「ないしょだけど」
           木の若芽


草木や鳥が好きで好きで…
空と雲が好きで好きで…
こういう話を始めると
わたしの目は緑色になり
髪から葉のついた蔓がのびてくるの ....
坂道の途中
ぽつんと一つ、ゴミ箱一つ
昔ながらの黒いゴミ箱
黒く塗られたゴミ箱一つ

ゴミ箱の蓋に
膝を抱えた子供が一人
ぽつんと座り
虚空を睨む子供が一人

唇咥えた子供が一人
 ....
  銀色の泥棒が気配を殺し
  しとしと駆けてゆく
  暢気なマーチのような
  秋枯れた並木道



  なにか、この先必要なものを
  玄関口に忘れてきた
  そんなふう ....
希望はどこにある
学校では教えない
学校では平等を熱心に教えるから

紙面を探している
昨日までの絶望が長く語られている

今は夜ではない
だから空が静まっている
おしゃべりな残像は ....
アミン大統領の食人気質は
如何ともし難く
側近のムガベ君(仮名)だって
デザート用に取っておかれただけで
明日はホイップクリームまみれの身かもしれない

わたし待つわ
いつまでも
待つ ....
やまびこは
いつだって待っている

誰かが
自分の方へ
声をくれるのを待っている

やっほーに
どれだけの意味があるのか
ないくてもいいし
もちろんあってもいいのだが
ただ
や ....
月が青くて
やけにざらつく夜は
次の昼間に
訃報が届く

大きなカセットを
持て余しながら
余生のたるみを
巻き上げるんだ 昔は、君も俺も少年だったな

ヴィデオホームシステムブル ....
ふたつの色の丸が見えると
きみはしずかに笑いはじめる

先端のなくなった世界で

分厚い空気をくぐり
人びとが屋根をたたみだす
鳥が
まっさかさまに飛びだしてゆくと
いよいよきみ ....
どこか遠くからきたりんごが
台所に座っていた

母親が小言をいう
父親がだまってテレビをみている
そんな普通の家庭に
憧れる私の目の前に

この時期しか売られないんですよ
売り場の女 ....
僕は子供の頃金太郎飴がすきだった
でも一緒に暮らそうとはおもわなかった

金太郎飴よりは
それぞれ違ったいろいろな飴が
食べたかった

あまり関係はないが古い知り合いの井上さんは
 ....
それはつややかで
長い眠りを経て
化石が光輝く石になるように
半透明のクリスタルのように濡れて
小さな歯茎から芽を出した

そろそろと目覚め始める頃

歯のない人生にさよなら
歯のあ ....
あしたの朝
夢を拾おう
ほんとうの空気を
呼吸できるように

息をしてる間に
きのうまでに見た
悲しい夢さえ
昇華されるように

時計のベルが鳴り
次第に目覚めゆく
駅へと ....
からっぽの溝に鳥が死んでいた

学校の帰り道

それだけでしょんぼり出来た

世界は知らないうちに壊れていた

世界はこころそのものだった


誰彼かまわず挨拶していた

た ....
かけた心を
また探してここにくるけど
あきらめ気分で

ページはめくらないと終わらない
つまらない小説みたいに
行間がやたら広いから
うまらない
逃げ出そうとする
心 居心地悪い
 ....
私の指はとても不器用で
目の前にあるものを掴むのに時間がかかる
だから誰かがサッと掠め盗っていってしまったり
のんびりしすぎて消えてしまったりする

ビルの谷間に逆立ちで歩いている
理想郷 ....
すべらかな曲線の感触を
薬指は覚えている
残り香は闇にほどけて
薄らいでいくというのに

互いのささやかな湿度を
夜ごと貪り合った
決して同じではない温度が
夜ごと擦れ違った

 ....
健全さという 毒を飲んだら
ことばが すべり落ちた
仮面の外側を 冷や汗のように すべり落ちる

常識という 毒を飲んだら
ことばが 抜き取られた
他人の口に 語られたように 抜き取ら ....
紅くてちりちりした涙が枯れ果てる

オレンジ色の小さな花の

フルーティな抹茶みたいな香りが

ぼくらの世界を席巻している

それはグーグルアースにも映らない


道をゆく者たち ....
秋空のした二人の生活がはじまるのですね
おめでとうございます

こけつまろびつ行く二人三脚のような人生もけっこう味のあるものです
ときにふたりの関係が風邪をひくこともあるでしょう
でも長引か ....
感謝を忘れてしまいがちの平らな便り ふけらない思考

