「どっきりでした」と伝える役が急死
遠い国で内戦があった
銃弾に倒れた人
爆弾に吹き飛ばされた人
炎に巻かれて焼かれた人々や
たくさんの人間が血を流し死んだ
勝利者は誇らしげに
殺した人の数を発表する
その中に ....
つたったあとを
つたうものあれば
つたったあとを
つたわないものもいて
誰かのまなざしのあとを
なぞるものもあれば
誰かの言葉のあとを
なぞらないものもいて
きょうのまことが
....
席はあったが
わたしは座らなかった
銀いろの月によく似た
さみしい言葉だけ胸の奥に置いて
けれども誰にむけたものかわからず
きまり悪い笑みをうかべて わたしは ....
パインとケーキでパインケーキ
ケーキとパインでケーキパイン
パインとパインでパインパイン
ケーキとケーキでケーキケーキ
どれ1つとっても世界の秩序を
脅かすには物足りなさすぎるが
どれ ....
そんなに力を入れなくとも
自然につむればいいのだから
おまえはおまえの片目くらいは
ちゃんと面倒みなきゃならない
水田波打つ
大きな雨だ
重い雨だ
朝の雨だ
いつつくられたのか
だれもしらない
不安がある私の
なかにまで無遠慮に
ふる雨をうけいれる
今はたちどまる
理由になってくれ ....
心の声が漏れる穴からも嘘
右へ行ったカワウソは
けさ、左から帰ってきた
蘭の花が 腕の真ん中あたりで咲いていて
よく考えたら ゆうべきみがそこを強く吸ったのだった
部屋のあちこちに敷き詰めら ....
もう、とうに
どこかで、沢山の同じ気持ちと一緒に固まって
雲にでもなっていると
蒸発したり
砂粒ひとつ程の
微々な物まで退したと、離ればなれた ....
無実の者を巧みに陥れた男の
偽りを隠ぺいする行動は
あっけない結末だった
縊死も轢死もなし得ず
笑ったような顔で出頭する男の
みじめな偽り隠ぺい行動
そんなニュースを見ながら
あれこれ考 ....
先生、
私はめだかを飼っています。
卵から孵化させました。
毎日餌をすりつぶしてあげています。
ぱくぱくぱくぱく
みんな美味しそうに食べます。
おいかっけこはしょっちゅうです。
お母さん ....
クリーム色の明るい部屋
お遊戯をしている
「すずめの学校」に合わせて
動きにくい手を叩く
楽しそうに,子供になって
先生の動作をまねる
だんだん
ほんとうに楽しくなってくる
....
朝露に濡れた薔薇のつぼみよ
蕾の持つ美しさ
それは未来(あした)という一瞬の輝き
過去(きのう)は蓄積され
そして、沈澱してゆく
現在(いま)は消費され
過去の薄っ ....
さあ、どうぞと皿が私に差し出される
その上にきれいに盛られている
とてもいい匂いのする料理は
食べやすいように切り分けられている
中には苦いものもあるけれど
健康でいたいでしょう?
それを ....
かなしいばしょから きたきみは
つきみてまんじゅう たべている
おこぜにてやき あられにとろみ
こんこんぬいめ たらにくさにこ
かなしいばしょから きたきみは
きんぎょすくいを しん ....
出逢うべき時に
出逢うべき場所で
出逢うべき人に
出逢えた時
人はそれを
「仕合わせ」と
呼びます
今日朝日を浴びることも
明日雨に降られることも
出逢い
私は一生に一度だけ
....
140519
ごじゅってん
神々しい声がして
欲求不満が夜郎自大の形を見せる
だから言ったじゃないのと
勝手に翻訳してイマイチが顔を出し
ウースターソース ....
どこかに
わたしの詩を読んでくれる人がいて
わたしはその人のために書いたのでもないのに
ありがとうと伝えてくれました
それではだれのために書いたのだろう
もうひとりのわたしが
小さ ....
数秒間の家族愛の出来事
何気なくテレビを見ていて感動した
猛犬に襲われている幼児を助けるために
その猫は猛犬に体当たりした
そして
逃げる猛犬を数メートル追いかけ
すぐに幼児の元へ ....
貧困なボキャブラリーで言葉責めされている
燕 空をきりとり
風 わたる
空騒ぎの春は、とうに昔
何も始まらない日々
何も終わらない日々
お風呂の水滴
ぽちゃりぽちゃり
吐き出す日々の空しさ
ごぼごぼごぼご
お風呂は空っぽ
玄関にはスニーカー
一足ひ ....
詰めが甘いな
将棋だったらもう詰んでるぞ
何てことはいつも言われ続けていて
マトッリクスに配置された理屈に囲まれている
将棋だったらもう何度も詰んでいるのに
僕の人生は続いている
....
怖い人よ
あなたの視線はどこまでも遠く通っていき
あなたの声はどんな棘でも受け止める
水よりもさらに率先して低い位置へと流れる
怖い人よ
社会から一斉に降ってくる硬い種を見事に発芽さ ....
*
光と風の音楽隊の
ゆるやかな旋律が
コンクリートの迷路に
色の音符を落としていく
緑はさざめき
花はときめき
道はほくそえみ
人の睫毛はほほえむ
*
渋 ....
女豹のポーズがトドにしか見えない
ぬるい日にさようならした
五月の晴れの日に地球の上にいて
太陽は赤でないけど日差しは赤のようだ
目に見えないものはみんなの中で
限らない
わたしの通りと限らない
銀河でチョ ....
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その人の手は
ほっそりとして
冷たい手だった
いや冷やかな手だった
上手く想いが伝わらないが
こちらの熱を冷ましてくれ ....
朝のひかりのなかで想う
どこか彼方の星でも
こんなふうに生命が
朝をむかえているのだろうか
夜の闇のなかにさえも光は在るものだ
宇宙の漆黒のなかにだって朝はあるのだろう
生命が ....
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