美しく作ってもらえなかったアンドロイドの気持ち  干しかけた洗濯物
 風の一吹きに掬い上げられ
 みんな地べたに、落ちちゃった

 シャツにトランクス、靴下にパジャマ
 着古した心から、思い出の沁みを洗い落として
 まっさらに漂白したっ ....
そっと今も
地球に隠されている
新しい一日には

夜明けの太陽から
陽射しが煌めいて
鳥たちが
鳴き始める約束の朝
窓を開ける
君の微笑みに

旧来の知人から
感謝の手紙が届い ....
ひとつの連鎖が
もうひとつの連鎖を呼ぶ
連鎖が動く
右か左か
正か負か
負の方向に向かえば  ....
七色に輝く水しぶきを浴びて
キャッキャと走り回るあなたを
私だけのファインダーに
永遠に閉じ込めておきたくて
夢中でシャッターを押したのに
あなたのぶれた指先や
揺れるスカートのレースしか ....
私の中の
幽暗な領域に
潜むひとつの刻印
おそらくは私という存在の始源から
其処に深々と刻まれていた

その刻印からとめどなくあらわれる
何体ものファントム
美しいもの 醜いもの
華 ....
世界平和を祈っている
定義は足並みを揃えたくても個性が並ぶ 此処は館

個々の定規で懸命に幅をとってゆく

両腕を反りながら翼に相成る

愛を祈っている
人間のDNAに余分につ ....
ことしも彼岸花がきっちりと合わせてきた

さすがだ

車窓にゆきすぎる田んぼの風景

田のまわりを彼岸花が赤く彩っている

防虫効果でもあるのだろうか

彩りだろうか

刈り入 ....
見えないものを見 聞いたことのない歌をうたう
聞いたことのない声を出し 人と関わりたがる

私の目は 饒舌に喋り続け
下半身の纏った嘘を 脱がせようとする

私に口はないが 手はい ....
永遠は神様がくれる
たった一つだけの奇跡

だから毎晩目を閉じる前に祈る

この幸せを永遠に留めたいと

私が掴んだ
小さな小さな幸せ

静かな寝息
温かな手
ゆっくりとした鼓 ....
若いってたぶん弁当をふたつ食べれることだと思う

いろんないやなことを無視できることだと思う

酔い方に遠い孤独がにじまないことだと思う

背中に秋の陽を受ける

地獄も天国もない街道 ....
真っ白なノートの最初のページに
下ろし立ての鉛筆の先を押しつける
一文字も書けなかったとしても
はじまる はじまるよ
べっこう飴をなめながら
濃いめのコーヒーを口に含む
砂糖を切らしたわけ ....
ただ 遠い出口の丸い光が見えていたから


「それでは また」

ポツリ一言 質量を伴わない声では背の側に当たったことに気づかない

ひたすら光の穴に向かって空回りの歩みをす ....
ほどよく素っ気ない風が
袖をめくり上げたシャツを
透過していく

さらさらと粉っぽい光が
釣鐘堂の屋根を滑り
落下していく

手桶と柄杓と
線香と花と
いくばくかの懐かしさをぶ ....
指きりげんまん人間未満 あたたかいところ



つちのなかで ねむってる


どんなに 外がつめたくても


くらいひとところにまるまっていると


自然と あったかくなってしまう

 ....
大正生まれだった祖父が
復員してきた時 涙を流した
巻き鍵をお守りに持って 出征した
古い柱時計 曾祖母も大叔母も涙を流した


父は物持ちが良く
ガラスが黄ばんだ腕時計を
引き出 ....
       140921



空気が乾いた
鼻がむず痒い
花粉のせいだ
体調のせいだ
思想のせいだ
信仰のせいだ
方角のせいだ
地球温暖化が
糸を引いているのだ
賞味期限 ....
 
