お父さんは近頃おもしろくない
 洋子の微笑が何よりおもしろくない
 あらためて増えてもみた透けてもみた消えてもみた
 しかしそのたびに穏やかに見つめてくる
 かの慈母のような微笑が
 はな ....
  明るい部屋に棲む薄暗い老女
  出来損ないの散文に似た服をきて
  皺のよったビニールじみた手には
  何が為拾ったか判らぬ小石を力なく握る
  愛してきた者たちの瞳にもう愛はなく ....
世界が
果てしないほど分厚い 一冊の書物に感じ
決して読み尽くすことのできないと
絶望する 
重苦しさと 心地よさを 
同時に感じて

「美しいものが正義だ」と言って
読むべき箇所と  ....
      ただそれだけのはずだったのに
      暗い穴蔵へ落ちたのだった
      夜を千倍にして流しこんだような
      なにも見えない本当の闇
      一瞬の過去を ....
盗まれた自転車が恋を連れて帰ってきた 結局殺してしまうなら
愛していない事など明白で
高尚な正論を振りかざす
瞳には何も映らない
そんなものに未来を託して笑う
おまえたちの強かな愚鈍さ
憐れみさえ通り越し
嘲笑だけが満ち ....
それは鉛の重力で
垂直に私を引っ張るので
テグスに結び付けられた浮きのように
私は
水面に立っている

もうふわふわも
ぐらぐらもしない
磁針のように空を指し
己を標として生きるのだ ....
田舎からダンボールで送られてきた
白菜、大根、里芋に 手紙
走り書きで 手入れが行き届かなかった、という
詫び状が 一通

私が手伝っていた畑 耕していた土地を離れて
間もない冬 ....
  長い歩道が
  河馬のようにみえる午後
  男はあおいホースで車を洗っている
  ふたりの老親と数十万程度の借金と
  慣れ親しんだ不眠とが彼の歪な肩に載っているが
  飛沫のな ....
川を越え海を越えた向こう岸へなど
渡ることは考えもしないけれど
対岸に上がった火の手を見付けて
騒いでいる  
  ディスプレイの中で
  銃を構えてうろつく男を眺め
  騒いでいる
 ....
グラスをのせるコースターの上で
ハネ蟻がバレエを踊っている
勢いよく足を屈伸させ
股を180度に開脚させる

そして一回転半

せまい舞台とはいえども
どこまでも彼女は ....
紫煙を燻らす人が美しいのは


呑み込んだ

言葉にできない想いや

ぐっとこらえた言葉を


煙まじりに

昇華させて 

弔って


その煙は

 ....
あたしは秒針がきらいだ。
一秒ごとに死にちかづいてく
いやみったらしく音たてて
わけ知り顔でまわってる
文字盤に数字がこびりつき
焦げついたころに、アラームが鳴る。

からだは暗やみから ....
ほどよく乾いた小枝や
抜け落ちた羽根や
通り過ぎていった月日の
さまざまを
ちりばめておく
もうそこは
きみのねぐら以外のナニモノでもない

広い宇宙のなかで
ただひとつだけ
選ん ....
馬鹿でっかい鰤のアラと
ぶあつい銀杏切り大根の入った
湯気のたつ味噌汁を啜って
海苔と胡麻塩の握り飯を食う
 
 あー、うめぇなあ

海鳴りの音を風がさらう
子どもたちはまだ眠っていて ....
ひつじがいっぴき
ひつじがにひき
ゆったんという名の
ひつじの湯たんぽを抱いて寝る
そのひつじを見失ってしまえば夢の国
いつしか踏み迷ってしまう
いつもの道がある

川原のようで ....
    ただの水じゃないかって?
    まったくちがうよ、
    いや炭酸かどうかじゃなくて
    このボトルの泡たちは宇宙の星なんだ
    だからこの泡たちを飲み干して
 ....
普通にしてるのに

涙が流れる

無味無臭の

ガスにやられるのだ

連絡を絶つ

息をしてる

普通にしてるのに


発作で夜中起きてしまう

薬を飲むと

楽 ....
   迷刀スパイ

ぼくが国民学校に通っていたころ
鉛筆削りや竹細工には
折りたたみナイフ「肥後守」を使っていた
喧嘩のときも肥後守をちらつかせれば相手はひるんだ

その頃
日本では本 ....
おやすみとさようならが相槌を打つ
今日あったことは内緒にしよう
玉手箱にしまっておいて
一年後おはようとこんにちはに開けてもらおう


おはようとこんにちはがその計画を
未明のうちに知り ....




