夏の終わりに芽が出た
タネなしスイカの芽

「おいしい! タネなしスイカ」
なんて表示してあったのに
割ったスイカには
遺伝子の反乱で 何粒かの黒点

「過剰表示やんねえ」
なん ....
少し照れくさそうに
藍の浴衣をまとい
そつなく束ねた髪にボタン
待ち合わせの立ち姿
初々しさに微笑んで

夏の夢のはじまり
人々は吸い込まれていく
太鼓の試し打ち
高揚する心
かき ....
毎日同じ事の繰り返しだけど
たまに自分でも予期せぬ事が起きると
繰り返しだと思っていたこの毎日が
少しだけ違って見える
少しだけどそれが嬉しくて 楽しくて
もう少しだけ生きてみようかなと想う ....
盆の入り
スーパーの店先にはたくさんの花が並んでいる
私は小さな白菊を一束買って
位牌も仏壇もないアパートのテレビの横に添えた

命の儚さに狼狽え
己の傍観者面に辟易し
せめて大切な人を ....
大きく重くやわらかい
三角形のパンの塔を
月あかりの径に倒してゆく
眠りに至らぬ眠り気を
眠りはひとつ抱き寄せる



(ひとつ 嘘をついていますね)
はい パンの塔 ....
空爆と聞いて
耳を向けなおす
空からぱらぱら爆弾が降ってくるのかと思ったら
今では空から砲弾が狙いを定めて飛んでくるようだ
お人好しの爆弾、意地の悪い砲弾
どちらが御気に召しますかの声が幽か ....
あの日、体のどこかで真夏が沸騰し、けたたましく蝉の声が狂っていたのだろう。
大きくせり出した緑の中で、無心に巣作りをする脳のない虫どもの動きが、この俺をその世界から削除しようと仕掛け ....
縁切り神社に俺の名前を書いた絵馬 たとえばこのストロベリーキャンディーが
私の心臓だと言ったら
あなたは口に含んで舐めて溶かして
身体の一部にしてくれるだろうか
それとも捨ててしまうだろうか

甘く感じてくれて
最後は噛 ....
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言葉はいつも
戸惑いながらやって来る
曲がりくねった道を通って
日常の生温い闇をすり抜けて

言葉はいつも
恥じらいながら ....
静かな朝だ

車も走っていなくて

風の音色だけがオーケストラのように

小さくなったり

大きくなったりしていて

皆がそれに耳をすましている

今のうちに買いものをすまして ....
幅わずか20cm足らずの白線に仕切られた世界は真逆の世界
私のわずか右の世界では皆
私がいた過去に向かって進んでいく
私の世界は誰もいない
皆私の右側の世界を進んでいく
まるで私の未来から皆 ....
指が忘れない電話番号現在使われておりません 花火の上がらぬ街に線香花火ポトリ フレッド・ブラッシーの
噛みつきによって
グレート東郷が流血してから
今年で52年目になる
テレビを見ていて
ショック死した
犠牲者を追悼するため
8月18日(刃の日)の噛みつき記念大会 ....
頭の中に眠っていた蝉が摘出された冬
ぼくは石になった

意識は確かにあるし 五感もしっかりしている
でも
転がっている

新しい臍から注入される食事と薬
定期的に交換される下半身
 ....
私の長い名前を
思い出してください
雨が降り続く日に
倒された草花や
咲かずに腐る蕾の声が
聞こえた気がしたら

私の長い名前を
呟いてください
風が吹きやまぬ日に
ちぎれた花びら ....
壁の隅の夜を
蜘蛛のかたちの水が昇る
ひとりの蜘蛛が
従者のように着いてゆく


緑の坂が八月を擦る
指は棘 長い長い棘
水の抵抗に反り返り
鍵盤の主に突き刺さる

 ....
ここんところ
物忘れが多くなった
年のせいにしたくないが
やっぱり年のせいか

特に人の名前を失念してしまう
テレビタレントは元より
知り合いの名字さえ出てこない

先日も
道で女 ....
せわしなく魂を洗う

生身のまんま立ち止まる

永久なる過去より聞いている

蝉の鳴く緑のほの暗さよ

ゆくりなく道を行く


遠く消えゆく波間に

空を見上げる

天使 ....
忠犬に黒歴史を掘り返されている   一日中、
  こわれた雨樋をみていた
  網戸にささって死んだ虫をみていた
  あなたがこのよにいきているなら
  わたしがしぬことはぜったいにない
  わたしたちのなかで 言葉 ....
しをかんがえる。
詩をかんがえる。
死をかんがえる。

