ジプトーンの天井を見つめながら
病院のベットに横たわったブタは云った
俺には心臓が無いんだよ


看護師のマチ子はブタの脈をとった
どういうわけかしらね?
ブタはもう一度云っ ....
  玩具は既に壊れており
  木張りの床に見棄てられていた
  夕陽から親しげな香りが溢れ、
  窓辺に置いた花瓶に纏わりつく
  私たちは 壊れていた 跡形もなく
  {ルビ抑=そ ....
無人のスタジアム
白紙は地図と呼べるか
核心はいつだって曲がり角の向こう

超常現象
犠牲者という記号
間違いなく間違うその一瞬を探る

夢は羽根
欲は蝋
皮を剥くことばかり求めて、
実の味を忘れた
林檎みたいな私の肌に、
あなたは歯をがりり立てました。
私はその痛みに歓喜し
ちいさな翼を羽ばたかせ
あなたの心のなかの
小さな ....
口約束で
作り上げられた 甘さは
おたがいに溺れるような
沈んでいくような
そんなすばらしい沼

底なしの許容だけがあり
腐り落ちた水菓子は叱られることもなく
じわり果汁を滴らせている ....
六月の雨が
育ち盛りのスイカをいたずらに誘う
でも、今年の梅雨は少々しつこくて
早くも冷夏の予感がした
ナスビもトウモロコシも痩せたまま太らない

繁茂するのはスイカのツルと葉っぱばかり
 ....
太陽の嘘を
夜が暗殺する
一瞬の未来がもう過去になる時のなかで
眠らない傷痕だけ
硬いソファで微睡んでいる
自然であること自然に衰えてゆくこと

ぶつかりながら消耗しながらもえつきる流星

いつ どこで

誰が 何を 何故?

自分のだけの視野で批評も感想もなくて
生きることも可能だが
 ....
草ぼうぼうが美しい

荒れ放題の草むらは公園だった

ベンチに座ると膝まで草に隠れる

ゴミが見当たらない

草に隠れているのだろう

遊具に涼やかな日が当たる

ぼくはそこで ....
ホームの柱には角丸ゴシックで神とだけ印字されたステッカーが貼りついていた
その柱にもたれながら乗車する予定の新幹線を待つ
正確には夫と娘が帰省するために乗車する新幹線を待つ
とうの二人は並んでホ ....
     わたしは帰る
     猫の住む我が家へと
     服も靴下も脱ぎ散らかし
     ひんやりとしたベッドへ
     もぐりこむ
     鼻先の生温かなけものの匂い
 ....
おなか、空いてない?
きみにそう聞かれるとぼくのおなかは減りはじめる
そしてそう聞かれたときから余すことなく満たされていく
朝の光のなか、テーブルに触り、きみのそばに座り
きみに満たされた ....
ただ電車が通り過ぎていくのを
意味もなく微笑んで見送った

誰に語りかける言葉もなかった
本当の言葉など要らず
偽物の言葉で構わないのに
偽物の言葉すら持ち合わせていない
も ....
安保法案反対もデモも自由だけど、「強行採決」という言葉を使う意味が分からない。与党が法案を通せる議席数を持っているのは、投票者による投票行為の結果であって、それを否定するのであれば民主主義から否定しな .... 戯れが過ぎたのか
名月が遠い 待てない心臓が加速始め

この訪れの麗らかさを

深呼吸トクトク鼓動にはもって上体を反らして

螺旋の儚い軌道を静止飛んでいる

ひたひたの心に ....
枝葉に付着した
無数の小さな丸い水滴      銀の透明
は、
照らしだす光に 光を通し輝く

光そのものは見えずに
只、
銀の透明響かせます

無垢なる人の魂に
線香の白い煙の糸がたちのぼる
追って見上ぐれば
黒い梁から見下ろす遺影の果て
白い路(みち)はほどけてく
おそらく、天上界まで届いたあたりで

夏は喪のシーズンだ
祖霊が帰り
私も帰り ....
眠れない夜だったから
架空の国へ出かけた

王位継承
森の魔物
結界の霧雨

本を閉じると
外も
いつのまにか雨

この雨が結界なら
私も連れ去ってくれ

見わたす現実の
 ....
ひかりのあたる角度によって
ものごとは綺麗に反射したりえらくくすんで見えたりもする

シャンデリアのある素敵な応接間
ある生命は空間を得るために代償を払う

それを得られない一部は
高速 ....
箪笥の奥深く秘められていたいくつかの小箱
おそらく母の物であろう歯の欠けた櫛に
出合ってわたしの心が波立つ

そして 夭折した兄たちの名に混じって
ボクの名が乾ききった小箱

それは ....
夏のあいだ僕らは
危うさと確かさの波間で
無数のクリックを繰り返し
細胞分裂にいそしみ
新学期をむかえるころ
あたらしい僕らになった
けれど
ちっぽけなこの教室の
ひなたと本の匂いとザ ....
歩いてくる人の音楽
マンションの音楽
電車の音楽
実際に空気を振動させる音とは別の
抽象的な音楽が流れる