□愛している
□i see tail
□尾を参照してください
□オオサンショウウオしてください



◆i see tail
◆尾を参照してください
◆ ....
ふんわり膨らんで
適度な蓄熱の布団
気分よく寝過ごし
急いで冷たく硬い空気のなかへ
緩んだ身体を放り出し
冷えた下着に包み込んで始まった朝

雨戸を開けると
微かな野焼きの臭いが漂って ....
アヒルとウサギが同居している私のなかで耕す土がないのはこのうえもなく好運なことで日本最大級の耕耘機はただただそこにあってやがては錆び付いてゆくのであった、あったからアッ宝を見つけても埋める場所さえない .... ぼうぼうたる虚無が
そこにある

私は必死にそいつをやっつけようとするのだけどどうも上手くいかなくて

薄墨の不安が
塗りたくられている

私はそいつもどうにかあっちへやろうとするのだ ....
おのおのに、週末


なぁんだ
なぁんだそうだったのか
息をすることが困難な夜には
知らない地の夢を見るんだ
玄武岩質の平原、つきあたりの揺るがない闇
そんなものが僕らの孤独の限界だ ....
一つの夜の中に生まれる物語を
取り留めもなく繋げて
理由を探して

残された光の残滓に縋りつく

寄りかかる椅子の心地よさ
ルーツを辿る 視線の先の
ガラスに埋もれた憧憬

「あの ....
食器を洗っている時に 現れる私の子供
ご飯を食べたばかりなのに 私を見ながらスプーンを持って
お皿をカチャカチャ鳴らしては はしゃいでいる
私はお前に お匙でご飯を掬ってあげれらないのよ、 ....
風の止んだ朝 林は広くなって
生まれたばかりの顔をした 陽ざしが
汚れ果てた落葉を 白いレエスで隠す
あなたが霜柱を踏む 乾いた音


リズムは不規則で 頼りなく
不自由な足が もど ....
闇を開こうとするイライラした若さをじっと見ている 明けましておめでとうございます。
僕の書斎兼
食卓兼
呑み場所の
宇宙の中心に猫好きなくにちゃんのミニカレンダーをすとんと置いてあるので
ことしは猫年になりそうです。

除夜の鐘をききな ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
父よ憤怒の河を渉れ- 平瀬たか ...自由詩11*15-1-10
老女の歌- 草野春心自由詩715-1-9
海沿いの街- 大島武士自由詩315-1-9
穴蔵に住まうもの- 石田とわ自由詩7*15-1-9
盗まれた自転車が恋を連れて帰ってきた- 北大路京 ...自由詩615-1-9
心中- 衣 ミコ自由詩3*15-1-9
- Lucy自由詩21*15-1-9
腐る野菜- 為平 澪自由詩915-1-9
敗北- 草野春心自由詩415-1-9
対岸にいて- イナエ自由詩10*15-1-9
ハネ蟻のダンス- オダ カ ...自由詩5*15-1-8
タバコ- とよよん自由詩8*15-1-8
含み針- 高原漣自由詩2*15-1-8
おかえりなさい- そらの珊 ...自由詩23*15-1-8
漁師だぜ、とりあえず今日も_☆- atsuchan69自由詩17*15-1-8
今年もおみくじは吉だけど- yo-yo自由詩9*15-1-8
星になるとき- 石田とわ自由詩14*15-1-8
ガスにやられる- 吉岡ペペ ...自由詩415-1-8
言葉の切れ味2_迷刀たち- イナエ自由詩14*15-1-7
『本日に幕間はなく』(四行連詩)- 乱太郎自由詩12*15-1-7
ているすーぷ_(□こひもともひこ◆とよよんさん◇森朱鞠さん■ ...- こひもと ...自由詩18*15-1-7
打ち直した布団と雨- イナエ自由詩5*15-1-6
アスペクト盲/即興ゴルコンダ(仮)投稿.2- こうだた ...自由詩5*15-1-6
しにたしにたのしにたさが- 日々野い ...自由詩315-1-6
月火水木金土日- 香椎焚自由詩3*15-1-6
独りの夜が明ける- はて自由詩315-1-6
向き合う鏡- 為平 澪自由詩6*15-1-5
老いた冬に- 藤原絵理 ...自由詩715-1-5
闇を開こうとするイライラした若さをじっと見ている- 北大路京 ...自由詩4*15-1-5
明けまして猫年ですが?- 梅昆布茶自由詩13*15-1-5

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