優れたものは
君を入り口まで導いてくれる
だが扉を開け、その先を歩くのは
あくまでも君の仕事なのだ
終わりはすぐそこにある
君が過去を振り返れば すぐそこに
君がど ....
愛していると告げた時
何かが間違っていた
それは
蜜を湛えた
花というよりは
壁から伸びた 鎖だった
君という船を 僕という港に 繋ぎ止めておくための
その言葉は 何も与えずただ 拘 ....
夜の海をゆらゆらと私は舟を漕いでいた
天球の子宮のような空間
おだやかな潮の香りがおびただしい生を封じ込めている
櫂の力を緩めると島が見える
オレンジ色のひかりを放ち島がゆらめいている
火の ....
ピノキオは人間で出来た木だったんだ
一見ばかなことでも視点を変えれば正しいことだと分かるとピノキオは言ったんだ
サンテンイチイチの予兆などまるで感じない八月の伝説の一週間
夜なの ....
ガムは
包んで
屑篭へ
煙草は
消して
灰皿へ
服は
畳んで
押入れへ
さて
この感傷
何処へやろ
飲み込んで
腹の中に?
揉み消して
道の端 ....
もう
ゆっくり
静かに
時を
過ごそうと
いたの
何故
何故
風が吹き
木々が揺れ
水面が
波打つの
何故
何故
一滴の ....
透明なせせらぎが遥か遠くで
岩の間をくぐり抜けてゆくのが
聴こえてきそうな三月の朝
いたずらな顔をして君が
せがむみたいに背伸びをしたから
僕たちは口づけをか ....
逆立ちしてみれば
総てが180度 別世界であります
たった一人 逆さまな様は
見ず知らずの者から見れば 滑稽であります
この視線で眺めれば
ぞんざいな気の流れが
清浄な気の流れに見 ....
誰かがここで何かを話しかけている、だが俺はそれをはっきりと聞きとることが出来ない、俺の神経は摩耗しきっていて、壁にかけてあるシャツが一枚ハンガーから床に落ちるだけでプツンと途切れてしまいそうだ ....
先を争って{ルビ水面=みなも}を目指す たくさんの 泡
ほどけたネックレスから 飛び散った
真珠のように 輝きながら
晴れた冬空の 明るさで染まった
水の中を ころころと 駆けあがっていく
....
ベッドに沈み
夕べの闇を
身に
充填する
目で見るもの
耳で聞くもの
その他すべての感覚器
研ぐ
身を貫き刺す
光のひと突き
止め
闇への蹂躙
何も見ない
何 ....
もうめっきり 僕は北風に吹かれるまま
氷は透明で
投げたその眼差しを 雨にして鎖に編む
僕らは繋がれてきっと離れられない
冬の怯えた心に操られ
思い出が 冷たい雪を解かす頃
....
真夜中自転車を走らせ
小さな橋の上から
欄干に身体を預けのけ反る
晴れた夜空のてっぺんに
仄かに橙月がぶらさがる
雲ひとつなく銀河の河から流れる
ホシボシの瞬きは淀みなく美しい
....
数日前にすっと切った
指の傷口を
ほうっておいたら
裂けた肉と肉の間を
細い血の糸が縫っていた
心の傷もきっと
体の傷とおんなじで
あれこれ{ルビ穿=ほじく}ってしまうよ ....
光が
薄れ
空が
眠る
時が
凍り
心が
踊る
紅い
月に
私は
一人で生きてくのに慣れて
手の届く範囲の宇宙で笑う
誰だって見ていた景色の中で
自分だけ心を離していた
君の顔を覆う
ガラスの球形が遮る温度感
僕は空気
それさえ無関心
....
比較的に緩やかな様を
眺めている
それだけで言葉に出来なかったことが
伝わったような気がしている
新しいニュースが
平べったく流れていく
変わってしまった人
喉が鳴って一人
真 ....
丘の上 灰色のあかるさの中に
観覧車は立っている
色を失くしたその骨格を
冷たい空気にくっきりと透かして
ただしずかに廻っている
ゴンドラのひとつひとつに
乗っているのは
かつてそこ ....
壊れない名刺を刷った
どんな道具を使っても
壊せなかった
時々きらきらと光って
きれいなもののように
良い匂いがした
今日はこれをもって
お得意様回り
でも名刺の真ん中にあ ....
雲がいそがしく動く
そのしたで昼寝をする
病院という場所の二階で
腹をさかれてるひとがいる
命うまれ
命きえて
雲がいそがしく動く間に
私が目をつぶる間に
今日という日も
二十四時間 ....
けたたましい目覚ましの音で
新しい一日が始まる
レプリカントのスタートスイッチが入る
洗濯機がしゃべる
電子レンジがしゃべる
TVがしゃがべっているのは
今日の天気予報
くもりのち雨
....
それは、手のひらでした
空気が冷たくて目が覚める朝
寝床から出るきっかけを作るために
ひとつ大きな伸びをした
ふと指先に感じたもの
腕の中でほんの少し身体をひねる
バランス ....
手にした物は
いつか 手にしていない物として 私の元を離れていく
私は防波堤の先端に立っていた
魚の形を いつも 追い求めていた
私は何をしていたのだろう
いつも人の形を遠くに ....
愛
と発語すると
鼻白む思いだが
それは存在可能だ
安易に云えば
隣人への愛
自己への愛
ひいては敵への愛さえも
ここまで生きられたこと
そのこと自体
愛だといえる
....
はナホトカ生まれの十八歳
でどっか相当ずれている
小さい頃からずれている
多くの人とずれている
殆どみんなとずれている
仲間はずれで入れずにいる
ウラジミール・ズレリンコフ
は小学校で持 ....
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今更ながらに想うのだが
もう一度自分を
バラバラに分解して
細かいパーツの
ひとつひとつに分け
そのひとつひとつを
見分け分類 ....
あんまりかわいくないところがすきと
いったら
おこった
下をうつむいて歩けば
六〇度の世界が失われ
三分の一の人間しか享受できずにいる
足は全身を使って地面をたたき
腕は肩につかまって行ったり来たり
お腹が減る
目線を縛らせるのは雑草か
明日 ....
特攻隊は
わが身の命を
顧みず
家族の為に死んでゆく
何を思い
死んでゆくのだろう。
恋人を妻を子供を思い
飛んでゆく
見ず知らずの人の
命を奪い
反抗する事を許されず
....
この世は収束しない。
この世は発散する。
ハルマゲドンは来る。
この世は崩壊する。
最後に世の中が
結束して欲しかったが
無理なようだ
皆バラバラだ!
皆が幸せになって欲しかっ ....
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