抽象的な音楽は
視覚的イメージによって構築される
細胞のような構 ....
きみの取扱説明書をみつけた
ちょっと古びて
もう保証書もどこかへいってしまった

皮膚を剥いでゆくように
すこしずつものを整理してゆく

基本性能だけでいいのだ
死ぬまでにデフォルトの ....
 
喧騒の夜

組み込まれているから、見えない

都会にもいるんだよ、言霊



 
ことばを吸い込むと、
身体中の血管が弾けて、
なみだになって流れていく。
そのなみだが、
地に落ちて、
灰色のキャンバスの上に落ちていく。
キャンバスの頬に
薄桃色の赤みが ....
今はもうないくだものを
ないお皿に山盛りに載せ
今はもうないお屋敷の
ないお客様に振る舞うため
両手に捧げ
運んでいく

彼女はもうない白いエプロンを着け
もうない芝生の上に
テーブ ....
痛い痛いと泣きながら
ひたすら和らげようと
体内に入り込んだ異物を
被膜で包みこむ

吐き出すことができないので
長い年月をかけて
耐えぬき
堪えぬいた苦痛を
結晶にする
海の底の ....
ある日 
水槽の中で泳ぐ
熱帯魚が
テレビに映った 
青い南の海をみた

こんな狭い
水槽の中では
すいすい泳げない
テレビに映った
広い海に憧れて

ここから
逃げ出そうと ....
かつて まつげに
マッチ三本載せてみせた
少女は
そこへ
小さな蒲萄を
たわわに実らせたという

おとぎ話は
完結してからのほうが
むしろ真実だったりする

まばたきのたびに
 ....
家の目の前が川だから 安心だ
泳ぎ疲れても すぐに家に帰ることができる
天井川沿いに建つ我が家までは
ほんのわずかの距離なので
帰り道は スクール水着のまま 裸足で家に帰る
焼けついたアスフ ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14262)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
マチ子とブタと病室で- オダカズ ...自由詩4*15-9-6
玩具- 草野春心自由詩515-9-6
セレブリティ- 有無谷六 ...自由詩115-9-6
接吻- あおい満 ...自由詩13*15-9-5
腐った林檎は誰も拾わない- 這 いず ...自由詩815-9-5
朝の日記_2015夏- たま自由詩20*15-9-5
太陽の嘘- ハァモニ ...自由詩7*15-9-5
案山子- 梅昆布茶自由詩1215-9-5
公園- 吉岡ペペ ...自由詩615-9-5
稲妻市へ- 手乗川文 ...自由詩3*15-9-5
金の目と金の月- 石田とわ自由詩15*15-9-4
もう世界の中心で愛をさけんだりなんてしないなんて言わないよぜ ...- 末下りょ ...自由詩4*15-9-4
廃人の唄- 葉leaf自由詩515-9-4
行為- こひもと ...自由詩6+*15-9-4
小さな秋の戯れに- 朝焼彩茜 ...自由詩17*15-9-3
叡智- たけし自由詩615-9-3
シーズン- 凍湖自由詩5*15-9-3
冥府の門- ガト自由詩11*15-9-3
蛍日記- 梅昆布茶自由詩1915-9-2
臍帯- イナエ自由詩21*15-9-2
コピーアンドペーストエンド- そらの珊 ...自由詩22*15-9-2
抽象的な音楽- 葉leaf自由詩415-9-2
空っぽについてのマニュアル- 梅昆布茶自由詩1915-9-1
言霊- 殿上 童自由詩13*15-9-1
分身- あおい満 ...自由詩10*15-8-31
山盛りの果物の大皿- Lucy自由詩10*15-8-31
宇宙の異物- Lucy自由詩8*15-8-31
【_熱帯魚_】- 泡沫恋歌自由詩24*15-8-31
まつげに盛られたファンタジー(或いはモナリザの微笑み)- そらの珊 ...自由詩14*15-8-31
川岸- るるりら自由詩10*15-8-31

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