燃える二人は一日に挟まれて
死の音を並べながら喉を鳴らす
線に乗り遅れた山と海と空
国を跨いで夜に溶け込む
窓のような退屈さを喜び
二人は冷えながら穴をつまらなくする
山は早起きを繰り返し ....
(見えないんだよ、見えないんだよ、)と
あなたは近く、遠くを手探りする。手から
こぼれおちた睡眠薬を探して。あなたの手
はどんどん薬から遠のいていく。まるで、
眠りに誘われてだんだんと意識が現 ....
 村のはずれの小さな宿で彼の残したシベリウスを聴いていた。
 作品75の5、樅の木。
 流れるようなその旋律に眩暈を覚える。
 まるで夢のように去っていった彼みたいに。

 夕暮れの中、 ....
艶めく林檎の滑らかな膨らみに
包丁の刃を当てて一息に押し切る
迸るエチレンの醇香
生まれ立ての双子は
仄かに黄味がかった白い果肉を
更に真白な俎板の上に
投げ出していた
あられもなく
 ....
紫外線に
焼かれ続けて
色褪せた
生活の数々が
焼かれ続けて
ぼやけた
台詞の数々が

  流れ着いて
  さらされて
  流され出されて
  打ちつけられて
  砕かれる
 ....
おまえではない
おまえではない
絵の具を燃やす手
土に火の絵を描きつづける手


隠れていた猫も虫も去り
原はどこまでも静かになる
鳥も鳥を話さなくなり
常緑樹のなか ....
泥になりたい
ただそこに拡がって
冷たい温度のままで
足跡を記録し
滴を飲み込み
波に塗り替えられ
風に吹き付けられ
それでも滑らかに
なだらかに
ただそこに拡がって
平然と
穏 ....
母が母でなくなる時 母の手はふるえる
乗り合わせのバスは無言劇
親切だったおばさんは 母の乗車後には夢になる
向かう先はお山の真上の病院で薬をもらえば
また手が ふるえる、ふるえる、大量の薬を ....
風の音が残る
この耳の奥で
ゴゴウゴウと
耳障りでなく
ただ繰り返し
鳴り響いてる
廃墟であろう
アパルトマン
五〇五号室
どうしてココに
辿り着いたか
そんなことすら
覚えて ....
 物思いに耽るあなたの横顔は美しい。
 優しさの奥に深い悲しみが見える。
 寂しい思いをさせていたならごめんね。
 ただ寄り添うだけの私を許してね。

 遥かに広がる大海原にカモメが戯れ ....
 あの日、貴方が見せた笑顔は優しさそのものだった。
 あの日、貴方が零した涙は悲しみそのものだった。
 あの日、貴方が褒めた私は嘘そのものだった。
 あの日、貴方がくれた温もりに気付けなかっ ....
 窓辺に花が咲いている。
 そっと静かに祈りを捧げる。
 祈りとは願いの最上級。
 花はじっと沈黙して私の願いを叶えてくれる。

 窓辺に花が咲いている。
 時は輝きを放ち、移ろう。
 ....
鉛を擦った袖が
すっと高い
青空にひらめいて

手を振りかえすと
穂波へ消えていった
あなたを
好いていたんです


あなたの骨の中には
あの青い光が詰まっていて
きらきら き ....
秋の横顔は
暮れる空を向き
旅立ってゆく鳥の影を
ただ見送っている
あなたも早くお行きなさい
手遅れにならないうちに、と

バスは来た
回送だった
けれどいったいどこへ戻るというのだ ....
船は急ぐ
港への帰路を
引き波たてて
薄暗くなった
海岸に
一つ
二つと
明かりが灯る
薄暗くなった
空の中
一つ
二つと
星が灯る

引き波が
音をたてて
通り過ぎる ....
払い落とされるのが
私自身の精霊と言えるものであるならば
もう悩む必要はあるまい

リンゴが落下する
画家は決して筆を取らない
これに関しては逆らえない伝手はないし
永遠の壺の中 ....
ぼんやりと浮かぶ
黄を載せた雲が
ゆるやかに流れ始める時間帯
風は切なく
冷たさを予感させながら動く

訥々と語り出す恐怖に慄いて
切っ先の鋭さを誇示する風
流れた先に 淡く歪む月 ....
 晩秋の高原に吹く風が肌に冷たい。
 今は昔の心をもって現実を生きている。
 求める事も縋る事すら許されない。
 寂しさは明けては暮れてゆくものだ。

 退きながら遠景を見ている。
  ....
蒲公英の繊毛には色がある
白色は視覚化されるが
赤、青、紫、橙は花の妖精しか見ることができない
その色によって着地点は既に決められている

