細胞が代謝するように
世界は常に変化してゆく

愛されようと愛されまいと
その変化はかわらない

そのなかで安定した日常を
維持しようとする本能と知恵が
文明と文化を支えているが

 ....
白い波に足をひたして
海に走り込もうとするこどもをつかまえる

波に洗われる砂のうえ
何かの記念の石碑みたいに
ぽつんと残される丸い石

背の立たない輝く水に浮かび
ようやく息を継ぎな ....
猫の中に
自由の意味を見て

その意味を知るから
猫が好き

自由は

空間でもなく
時間でもなく
行動でもない

小さな額の中の無限だ
わたし、
根なし草に
転がる石
つよいつよい風に
笑ってひらめく柳の枝葉

だれか、
土に据わり花を咲かせ
苔むしてふかみどり
ずっしり受けとめ
ある日倒れゆく樫の木

わたし ....
水平線をはがしてみる

空き缶を鳴らすほどの

つまらん風が吹いている

あしたなんてもう

地図なしでもわかるさ

いったいなんのために

生きているのかななんて


 ....
明日からまた、
雨の一日がはじまる。
灰色の視界は、
私を箱に残したまま。

箱のなかには、
脱いだままの服や、
読みかけの詩集たちが、
底のない目で私を見ている。

伸ばしっぱな ....
ひとはいつも希望の輝きと絶望の淵を内包している

自我というがんじがらめの石ではなく
自己という関係性の中のやわらかな今を生きている僕

僕の好きなひとに結婚を断られた
たまに会って食事ぐ ....
たとえば月が地球から離れていく

周回軌道が大きくなる

そこから逸脱していく

さよなら地球星、さよなら地球星


いろんな国の国旗を眺める

いろんな国の国歌を聴く

ラ ....
「こんなはずではなかった」
帰りたくない

居眠りをしてしまい
気づいて飛び出た場所は
聞いたこともない名前の
無人駅だった

紫陽花の咲く線路脇にいる
若い母子が傘を共用しながら
 ....
蓮の台にそっとこの身を横たえ
明日を開いてゆく夢をみた
模倣と言われてみれば
そうだけれど
みな積み重ねられた経験から
新しい切り口を探しているのだと知った

白日に晒された残像のうちに ....
あなたはいつも、
私の前を歩いていた。
私にはそれが、
とても誇らしかった。

はじめて出会ったのは、
高校の入学式。
女子校だった私たちは、
友達づくりに精を出した。

あなたは ....
 遠い記憶を辿ると僕はいつでも森の中にいる。
 そこには寂しさも悲しみもない。
 ただ胸のワクワクするような楽しみや嬉しさばかりある。
 自分一人だけの秘密がいつでも隠されている。

  ....
 昨日僕は坂道のてっぺんから街を見下ろしていた。
 今日はどうだ。
 坂道を転げ落ちて深い谷底から宙を見上げている。
 たかが一日で人の人生なんてどうにでもなるようだ。

 昨日僕の窓は ....
あじさいが虚ろに白く弾けている
八重咲きの皐月の朽ちた先に
猛々しく百合の立ち誇る
結ばない実を体じゅうに埋めた女と女が
安らかな泥濘を探して
月夜 月夜 と鳴いている
透明な水と同化した魚影の群れが
ときおり鱗の鏡を翻し
水面に立ち尽くす
ぼくを魚たちが笑う

その刹那を画像に留めようと
幾千のシャッターを切っただろう

虹の根元を見つけるような作業 ....
灰皿の中で堂々としてる
レシート裏に付いたキスマークは
あなたからの挑戦かも知れない

火を付けたら灰になってしまう
破ったとしても屑になってしまう
水に付けたら苦しんでくれるだろうか?
 ....
【黄金の川】

主述の黄金律が 逆さに流れている川が
ランゲルハンス諸島には或る
島では、今日も甘美なインシュリンの雨が降り
下降気流で冷やされた土壌に蜜の匂いが立ち上がっている

 ....
知ってた

罰は選べない


それだけはお願い、と思うほどの

それこそが罰なのだと思う
  右腕や左腕やどちらでもない腕などがそこに浮かび、
  かえってきたのか向かっていくのか全然わからないが
  アルミ製のサッシ越しに月面の色でくりかえされている
  気は確かだ気は確か ....
  なにかに似たなにかが
  わたしの緑色を這って{ルビ滑=ぬめ}る
  朝陽も入り込めない太い闇を
  しずくのような眠りが円く湿らす

