無数の傷のついたフライパンで
  三枚のベーコンを焼いている
  その男はただの大人だった
  円周率を小数点以下八桁まで記憶し
  足指のひとつに水虫をわずらう



  ....
        あおい空の向こう側
        彼岸のかなたに届くまで
        大きく大きく手をふって
        元気です、と
        あなたにすべて ....
そろそろいい歳なので
生意気になるべきだ
自分が自分になるための
いさかいはとことん受け取るべきだ
世界の一員である前に
自分自身であるべきだ
生意気でなければ
こんな男に価値はない
 ....
 
 
高い高いをされてる時が
一番高い時だった
何よりも誇らしい時だった
もう僕を持ち上げられない父が
故郷に帰る段取りを心配している
ぶつぶつとうわ言のように
出鱈目な記憶を繋ぎ合 ....
夕方のバウムクーヘン

夜10時のナポリタン

そのあいだに

息つぎに忙しい水泳のように

祈りや移動や鍵置きやメール


どんどん近づいて

どんどん過ぎてく


 ....
聞かないようにしているだけ
モスキートーン

そんなにいやなら
はっきり聞こえる音で伝えてください



どうせなら誘蛾灯
なんならホイホイ

まぁすり抜けますけど



 ....
ひどく熱い台の上で
亡きひとの骨を
拾う

幼い
わたしを
抱き上げてくれただろう
腕をひとつ

もう二度と
わたしを呼ぶことのない
喉をひとつ


かつての命は
 ....
聴こえないくらいの
静かな声と
三歩分くらいの間が
水平線に似ていて
ちょうどいい
液晶に触れるような
ハウリングする月と
居るだけの夜が
いとおしい
 胸ポケットに挿した Myボールペンをとって
 くるくると 青空に放ってみた

 跳ね返す春の光で ウインクを繰り返しながら
 手元に帰ってきたときは 一本のナイフに代わっていた

 迎え ....
遠くの山が
見える日は

空気も澄んで
はりつめる

景色を切り取る
窓の枠

部屋の暗がり
差す光

窓の向こうへ
踏み出せば

額縁のない
風景画

溶 ....
少しく眠っていた
ワインのほこりをはらうように
表紙もはがれはじめた 
古ぼけた詩集を手にすれば,

あの時
あたしの詩集は、
日常という単語ばかりで 
充たされていた

 ....
四角い窓から明かりが差し込み
それはとても眩くて暖かくて
サッシ越しに季節が変わるその瞬間は
希望を見出してくれているようで
やっとのことで精神の崩壊が止まった気がした

貴女は貴女のまま ....
今は何時頃だろうか

空模様はケチャップと

ウナギやらサンマの

かば焼きの皮の色が混じったような

ギトギト目を逸らしてしまう

私の心模様も

なんだか不愉快なことやら不 ....
息子が帰り支度をするのを見つめながら先生からきょうの息子の様子を聞いていた。

お礼を言って先生にぼくは微笑み保育園を出た。

ぼくは笑顔をよくほめられる。あるとき仲間に黒人であることの利点を ....
  古いデパートの舞台裏、
  職員用通路の片隅に、
  忘れられかけた物置がある。

  狭く、薄暗いその部屋には、
  用済みになった小道具が。
  埃をかぶったハンガー、
  古い ....
 
過去にとらわれた方は、遠い目をしてはります

未来にとらわれた方も、遠い目をしてはります


そして現在にとらわれた方は、白昼夢をみてはります




 
       冬がひきこもっていた
       クローゼットを開け放ち
       ハンガーにヒヤシンス
       春のドレスが花ひらくを待つ
       頼りなげな薄手 ....
 
