタルが ....
若さがどれほど尊いか
その自覚がまるでなくて
ピエロとマジシャンになりすまし
ときいろの四次元を軽視して おらは
三度のおまんまを食べていた
そして それが いまや
老いに責められやっ ....
頭からすっぽりと
覆面をした人たちが歩いている
何十年か前には
こんな恰好をした人たちはいなかったのに
今では当たり前になっている
街は砂で埋もれている
身体の中に ....
マナーモードなのに大きな音で震えている
毒は出ていった
二階の部屋の窓から
小さくてかたい何かが
机にしまわれる音をのこして
ゆうべの雨がつくった
川になりきれぬ、ささやかな
水の ....
靴下一日一足
一旦帰宅し脱いでも またそれを履く
靴下一日一足
不思議な私の掟
今日の靴下レースのエリザベス ズボンで隠れる乙女の秘密
そう 赤い透けるランジェリーと同じ ....
頭痛の種を咲かせるんじゃない
信号機と足場を失った人の念のこもった言葉が
裏口近くの腐葉土に
どんよりと吸い込まれていく
禍々しい太陽を天に見届ける
目にいれるものは選べる
動けば ....
まだ幼い息子に投げているのは
ボールではなく息子への愛なんだ
そして投げ返されるボールもまた
小さな息子からぼくへの愛なんだ
だから大抵の男は
映画“Field of Dreams” ....
十億光年の彼方から
飛来した一枚の花びら
一生をかけて旅しても
たどり着かない遠い星
送られてきた切れ込みの
入った桜の花弁から
感じる宇宙の拍動
地球は丸く
銀河は楕円
さ ....
130309
私怨団体の方に言われた
逃げてきただけではないかと
支援団体の方の後ろに隠れる
2011年3月11日以来
どんな厳しい環境でも
踏み ....
この指の先に
宇宙があって
人が住んでいるとして
(たとえば人差し指に その先に)
ミエルデショ?
その人の指の先にもまた
宇宙があり人が住んでいるとして
エンドレス
....
川沿いの道を歩いていると
川面で魚の跳ねる音
気のせいだった
子供が投げた
いたずらな小石
空を舞う鳥が嘴から
落としてしまった
子に与えるはずの ....
鳥肌実の美しい右翼
小田実の美しい左翼
何でも良いが信念ならば
身・銭切るべし幻想にはな
本買う程度の小銭でなしに
街宣車買え
対戦車砲撃て
腹かっさばいて噴水になれ
生恥の身投げて人 ....
数回 ドアを開け
椅子にストンと着地した
無数の とまではいかないが
たくさんのフィルムが
机の上に置かれている
挨拶を交わしたのは
とある男性
男性は私の血液の話をする
男性 ....
週に二、三回ほど通る道の豆腐屋さん
ほんのときたま買って帰る
綺麗な水の中でひっそり漂う豆腐や
甘くてじゅわっと口の中で広がるお揚げさん
グレープフルーツぐらいに大きくて
....
シンプルなフォルム 裸体を描写する
集中力が頭の上でピラミッド型に整う
さあ 何を感じ何を観る 何を思い何を空気に乗せる
散乱したアンテナのオスの孔雀のhigh扇子
欠けて裸体が乾燥し ....
黄砂で夕日が月みたい
悲しい痺れにうわの空
なんにも手につかない
なのに頭は頑張ってる
体が乗り物みたいだよ
こころを感じろ
こころで感じろ
それだけなん ....
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