ある日ふとおかあさんとおとうさんに
問わずにはいられなかった

「戦争ってそんなに悪いことなの?」
「当たり前のことも分からないなんて、そんな教育をした覚えはありません!」
「僕たちが平和の ....
冷たい夜に
むらさきとむらさきが向かい合う
岩の径を
音だけがすぎる


鉱と鉛の紙
指を回る火の震え
小さな鈴の音をたて
砕けるように消えてゆく


空の一部をち ....
君のうなじが
白くうつくしいので
ことばを失くし


つつじ柄の着物に
雨が落ちてくる
そっと和傘をひらく
しぐさに湿り気が帯びる


 四つ辻まで
 ご一緒しましょう ....
コトコトと煮物を煮る
人生にはそんな要素が必要な気もする

アンテナを高く張ってトレンディなことも必要なのかもしれない
誰もいっぺんには多くのことはできないから

天才でもないので特に高み ....
冷蔵庫をいつもの如く勝手に開け
これおいしー?とコンソメキューブを持って聞く

これはそのまま食べられないよと言っても
好奇心の悪質は止まるはずがない

ダメダメダメダメ!
カンシャク
 ....
母国語の外へ
逃げ出したくなるときがある
意味の染みこんだ服を脱ぎ捨てて
なんとなく笑っていたい
それはカン違いのようであればあるほどいい

ぼくの思想や肉体は貧弱でも
それが白日のもと ....
 広場の顔した 原っぱは
  住宅街の 一角にある
  四号公園の立札みせて
   
         そして
男の幼子は 黄いろの声で
     掛けっこを始め
 女の幼子は ブランコ ....
私に類似した何かが増殖する
濡れそぼつ
海からあがり
意味もないのに
安ベッドの上で
獣の皮を剥いだ

砂の夢
あぶなくて
息をした
昨日の新聞を
やぶり捨て
もっとたくさ ....
咲いた翌日から続く
低温と
強風にも耐え
寄り添って直立を支えあう

ある日訪れる真夏の陽気に
結束は緩み
感熱性の花びらは
ひた隠してきた
雌しべ雄しべの位置をも露に
くろぐろと ....
ところどころ染みがあったり
生活のほつれを永遠に修復の終わらない遺跡のように身体に
こびりつけたまま時に非日常の夢を見る

晴れときどき詩人みたいな気がする日には
あえて蛙の被り物を棄てて芋 ....
うすい影がゆれている

くちばしで
虫をついばむのだけど
やわらかな影であるから
獲物はするりと逃げてしまう
 {引用=命でなくなったものは
もう命には触れることができない}
それでも ....
 海を見ていた。
 港を行き交う人々の足音を聞いていた。
 岸壁に寄せる波の音に海鳥たちの鳴き声がかき消されてゆく。
 視覚よりも聴覚が敏感なそんな午後だった。

 海の色は藍色。
  ....
なにもかもが闇に向かっている
そんな錯覚に陥ろうとも
肩で風を切って
足を大地に踏ん張って
今日もまた
蒼い月を眺め
叫びたい心を抑えつけて
口笛を吹いて誤魔化す
濁った雲がトグロを巻 ....
優しく 優しく 優しくしたいのに ごめんね

電話の相手は不具合で私の灯火の余裕が吹き消されそう
テーブルの横でつかまり立ちを口を尖がらせて練習する弟
そしてやがて3歳になるお兄ちゃん ....
あなたをおもえなくなるような、

とばりが欲しい。


母を、父を、兄を、姉を、妹を、弟を、友を、師を、

家族という家族、親類社会たぐいの繋がりを、いったん綴じましょう。


 ....
瀧の夜
火を拾う指
音の無い径
水たまりの径


水の音は鈴
鈴の音は夜
夜の地図は水
光の指をひたす子らの声


火は火のまま底へと沈み
水面に言葉 ....
毛布のなかで
太陽が 頭をのぞかせた
わたしはまだ死んでいるから
もう一度 生まれなければいけない

脇腹から肩胛骨をとりだし
きみの白い項に移植する
行き場を失った うるんだ指 ....
夕暮れ時の寒い裏通り
透き通るくらい引き伸ばされた薄軽い 
ビニール袋の中には食材と
もう片手には人の身を覆い隠せるほどに巻かれた 
トイレットペーパーを持ち
返事のないアパートに帰る
  ....
葉が一斉に飛び立ちそうな
雨に濡れた朝
闇がかくれんぼしているので
一つ一つ見つけ出して行く
鳥が破裂して鳴き声として散る
そのたびに朝は時刻をよろめかせる
雨の音には距離がない
雨 ....
      裏庭に面した
   ガラス戸をあけると
冬のあいだ 我慢していた
   レィスのカァテンが
    待ちわびたように
 それは見事な波を創って
        (そして
   ....
その鍋に火を入れよ
その朝を始めよ