  
  葡萄味で棒状の鬱
  なにか ....
川っぺりの、橋の袂の
 
新緑の木下で、ちょっと一息。
 
川の上には、同じ色の風が流れてて
 
木漏れ陽が流されていく。
 
青空が青くない。
 
けど、清々 ....
「あすは曇りがちで
 午後には雨となるでしょう」

    そういう 予報を耳にして
   その日は 予定を変えたのに
   水無月の気圧はあまのじゃく

俗にいう梅雨の晴れ間がのぞきこ ....
夜へと漕ぎ出す小さなボートに
 
キミとふたり。
 
ウイスキーの波に揺られて、揺られて
 
キミとふたり。
 
闇夜の空は真っ暗闇で
 
星一つありゃしない。
 
同じく海も ....
一章 血

黒人の肌からは
真夏の匂いがする

この血はどこから来たのか
それを辿ることができるのは
魂の道筋があるから
来るべき主語の行方があるから

主語のない国へ僕は行こう
 ....
目玉焼きを満足に作れないあなたが、
一番好きなものは目玉焼きだ。
手元がみえないあなたは、
いつもフライパンの外に卵を落とす。
あるいはフライパンの縁に卵を
重ねて落として、
出来上がる頃 ....
腐った蕪をかき分けて
一人の時間を食べている
冷めたスープの鍋の底
緑の葉っぱがこげている

こどものひとりのアドバイス
あなたには無駄が宝物
散歩のついでに憂鬱を
紐に繋いで引き ....
ふと、考える。
もしも私が、
あなたと同じように、
目がみえなくなってしまったら、
私は詩が書けなくなるのだろうか。
幼い頃は、
目がみえなくなることが、
とても怖かった。
怖くて怖く ....
空を、ください

だれにも消せない
どこにも消えない
あの空を、

わたしだけの物には成り得なくても
わたしだけの物と覚えておけそうな
あの空を、


許さないでください ....
初めて君に遭ったとき
君の瞳によぎった喜びの表情を
俺は見逃さなかった

人生で与えられる物は少ないが
創造という風をいつかつかまえることができたら
上出来な人生といえるだろう

醗酵 ....
キツネかなあ
空からふる
陽射しと水滴に
わたしと傘は迷っていた
せっかくの予報を
信用しないで
折りたたみをバッグに
放り込んでいてよかった

シンボルの前で足踏みする
こどもと ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
コロッセウムにて- 梅昆布茶自由詩316-6-14
遊泳禁止区域- 佐々宝砂自由詩10*16-6-14
Gato- ガト自由詩3*16-6-14
- 田中修子自由詩5+*16-6-13
日めくり- 吉岡ペペ ...自由詩3+16-6-12
箱のなか- あおい満 ...自由詩4*16-6-12
柔らかな恋人たち- 梅昆布茶自由詩416-6-12
遠くへ- 吉岡ペペ ...自由詩416-6-12
紫陽花- しょだま ...自由詩216-6-11
午睡- レタス自由詩716-6-11
大親友- あおい満 ...自由詩2*16-6-11
森を想う- ヒヤシン ...自由詩3*16-6-11
後悔と反省の狭間- ヒヤシン ...自由詩4*16-6-11
女と女- はるな自由詩916-6-11
明日- レタス自由詩3+*16-6-10
- ミナト ...自由詩416-6-10
川辺にて(三篇からなる_オムニバス)- るるりら自由詩6*16-6-10
因果- ガト自由詩2*16-6-10
多い腕- 草野春心自由詩3*16-6-9
- 草野春心自由詩316-6-9
祈りよ、飛んでゆけ。- 元親 ミ ...自由詩116-6-9
鳴神月- 信天翁自由詩216-6-9
ウイスキーの海で。- 元親 ミ ...自由詩216-6-9
大洪水- kaz.自由詩4*16-6-9
滑稽な毎日- あおい満 ...自由詩9*16-6-8
その次の人- 竜門勇気自由詩4*16-6-8
未知の種- あおい満 ...自由詩416-6-7
空をください- 千波 一 ...自由詩716-6-6
死者の書- 梅昆布茶自由詩1216-6-6
巡る天体- Seia自由詩116-6-6

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