人間の心も同様である
人間の妖精は太古に滅んだ
 ....
うずまいている
くちびるのはしっこ
うすむらさきの花が咲く
あおむけに
空をながれて、雨になり、
しみてゆく
漂白されたつぼみ、みたいな
女の子
こわれないで
きりきりとはりつめては ....
ソーシャルクラブで
アリが大量発生して
借金の履行が必要な事を悟った
無い物は写真入れだけではなかった
ジェームスディーンも居なかった
稲穂が揺れても
アリは増殖する
ソーシャルクラブの ....
雨が降っていて
部屋が暗いので
昼ひなか電灯をつけ
本を読んでいた

一冊読み終えた頃
午後の日が
レースのカーテン越しに明るく射してきて

半透明のゼリーの中から
外を見ているよ ....
ほこりをかぶっていようといまいと
食品サンプルは食べられない

蜘蛛の巣に囚われた
きのうの夜の雨粒たち
夕刻にはその存在ごと食べられて
また空へ還る

バナナの黒いとこは
食べられ ....
とりあえずのチキンは食べられてしまって
ぎゃばんのseasoningが恋しいクリスマスも近いし

ぼくのなかの騒がしい自由は休憩しているのだろう

忘れさられる歌を今日もうたっているし
 ....
こまる
こまる のよ
それを 言ったら
わかる でしょう

金色の重なりも
あかい揺らぎも
ヴィリジアンな歩みだって

 ....
氷の橋、魂は密航する、銀竜草、傾いでいる秋の七草、光る星が何万年前の現象なら、光の中にある私の死体は、すでに、星々の冷めた遠景、氷の橋、猫の舌、竜舌蘭、傾いでいる冬の小路、太陽系を縦走する小惑星の発見 .... 床の瞳
傷の瞳
階段の球
水の震え



櫛の先が
標に刺さり
白く白く
咲いてゆく



流木のはざまを流れゆく
骨の行方をひとつ知るとき
咆 ....
転がってゆく糸
穴に乗る洞窟
すきまで遊ぶ看板
光の形をした象

喜びで救うことは
そこにあるから入るもの
その延長の自我
認識しただけの自我

数字と踊る靴
雨の泣く道
静か ....
左手でつかんだ豆を放り上げては落ちてくる男は山高帽かぶって静止と落下の両方の手で受け止めたいうまくいかないことによろこびをうれしみをほほえみをいつだって太陽の方を向いて顔を綻ばせますヒマワ・リーさんの .... 左の肘の曲がり具合が気に入らない
ふと、そんなことに気づいた

角度を変えてみたり
腕を上げてみたり
手の平をひっくり返してみたり
肩をまわしてみたり
顔の向きを、そして
身体のいろん ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- moote自由詩117-11-29
謝肉祭- あおい満 ...自由詩317-11-25
樅の木- ヒヤシン ...自由詩1*17-11-25
朝食林檎ヨーグルト- のらさん ...自由詩617-11-24
マイクロプラスティック- 北村 守 ...自由詩217-11-24
筆と響き- 木立 悟自由詩617-11-23
- 坂本瞳子自由詩1*17-11-21
ふるえる手- 為平 澪自由詩917-11-19
始まり始まり- 坂本瞳子自由詩2*17-11-19
二人一緒に- ヒヤシン ...自由詩2*17-11-18
あの日- ヒヤシン ...自由詩3*17-11-18
時の輝き- ヒヤシン ...自由詩1*17-11-18
- 印あかり自由詩12*17-11-16
バス停- そらの珊 ...自由詩18*17-11-16
防波堤の暗転- 北村 守 ...自由詩217-11-15
洗浄- 乱太郎自由詩10*17-11-12
限りなくグレイな空に- 藤鈴呼自由詩2*17-11-12
晩秋の高原- ヒヤシン ...自由詩4*17-11-11
ふわりの旅路- 白島真自由詩17*17-11-11
R.I.P.- むぎのよ ...自由詩617-11-9
ソーシャルクラブ- 間村長自由詩617-11-8
びいだまごし- Lucy自由詩11*17-11-8
食べられるもの食べられないもの- そらの珊 ...自由詩12*17-11-8
日々のエチュード- 梅昆布茶自由詩1017-11-7
ふたりのカンバス- コハル自由詩117-11-7
氷の橋- 白島真自由詩14*17-11-6
かたち_くぼみ- 木立 悟自由詩417-11-5
自我と黒- moote自由詩117-11-5
コーヒーの淹れ方_ゴルコンダ・スタイルで/即興ゴルコンダ(仮 ...- こうだた ...自由詩4*17-11-4
あきらめのわるい- 坂本瞳子自由詩2*17-11-4

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