 
二人でガラスのコップに入って
誰かが水を入れるのを待っている
窮屈なのが
とても楽しかった
将来何になりたいか
お互いに言い合いっこをした
君は看護師になりたいと言った
僕は ....
猫が転ぶとき
そこには道路と猫とわたしがあって
あたかもおのおの一番遠いもの同士のよう

二月にふる雪はぴらぴらとして細かく
手のひらにのせるまもなくとけ消えてしまう
ひとひらひとひら ....
何処よりも早く
咲く花を見たくて
何処よりも早く
鳴く鳥を見たくて

僕ののどちんこは
大陸から張り出して
しょっぱい声で
波を歌い続けている

賑やかな言葉は
トンネルの闇 ....
じぶんを打算で裏切るようなとき

きまっておまえは疲れて眠った

きのうのおまえもそんなだった

だから苦しくて自殺したんだろう


つめたい光が温かかった

水色のそらに雪が降 ....
幸せ について
語る

そうやろか
そうやろか
と 語る

わたしたちの姿が
幸せにうつればいい
雪のけしきにとけて
光る母の髪まぶしい
降りしきる雪
積雪してゆく雪
夜がもう一回りしてきたように空はくらがり
冬の沈黙がぼくたちの町のうえに
いくえにもみえない層となって積みかさなっている

雪は不断に降りつづき
町は白の純 ....
親はいないのか
捨てられたのか
たかいのか
ふかいのか
風がきつい
まぶしい
今日の空
ひとのかたちで
風に捨てられて
おまえは
なんていう名の雲か
太郎か、次郎か
花子か、雪 ....
僕は夢を見ているのかもしれなかった
オーディオの雑誌を ぼんやりとめくり続けながら
自分の持つべきオーディオシステムの構成について思いめぐらす
そうしている 僕自身は 凡人なのだが
理想と ....
あなたの胸に、耳をつける。
はらはらと
降りつもる、ゆき。
さいげんなく現れる、ぶあつい雪片。
あなたにふれた手のひらが、やはらかく折り重なり
何層にもなってゐる。
ぼくのも、知らないひと ....
君がスクイズバントをする
僕は必死に走って
無人のホームに帰ってくる

振り返ると
一塁線上を走っていたはずの君は
どこにもいない

野球に譬えるとそんな感じだ
見えない君の ....
もう充分だと言うのは
きっと身勝手なんでしょうね

でもその気持ちが消えないんです
良くないことだとは分かっていますが

やはりこうして日々を
何とかうっちゃっていると

いつも最初 ....
チョコレートパフェに愛妻が隠れている 0次元

面積を持たない点は哀しくて
あられのようにパラパラと降りそそぐだろう
なんのうえに

1次元

線虫となった哀しみはのたうちまわって
それでも面積を持てない

2次元
 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
大人- 草野春心自由詩513-2-25
あおい空が目に沁みて- 石田とわ自由詩12*13-2-25
種火- 三田九郎自由詩513-2-25
高い高い- たもつ自由詩1213-2-25
夕方のバウムクーヘン- 吉岡ペペ ...自由詩513-2-25
蚊のなきごえ- 浅香 葉 ...自由詩113-2-25
遺骨- 千波 一 ...自由詩713-2-25
ハウリング- 自由詩313-2-25
ペンは、剣よりも…- まーつん自由詩6*13-2-25
風景- シホ.N自由詩513-2-25
ありふれた十一通の手紙_‐4‐- 月乃助自由詩8*13-2-25
冬の終わりに/いつか見た夢- 岸かの子自由詩513-2-24
空模様心模様- 灰泥軽茶自由詩5*13-2-24
看取り(3)- 吉岡ペペ ...自由詩1113-2-24
マネキン- まーつん自由詩9*13-2-24
とらわれた方- 殿上 童自由詩22*13-2-24
ヒヤシンスクローゼット- 石田とわ自由詩12*13-2-24
将来の夢- たもつ自由詩1113-2-24
雪だよ- はるな自由詩613-2-24
半島- nonya自由詩15*13-2-24
きのうの裏切り- 吉岡ペペ ...自由詩313-2-24
幸せのひかり- 朧月自由詩513-2-24
冬の虜囚- 寅午自由詩213-2-24
雲の子- たま自由詩40*13-2-24
暮れる万世橋の僕- 番田 自由詩413-2-24
ふる雪のそこに- 凍湖(と ...自由詩10*13-2-24
ゲームセット- たもつ自由詩513-2-23
巡礼- HAL自由詩6*13-2-23
チョコレートパフェに愛妻が隠れている- 北大路京 ...自由詩413-2-23
次元の詩- 梅昆布茶自由詩24*13-2-23

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474