あなたとわたしの汗が滴る肌 舌をはわせてあげる

あえぎ声 はてるまで

何もかも とけてしまうまで



 
  蜻蛉は交尾をおこないながら
  我々の視界に掻き傷を残して飛ぶ
  川沿いに歩きつつ、我々は幾つかの砂州を見る
  明日にはまた違う形に変わっているだろうか



  まだ我 ....
公園で子供たちが遊んでいる。
今日はシャボン玉だ。
微笑ましく見ていると、私は自分が老いたのを感じる。
シャボン玉が魂に見えたのだ。

子供の咥えるストローからシャボン玉が生まれる。
 ....
埃っぽい一日が暮れかける
ゆくあてもない想いが影といっしょに夕闇に溶けて行く

ちっぽけな哀しみを手のひらで転がして
ため息にも似たつぶやきを繰り返す

幼い頃母に背を押されるようにして嫌 ....
僕が大真面目に詩を語るとき
きみは鼻で笑うかも知れない
確かに僕は馬を引き連れてオドケル
鎖につないだ烏帽子の猿たちを宙に回す
アンクルなつま先
底の抜けたブーツ
しかし考え ....
  敷き詰められるように並んだ
  黒い車たちは、なにものかの無意識の
  先遣隊としての役割を負っていた
  砂の詰った頭蓋で老人が嗤うが、
  可笑しなことは殆どひとつもない
  ....
不幸だからと詩を語るのは正しくはないだろう

幸せに足らないからと詩を描くのはもっと正しくはない

いまあなたが誰かを思うように

言葉はぶつかり合う陽子と中性子の悔塊

ひ ....
空に中秋の満月が上るとき
ぼくは見付けた

彼岸花が長い首を空に伸ばした根元に
仰向けに転がっているアブラゼミ
つい先ほどまで生きていたような
みずみずしさ

ひぐらしの声を聞いたのは ....
           ――K.F.へ

理由も目的もなく、理由や目的を作るためにあなたは生まれた。あなたはこれから生きるという不思議なめまいの中に巻き込まれていくが、全ては既に古く、同時にまったく ....
わかっているのだ
燃えるゴミは火・木曜日
かんとビンは水曜日
古布と資源ゴミは土曜日
でも、間違えたのだ
自治会の方がやってきた
ゴミを突き返し、怒るのだ
間違えた、やってしまった
そ ....
アロハシャツ着た霊となった 同級生が口を揃えて
「秋の匂いがするね」と言う
そういう香水、出ないかな
わたしは秋の人になりたい

タオルケットを洗濯して
毛布を一枚出してきた
敷布はパイル地
アンバランスで心地良 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14283)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
美しく作ってもらえなかったアンドロイドの気持ち- 北大路京 ...自由詩814-9-23
洗濯物と秋の風- まーつん自由詩15*14-9-23
君の微笑みは世界の何処かに- りゅうの ...自由詩27*14-9-23
かなしみ- あおい満 ...自由詩814-9-23
夏のアルバム- 夏美かを ...自由詩41*14-9-23
フェノメノン- 塔野夏子自由詩5*14-9-23
此処は館- 朝焼彩茜 ...自由詩13*14-9-23
車窓にて- 吉岡ペペ ...自由詩714-9-23
- 為平 澪自由詩8*14-9-23
祈り- 文字綴り ...自由詩214-9-22
さようなら若い日よ- 吉岡ペペ ...自由詩1314-9-22
新しい一日/即興ゴルコンダ(仮)投票対象外- こうだた ...自由詩7*14-9-22
果て- 芦沢 恵自由詩20*14-9-22
彼岸- nonya自由詩21*14-9-22
指きりげんまん人間未満- 北大路京 ...自由詩914-9-22
じねつ- つきのい ...自由詩414-9-22
発条- 藤原絵理 ...自由詩14*14-9-22
新しい一日- あおば自由詩10*14-9-21
はてるまで- 殿上 童自由詩22*14-9-21
砂州- 草野春心自由詩214-9-21
シャボン玉- ヒヤシン ...自由詩11*14-9-21
夕暮れ2- 梅昆布茶自由詩1514-9-21
道化- アラガイ ...自由詩9*14-9-21
先遣隊- 草野春心自由詩214-9-21
生まれ出るために- アラガイ ...自由詩9*14-9-21
九月のアブラセミ- イナエ自由詩11*14-9-21
誕生- 葉leaf自由詩314-9-21
テキトウに、生きる- うめバア自由詩14*14-9-21
アロハシャツ着た霊となった- 北大路京 ...自由詩214-9-21
秋の人- モリー自由詩6*14-9-21

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