手引きにそって
  あなたは杏の皮を剥ぐ



  かわいた頁がそっと
  透き通るように捲れてゆくと
  それが風のせいなのか
  陽の光のせいなのか分からない


 ....
煩わしい些事にまみれて
退屈と馬鹿らしさのなかで
諦めと悲しみにくれる日々

それでも
煩わしさのなかに
救いがあるように

諦めのなかに
優しさがあるように

些事のなかに
 ....
琉球の秋

感じるに尊く少しばかり

ここにも秋の巡る風は流れて来る

されど 蒸しる

太陽だけは涼しげ てぃーだかんかんのおぼろげな空

青は青にしか 収まり切れない 南の空
 ....
押入れにすわっていると
何も入れたくなくなる

だいじなもの
だいじなひと
すべてはもっていけない
しあわせがある
トイレに残ったペーパーを
見送る


おわりも
はじまりも
 ....
その道の先

途切れた先に海があり
海を覆って空がある
空のなかには窓があり
窓のなかには月がある

その月の先の暗闇に
えも言われぬ雨が降る

二つを分けた雨雲の
そのまた先に ....
あなたに感謝状を差し上げましょう

ありがとう!

宝石のような言葉で
私を輝かせてくれる
あなたは素敵なペテン師さん

ありがとう!

負けず嫌いな私は
いつも敵を作ってしまう ....
{画像=120921223131.jpg}


遠くに星が見えているように
人には遠く目指すものがあるのだと
その男は言った
目は漆黒の闇の奥の奥の
遠い輝きを見詰めていた



 ....
ここがセンタ

底抜けの青

森の色した舌を抜き
口のあるかたまりに食べさせる
らーーーーーーーって笑っている
魂あるいは
原子



ラヴ



手の中で数 ....
登りきれなかったエレベーターを空から眺めては
帰りきれない胸の巣穴に染みだしてくる虹灰色したシナプスネオン
躊躇いながらひたすら歩いた街の夕暮れ
恋人たちの肩を揺らすショーウインドウ/ ....
霧の深い夜が沈む僕を抱いていた
月は狂いそうに
白く美しいままだ
君は濡れた世界を
碧く淑やかな瞳で燃やしていた

鳥達も眠りについたばかり
誰も知らない僕等の夜だ
月は暫く眼を伏せる ....
お風呂から出て冷たいハト麦茶を飲んだら

一緒に冷蔵庫にあった昨日の味噌汁

明日まではもつまい

だからおたまですする

いつかの映画で囲炉裏に吊るされた鍋から

木のへらで貪る ....
毎晩
息をふきかえす恋情の手をにぎって
墓場へつれていく

そうして
同じようにして来たあなたと
抱き合ってから
墓を掘り返し
うめる
私に青が混じっているなら
何色でもいい
それは
荒れ狂う夜の海だったか
静かすぎる夜空だったか
それだけ
教えてくれよ



本当は水をよく含んでいたことくらい
あなたにもよ ....
どうにもならない夜の嵐

やわらかな心が揺れているの

でも不思議

それはいちりんの小さな花のよう

黄いろい花が揺れているの


舌たらずで饒舌なため息

ひかりは見えな ....
古いフィルムネガ
光にかざせば
見知らぬような

ああ 確かに私だろう

こびと専用の夜行列車の小窓の中で
かすかに笑っているようだが
それは条件反射の類だろう
本当に可笑しい時は ....
自信を
もつことはできないけど
もってもらうことはできるんじゃないかな

認める ってこと
応援の言葉はいえないけど

いってらっしゃい
たったひとことが
背中を押してくれることもあ ....
ねむる人から
わずかに死がにおっている

うなじにくちびるをつけ
愛してやると
その背中に
にじむように命が動いている

ねむる人よ
安らかに
いまは死のふちをなぞっておいで
お風呂の中で
私の人生とは
と考えた

考えたところで
とまってしまった

そういえばこれも
湯船という船だな
この船で旅に出れぬなら
どこにいても
どこにもゆけない

顔が ....
ぬるい陽射しに

すこし暑い秋の

ふかい水色の空


とぼとぼと

道をふりかえる

こどもの頃

どんな顔で

どんな夢を見て

歩いたのか


ぬるい陽射 ....
往来へでて
てきとうな影をみつけては持ち帰るが
どれもやはりあなたではない

晴れた日には
いつもより多くの影が行き交うが
どれもやはりわたしではない

くもりの日
沸点をこえた ....
茂れる樹々の葉の間
真夏の太陽 白い雲
小さな空に白い雲
公園の外はアスファルト
ゆらゆら揺れる路面の景色
権力者の膝元に
声を嗄らして叫ぶ人々
クマゼミの声より
ジージーと
子孫の ....
きょう
夕焼けをみていたら
いきなり空が
あかい舌をだした