倦怠は凛凛と暁の空を巡り
焦燥は烈々と白髪を靡かせる
緩い歯茎は寒冷なる蒼天の下
せわしくその切れ端を鳴らし
火を抱える膝頭は既に下る階段を
斜め ....
2013-02-09(土) 00:25:24



分厚いゴム長。きしり、きしり、足跡をつけ、渡っていく。
見渡せば
たんぼはひろく、白い海原。
とおく、あおくうねる山々。
な ....
静謐なエクトプラズム

吐き出してみる?

花散らしてみる?

色で描いてみる?

週末の朝のルーティン


首をかしげて笑みを浮かべる人

黒い世界からあと少しで脱出だ
 ....
日射しにぬるむ木蔭に焼かれた
横たわるしろい肌
くるぶしを舐める犬の舌のざらつき
渇いていく唾液とこぼれる光は
すこやかにまざるばかりで手放しかたを忘れながら
あたまをなぜてやる

季節 ....
*エロス

熱い唇が夜に溶ける
重ねた皮膚は
殻のないぬめやかな二枚貝

弄ばれた魂が
半周遅れの月影に
しろい波濤を刻んでいる

脱ぎ捨てられた衣に
まだ残る体温が
生温い喘 ....
 ベランダの 屋根にころげた
          五月雨は
 (去年の柿の枯れ葉でできた)
  樋のつまりに さえぎられ
 卒寿のなみだの まねをして
     ぽっり ぼっり と
    ....
 自由を求めて彷徨う魂は蛍。
 夜の神秘を嗅ぎ分けて、集まる。
 静けさの中にちらちらと煌く光は
 あらゆる煩悩を消してゆく。

 今ここに在る事の意味を考える者は
 光に頼りを探し、 ....
かりそめの空間のなかで薄明るい滲んだオーロラを着ている
着込んでも着込んでも熱は一向に下がる気配がなく
ずっとひざのうえで幻想の猫が鳴いている

にゃーにゃーにゃー、
にゃー宇宙は

北 ....
静かすぎる昼 脳の鼓動
まどろみを吸う
冷たい蝶
左目と左手にはばたいている


斜めに巨きく横たわり
街を隠す羽があり
明るく淡く 数え切れぬまま
ただ風ばかり ....
応接間のおおきなガラス窓が雨ににじむ
雨ごしの庭って
おとうさんの画集にあった
モネのすいれんみたいできれい
ドガのおどりこはなんだかこわい

おかあさんは砂糖は骨がとけるという
おばあ ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
戦争- 田中修子自由詩9*17-5-24
白とける白- 木立 悟自由詩717-5-24
つつじヶ辻- かんな自由詩9*17-5-24
Police- 梅昆布茶自由詩1417-5-24
コンソメキューブ- 朝焼彩茜 ...自由詩1317-5-23
トロンプルイユ- キクチミ ...自由詩5*17-5-23
想いは枯れて- 信天翁自由詩317-5-22
砂の夢- 伊藤 大 ...自由詩217-5-21
チューリップが限界に気づく時- Lucy自由詩10*17-5-21
エピグラフ- 梅昆布茶自由詩12*17-5-20
水辺の魂- そらの珊 ...自由詩19*17-5-20
憂鬱- ヒヤシン ...自由詩6*17-5-20
向かう先は- 坂本瞳子自由詩4*17-5-20
怪獣と怪獣- 朝焼彩茜 ...自由詩1217-5-19
とばり_かたびら.- つきのい ...自由詩417-5-18
波と紋- 木立 悟自由詩917-5-17
蘇生- 伊藤 大 ...自由詩3*17-5-17
不在- 為平 澪自由詩217-5-17
雨の朝- 葉leaf自由詩417-5-16
五月の風- 信天翁自由詩817-5-14
その鍋に- オイタル自由詩317-5-14
冬に- 凍湖(と ...自由詩217-5-14
吐花- 吉岡ペペ ...自由詩317-5-14
五月の犬- むぎのよ ...自由詩917-5-13
エロスと憧憬- 白島真自由詩10+*17-5-13
五月雨- 信天翁自由詩217-5-13
魂を繋ぐ者- ヒヤシン ...自由詩5*17-5-13
宇宙暗黒物質言語域で何度も私ではないと遺棄されるものとは- 北街かな自由詩2*17-5-12
白と震え- 木立 悟自由詩417-5-12
子どもの澄んでる、のぞいてる- 田中修子自由詩7*17-5-12

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