愛がまだ足りないなら
時間を隠しましょう
時計の中へ。
好きなだけ注いで下さい
お腹が膨れて眠くなるまで
嘘 偽り
不純物を沢山かき混ぜて
一つだけの真実を
舌の上で ....
私は この山の なだらかな稜線
空と山を隔てる稜線
そのエッジに 打ちのめされ
この山について 何も
書くことが できないのです
いずれ 書ける朝が来るか
それさえ ....
何時から皆泳げるようになったのか
すいすいすいすい
人間が横切る
何の不安もなく足が地球から離れる
風はないがもっと重苦しい流れがある
音は聞こえるのだが
ゴボゴボ空気の泡立つ音が ....
田んぼ
乾いた田んぼに水が入って
追いつけないままに去っていった
春の詩をようやく諦める
花菖蒲は元気に咲いている
紫陽花もゆっくり色づいてゆく
発芽した朝顔は満員電車みたい ....
130514
すっぽんの手下となってからは
なりふり構わず
化粧もしたことがない
眉を剃ることも
描くこともなく
石鹸で顔を洗わず
水で洗うから
生 ....
林檎や梨が
その位置を偶然から必然へと動かすとき
その表面へ差す光は
外部に言葉を与え 内部を言葉から離した
再び
林檎や梨が
その位置を必然から偶然へと移すとき
昼の底にある闇が
....
微笑みを浮かべてあなたに舟をあげましょう
この手で捏ねた泥舟に夢を乗せて行く人よ
哀しみも憎しみもあなたには必要がないのでしょう
それならどうか私に見せてください
愛しさと幸せの中で泳 ....
母の日用のカーネーション 店先の
半額になっている
次の次の日
その次は
お店の裏側でひっそり咲くんだろうな
おかあさんの
姿に似ている
赤いカーネーションの鉢植え
とってもうるさい上の階
上の階には飢えが無い
飢えが無いからわからない
・・・わけじゃなかった
知っていた
特にうるさいお休み日
お客がいっぱい集まって
ドン ....
カニとは言うものの
実は蜘蛛に近い
天然記念物のはずだが
タイでは
レストランのメニュー
タマゴをスプーンで
掬って食べる
だから
天然記念物ってなんだよ
よくわかんねえな
あ ....
とってもうるさい上の階
上の階には上が無い
上が無いからわからない
・・・わけじゃなかった
知っていた
特にうるさいお休み日
幼子ふたりとその父と
ドッジボー ....
一昨日は、君の誕生日だったと思い出しました
遅くなったけど、生まれてきてくれてありがとう
もう、君はこの世にいません
だから、私には何も出来ません
約束だけ置き去りで、一体私はどうやって ....
紙の世界でコーヒーを淹れたい
記憶の断片がいまさら燃え上がる
繊維質の砂漠の中
雨で崩れる家
家具はライターで焼けてしまう
崩れても逃げ遅れない
折り紙ですべては元 ....
粟立つ肌が
早く歩けと脚を鞭打つ
凍雲のすきま
十九時の満月はまだ低く
拾い損ねた人や物より
よっぽど近くにありそうだ
スピードを落とさず
曲がり角も無視して
ひたすらまっすぐ進ん ....
気難しい顔をした男が独り
横顔に夕陽を浴びて
刻まれ顔の皺の陰影
海面から反射した悪意を身に纏う
人生の黄昏時
手ぶらのまま男が独り
視線の先には水平線
海鳥の獲物を掠め取ろうと
....
目覚めはじめた街の夜を 置き去りにして
東京発二〇時三〇分 のぞみに乗り込む
この列車に乗って人はどんな望みを持つのだろう
あるいは捨てたのだろう
夜と昼の混濁したこの街は わたしに ....
月はね 二つあるのだよ
望遠鏡から離れて 自分の目で見てごらん
三日月の尖ったあごは二つに分かれているだろ
昔の人が見た乙女や兎が住んでいる月
今見る乾いた月の後ろに少しずれて
ぼくに ....
途中からただの悪口
たまたま駄洒落言ったみたいになった
交差点で立ち止まる
君の肩に
桜の若枝が
撓垂れていた
あたらしい通学路に
あたらしい微熱が
恥しげに
淀んでいた
火葬場の匂いのこもる
鉈の重さの
春に
赤か ....
死んだ生命の行く先が
綺麗に光る星ではなくて
誰かの心に灯るとし
想いは消えないままで
昨日も今日も明日でさえも
完全な暗闇に綴じない意味は
きっと、
誰かを忘 ....
ないだけ金髪の見透けた青に濡れる紫こそ滲む
境界線をまたぎする病葉(わしらば)は踏み込めず
テケにても履けるパンツ白地のまぶしくて汚れ落ちず
気持ち高ぶればうつつ
更に先の橋擦り過ぎた灯籠 ....
いつもヒーローのかげで彼の役回りは決まっていたんだ邪悪の仮面を纏わされてね
子煩悩な彼の私生活なんて誰も取り沙汰もしないんだね
彼の故郷は地球よりも遥かに道徳的に高次な世界善悪さえもありはしな ....
アカシアの雨がやむときをききながら
雨がふっているんじゃないかと、窓をあけてみる
月夜なのに、こんなに明るい月夜なのに、
*YouTube アカシアの雨がやむとき (西 ....
星は一生を終えると
ブラックホールとなるらしい
自身の重さに耐えきれず
あるとき自然に崩壊する
質量だけが生き残り
ただひたすらに落ちている
周囲のものを巻き添えに
人も一生を終 ....
昆虫が窓を開ける
五月と
そうでないものとが
出て
入って
混ざり
離れる
言葉の中で
空はまだ
青く
美しいのだ
日用品と
出来立ての虹を買って
君が帰ってくる ....
育てていた蜜蜂が 熊に襲われた
蜜を狙って巣箱を壊し 女王蜂も食べられた という話
熊って 蜜だけじゃなく 蜂も食べるの?
食べるらしいよ それ以来 蜂が怖がって
外へ蜜をとりにいかなくて ....
言葉がなくても
生きていける
もっと大切な
ものがある
それが何かは
知らないけれど
言葉だけでは
生きていけない
温もりは
肌で受け取る
も ....
顔をかきむしり
皮を剥ぎ落とし
血を雨と流しても
自分の素顔が
見つからないのであれば
鮮血の海に
溺れそうな
二つの目に
空を走る
雲の足取りを
....
130511
摸倣の得意な伊賀忍
切り隠れ才蔵が有名
擬態が得意な甲賀忍
猿飛佐助が有名
二人そろって
各地の城下に潜り込み
手柄を立てて真田十勇士に ....
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