去年と同じ
花が咲いている
去年と違う
同じ花が
去年と同じ
新緑が芽吹く
去年と違う
新緑が
その下で
子供が遊んでる
私と違う
同じ子供が ....
ゴブリンのゴブレットには
詩がもられている
ふゆるはるる
スイートピーひとつで
羽の生えた船が作れます
ほらこれはキール
冬に婚ふ
秘めがちな姫君
パエトーンの落とし子たち
....
昨日
僕は 忘れ物をした
とおもう
その忘れ物を忘れてしまった
何かを無くしたときの
この胸のしこり
何かを忘れた
と感ずる 気泡の網
「昨日のこ ....
六月の花嫁が
投げたブーケが
放物線を描いて
確かな意志を持って
わたしのほうへ
向かってくる
『ブーケをキャッチしたら
幸せになれる』というフレーズは
もちろん知っていたけれど
....
生温いラブソング
みたいな雨が
無骨な傘を叩く
手頃なセンチメンタル
みたいな歌が
鳥肌にまといつく
南風に押されるままに
よろよろ歩き出す
曖昧な記憶
傷つけたこと ....
君は踊る
薔薇を 菫を 雛菊を踊る
揚羽蝶を踊る
木洩れ日を 気ままな風を踊る
君は踊る
虹を 青ざめた夜明けを 葡萄色の黄昏を踊る
波を 湧きあがる雲を 嵐を踊る
君は踊る
....
机上の聖書の上に置かれた
ひとりの骸骨が
遥かな明日の空を視て、笑ってる。
骸骨は、恐いものと思っていたが
全てがそうではないらしい
どんな人もいつかきっと骨になり
顔 ....
夜、ベッドの中で
妻はいつもより濡れている
ぎゅっと抱きしめると
ぼくの腕の中で
あっけなく崩れていった
豆腐だった
水切りが足りないことに
どうして今まで
気づいて ....
使い古された財布が
波打ちに漂っていた
誰かの落とし物だろうか
それとも海に帰したのか
迷いながら通りすぎた
次の晩
そこを通ったとき
もう財布はなかった
満ち干にひきとられたのか ....
沈黙の海へ
ダイブ
言葉の氾濫に
へきえきして
漆黒の空へ
ジャンプ
人工の極彩色が
毒々しくて
時を告げる
チャイム
耳を澄ませて
身を立ち上げる
最後の ....
学生服で横浜野音のロックフェスティバルにはじめて友達と行ったのは
田舎からでてきたばかりの冴えない俺
両想いだったかもしれない恋も風に紛れてどこへやら
彼女は僕とは別のさわやかな青春のむれの ....
曇り空に 晴れろとも言わず されど
曇り空に 気分連れて行かれそう だなんて
よかよか 曇り空でよかよか よかばってん
受話器がはずれた ズーズー音
もう掃除も洗濯も終えたんですー
....
絶望のない
暗い 暗い 海を泳いでいる
起きたときには
そうなっていた そう鳴っていた
フライドポテトを食べた直後の
人差し指と親指にまとわりついた
まどろんだ違和感のようなものが
....
眼鏡の奥でながれた涙
ワイパーで弾かれた雨の粒
砂漠に咲く花
とどきそうでとどかないキャラバン
真っ黒に染めた羽根
低い位置で飛んでいる鳥の角度
あのトンネルを潜れば吹いて ....
瞑ればおちる 喉元の声
ずく で 散り急いだ未明
知られる事は 色づいてからでいい
浮いた草がひろげる風の扉
顔を覗かせては
あわててもどる 七色の瞳
危険な冒険の途中なの
それ ....
愛という名のカニバニズム
この肉も骨も血も
すべてあなたに捧げましょう
張り巡らされた 透明の糸に
蝶々が絡め取られてしまった
白い翅を震わせ もがいても
ここからはもう逃れられない
....
{画像=120523013143.jpg}
いつも何かが足りない気がする
いつも何か一言いい足りない
いつも何かを忘れている
いつも何か遅れている気がする
忘れてしまったもの ....
迷うたら負けやと、きつい一言
今でもうちのお守り
そんなあんたは迷わずどっか行ってもうたけど
マンガガール
メルヘン気取って また妄想の世界に浸って
マンガの話ばかり 彼女は黙らない
可愛いもんだけ 心に詰めるだけ詰め込んだら
どんどん醜く見える 外見の体が嫌だった
だから着 ....
雨が降ってきたので
魚をさす
ピチピチと
水を得たように
よろこぶ傘
骨を撓らせて
鰓呼吸してる
わっと咲いた桜の枝の花束が
額縁のなかに吊されています
青い敷布の上に座るあなたが
花降る午後に微笑んでいます
ぼくらは宇宙で会いましょう
祈ります
科学じゃな ....
想像のちょうじょうから降りてくるものがあるんだ
延髄から降下してゆくエレベーターは脊髄を各階どまりで
総なめして行く黒い影をともなった魔術的旋律なのだ
人間が理性なんて持ち出したのはつい最近 ....
喉が渇いたので
醤油を飲んでいたら
目が痛くなった
目薬と間違えて
醤油を差していた
まるで
お寿司のように
空っぽになった
醤油を探して
東京を歩く
薬屋はたくさんあるのに
....
化石になったら隠れよう 琥珀になったら閉じこもろう
みずみずしい生き方だったね
まるで魚のような鱗はないけど
剥がしても剥がしても人になんてなれないから
何万年経ってもまだ地球の話をしてば ....
もしも想い出が 熟した安らぎだけならば
こんなに熱く振り返ったりはしないだろう
互いの いちばん弱い場所を
最後に求めた旅だったから
僕らは同時にその日々を想い出すのかもしれない
....
雨よ 降れ
俺達の世界を濡らせ
おんぼろ小屋にも大豪邸にも
等しく雨を叩きつけてやれ
豪邸の中にも貧乏長屋の中にも
等しく人の醜さと卑しさが満ち溢れているから
雨よ 降れ
そうして俺達の ....
どうしても舐められない背中に
傷がある
猫がひとつ
街の中に座ってた
首もとまで
コートを閉めて
冷えきった青
ブルーとは、
本来冷たい色なのだと
冬の終わるいま
あい ....
同志が一人死んでゆく
疲れ果て
夢も希望もない
人の罪を負う
生きるために働き
遊ぶ事は許されず
欝になる。
休む事は禁じられ
息もできない。
誰か助けてやれないのか?
世 ....
明方の台所で
豆腐がひとり
脱皮をしていた
家の者を起こさなように
静かに皮を脱いでいた
すべてを終えると
皮を丁寧に畳み
生ごみのところに捨て
冷蔵庫に入った
....
今日は僕が…
この世に生を受けた…
一年で一度の日
少ないが…
『おめでとう』
と言ってくれる
人達がいるよ
誕生日なんてね
嬉しい事でもない!
なんてツッパッて
みてもね ....
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