空よりもずっと
遠いところ
飛行機にのって
バスにのって
橋も渡ったのに
ここは山ばかりなのね
と少女はいった
 ....
人にこたえられず
期待はずれ
生きてるそのもの
期待はずれ

空気が読めず
調子はずれ
書くべきうたも
調子はずれ

行く道の先
見当はずれ
標べもなくて
見当はずれ
 ....
もしも
かなしみのなかのかなしみで
そだつきがあるならば

そのきは
うみかぜのなかで
ぐっとねをはり
えだをすこしずつのばし
はなをさかせるだろう

そのはなは
きっと
すい ....
ここにひとつの傾きがあり
常にこちらに関わることなく
指から指へ歩いている
触れるたびに弱々しくなり
菓子に落ちて
ひとつ増える










 ....
あおぐ うちわ
木漏れ日 舞い
ついばみ 鳴く 白い雲

腰掛けて 揺れる
飲み散らかした花びら
風爪 斬り 羽織る
草の夢 露の戸

繰り言 湿るサンダル
絡む炭酸 甘く 指に
 ....
後ろ手に曲を奏でて鳴りおわったらさよなら
咲いたまま首を落とす椿みたいな朝

コンクリートのうえで
べらぼうに
赤く

どうしても開いたままの花弁が風に
痛い
自分の言葉にしか安心できない


眠る前に足で毛布を確かめるみたいに
こそこそ
これはちがう
それもちがうと
言葉をさがしてる

想う風景はあるのに
言葉がでてこない

一人だ ....
果実であると思ったそれは花弁であった
ひたすら内へ内へ花開いているのだ
そして紅く紅く熟れているのだ
いや、未熟な種と共に爛れているのだ
自らを限定してしまった
実の大きさのその中で
虚ろ ....
いのちみじかし
恋せよ乙女

頬を撫でるそよ風も
街の木々も
胸に焼きつく山の緑も
私にとってすべてが詩
心から心へ
伝わっていく詩には
壁など存在しない
遠く去ったあの人を思い出 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14283)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
手引き- 草野春心自由詩212-9-20
貧しいレゾンデートル- シャドウ ...自由詩212-9-20
琉球の秋- 朝焼彩茜 ...自由詩9*12-9-20
引越しと帰り道- 昼寝ヒル ...自由詩612-9-20
犬と鳥- ……とあ ...自由詩14*12-9-20
【_感謝状_】- 泡沫恋歌自由詩11*12-9-20
遠くに見えるもの_/__わたしはいつまでも分らないのだった- beebee自由詩28*12-9-20
チルドレン- 平井容子自由詩1012-9-20
XYZ…- アラガイ ...自由詩7*12-9-20
僕の夜- 智鶴自由詩412-9-20
冷たい味噌汁- 灰泥軽茶自由詩8*12-9-20
うめる- はるな自由詩512-9-20
ノクターン- マーブル自由詩6*12-9-19
やわらかな心- 吉岡ペペ ...自由詩412-9-19
銀塩写真- そらの珊 ...自由詩14*12-9-19
いってらっしゃい- 朧月自由詩412-9-19
ねむる人- はるな自由詩812-9-19
船旅- 朧月自由詩412-9-18
すこし暑い秋の空- 吉岡ペペ ...自由詩812-9-18
- はるな自由詩6*12-9-18
デモ……言いたい- ……とあ ...自由詩8*12-9-18
やまぶどう- yo-yo自由詩1412-9-18
期待はずれの人- シホ.N自由詩112-9-18
風葬- 青色銀河 ...自由詩8+12-9-18
ノート(ふたつ)- 木立 悟自由詩312-9-17
伏せ字_渡る野- 砂木自由詩25*12-9-17
赤く- はるな自由詩212-9-17
風がうたう夜- 朧月自由詩912-9-17
無花果- マチムラ自由詩8*12-9-17
祈り- 渡辺亘自由詩712-9-17

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