のどかなパノラマは それでも進みを輝かす

許されない訳ではなく 忘れても ふと思い出された太陽時計の夕暮れ

薄紅のパノラマは 感謝 ....
離乳食

自立の一歩

母さんのおっぱいは

少し寂しくなります

いつまでも

吸血鬼で

可愛い可愛い鬼で

いて欲しいのは

母さんのわがままです

きみは
 ....
あたしゃ
あんたに{ルビ殺=あや}めて欲しい

年とって皺くちゃ婆になって
医者に命を盗られるくらいなら
いっそ
ここで殺しておくれ

女にとって幸せなことは
きれいなうちに 
惚 ....
空に飛ばすもの
紙飛行機
手から与えられた動力だけで
人には真似できないことを
いとも簡単にやってしまう
おまえはいつだって軽いね
たった三秒の空中飛行に
まさか私が希望なんて
重たい ....
夏休み最後の日曜日
娘達を連れて出掛けた『ツタンカーメン展』                          

それまで静かに私の後をついて来ていた下の娘が
王妃の小像の前で時突然口を開い ....
  金色の水がつたうと
  かたく四角いその壁は
  栗鼠のようにまるくなる
  ひとびとの話す声が
  物陰にひしと隠れる秋  
  きみの舌は木枯らしをつかみ
  それからねむ ....
わたしはかなしみに愛されているんだ
と確信した夜があった
抱きしめてください
とわたしは言った

かなしみはそっとわたしの許に降りてきて

降りてきて

隣に寄り添って理由をたずねて ....
シュッと宙に向けて突き出した切っ先が
目に飛び込んできた
暗い展示室にひときわ輝く一振り
研ぎ澄まされた刀身が
強いスポットライトを跳ね返して
銀色の光を放っている


思わず吸い込ま ....
東の空のしたで彼女が孫と祈っている

彼女は自分のために祈ったことがない

だからぼくが代わりに祈り守ってゆく


同じ時間よ

それだけが

欲しかった

同じ空間よ

 ....
さんざん笑ったあとで
壁はつめたく白く
空はかたむいて灰色だ

さんざん笑ったあとで
どこへも行かれずに
手をのばしては
見知らぬ肌をさがしている
想像してごらん
額に猫を載せて歩いてゆく人を

想像してごらん
通りを横切る犬の大きな糞を

想像してごらん
派手なミニスカートをはいた金持ちの貴婦人を

想像してごらん
パレード ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14252)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ないしょだけど- 木の若芽自由詩312-10-13
空き家- ……とあ ...自由詩11*12-10-13
玄関口- 草野春心自由詩512-10-13
希望探し- 朧月自由詩412-10-13
愛しのアミン大統領- 花形新次自由詩112-10-13
やまびこ- そらの珊 ...自由詩10+12-10-13
Video_Home_System_Blues- 竜門勇気自由詩1*12-10-13
笑いはじめる- はるな自由詩312-10-13
りんごの夢- 朧月自由詩912-10-12
金太郎飴- 梅昆布茶自由詩16*12-10-12
野蛮人にお成りなさい- そらの珊 ...自由詩7*12-10-12
夢の駅- シホ.N自由詩412-10-12
少年世界- 吉岡ペペ ...自由詩1812-10-12
小さなこたつ- 朧月自由詩412-10-11
アヒルのピーッて鳴るやつ- カマキリ自由詩712-10-11
月の滴る夜- nonya自由詩21*12-10-11
abuse- 月音自由詩312-10-11
宇宙には届かない- 吉岡ペペ ...自由詩412-10-11
結婚する君に- 梅昆布茶自由詩1612-10-11
忘れた頃に動く太陽時計- 朝焼彩茜 ...自由詩612-10-11
離乳食- 小原あき自由詩12*12-10-11
【_情死乞_】- 泡沫恋歌自由詩7*12-10-11
フライト_シュミレーション- そらの珊 ...自由詩11*12-10-11
ツタンカーメン展と娘- 夏美かを ...自由詩18*12-10-11
秋の夢- 草野春心自由詩912-10-10
わたしの部屋- もっぷ自由詩1212-10-10
斬る- 渡 ひろ ...自由詩21*12-10-10
彼女が孫と- 吉岡ペペ ...自由詩1212-10-10
さんざん笑ったあとで- はるな自由詩412-10-10
想像してごらんイマジンをージョンの誕生日によせて- ……とあ ...自由詩18*12-10-10

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