詩は、
死の鏡
人は死ぬ瞬間に
必ずひとつの詩を残す



ぽとん、
グラスのなかの
水に赤い汁 ....
今のところ、
雨漏りバケツ半。

溢れることはない。
自信がある。

長雨は、
天井裏に住んでる奴らの糞塊を
丹念にドリップしてくれる。

「凛子、コーヒー的のが、入ったよ。」
 ....
なくなる 
なくなる 
いずれ




いなくなる
いなくなる 
いずれ




ならば 
悔いなく




悔いという悔いを焼べて
 ....
大雨洪水注意報
彼女に涙を流させてはいけない
そのあとですごく経費がかかるから

落雷警報
電気ショックで何かが復旧するとは想わない方がいい
普通のひとは死ぬ

落石注意
気がついた ....
仕事を終えて
アパートの玄関を開ける
先日
酔いすぎてもどした
消化途中の言葉尻が
まだ
黒ずんだ上がり框に
飛び散っている

向かいの棟の方から
チリチリと音がする
数日前か ....
蝶の道のように
川を遡る魚のように
潮が満ち引くように
陽が昇り落ちるように

鳥が巣に帰るように
私はこの家に帰ってくる

もしもあなたがこの家から居なくなっても
ここが私の戻る場 ....
{引用=


とてもおなかがすいたので、

おおきく口をあけてみた、

すると小魚たちが、

つぎからつぎへと、

のみこまれていった、

ぼくはくじらだったから、

か ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
西瓜- 藤原絵理 ...自由詩614-8-13
まつり_をどり- 自由詩5*14-8-13
少し- リィ自由詩2*14-8-13
白菊の香り- ichirou自由詩15*14-8-13
ノート(嘘と絵本)- 木立 悟自由詩614-8-13
空爆- あおば自由詩10*14-8-13
発芽- 山人自由詩6*14-8-13
縁切り神社に俺の名前を書いた絵馬- 北大路京 ...自由詩714-8-12
「ストロベリーキャンディーの心臓」- 桐ヶ谷忍自由詩18*14-8-12
パンデミック短歌1- 花形新次自由詩114-8-12
ロックン・ポエム- nonya自由詩24*14-8-12
台風の間- 灰泥軽茶自由詩714-8-12
センターラインの右側の世界- ichirou自由詩17*14-8-11
指が忘れない電話番号現在使われておりません- 北大路京 ...自由詩714-8-11
花火の上がらぬ街に線香花火ポトリ- 北大路京 ...自由詩414-8-11
噛みつきにこめられた思い- 花形新次自由詩214-8-11
白夜- 草野大悟 ...自由詩2*14-8-11
私の長い名前を- Lucy自由詩14*14-8-11
降り来る言葉_LXVII- 木立 悟自由詩614-8-11
【_物忘れ_】- 泡沫恋歌自由詩19*14-8-11
ゆくりなく道を行く- 吉岡ペペ ...自由詩714-8-10
忠犬に黒歴史を掘り返されている- 北大路京 ...自由詩514-8-10
雨樋- 草野春心自由詩814-8-10
『鏡』- あおい満 ...自由詩514-8-10
雨漏りバケツ半- nemaru自由詩2*14-8-10
いずれ_燃え_アルケー- komasen333自由詩3*14-8-10
CAUTION_!- 梅昆布茶自由詩25*14-8-10
空洞- 飯沼ふる ...自由詩514-8-9
「サイクル」- 桐ヶ谷忍自由詩13*14-8-9
テレビしかみなかったひに、- mugi自由詩5*14-8-9

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