そこには空き地が広がっていた
小さな空き地ではあったけれど
空の眺めは最高だった
スピスパスパパ
スピスパスパパ
近くの町工場の音が
雲の流れが幼い私を
ベル ....
なんにもないのが嫌で
空疎な行為を義務化する
一文字
次にまた一文字しるし
空白をうずめて いく
自分を生き埋めにして
いく みたいだ
苦しいけど 中毒的 ....
薄れかけた痛みがまたリフレーンする
足を引き摺るように
黄金色にぼんやり照らされた坂を駆け上がっていく
瞳孔に白金のかけらをちりばめた少女が、
繭を、
採りにゆく。
....
のびたりちぢんだりする時間のなかで
きれいにした足をそろえて泣いている
破綻した物語を
書き続ける
老人のようなきもちで
空のピアノを見ましたか
ほら・・、
二重橋のような、おおきな虹のことです
ト音記号と、ヘ音記号のついた
おおきな、虹
ドは、どこにあるのかなって
迷いませんか
ふしぎなことに ....
昼下がりのファミレス
奥まったテーブル席
初老の婦人が
ぽつんと一人
一人 ナポリタンの遅い昼食
ゆっくりと彼女は
飲み放題のコーヒーを
啜る
そして 静かな店内に目をやる
....
僕たちはかつての関係を修復することはできない
それは時間に奪われたから
関係は必ずしも修復を望まない
ときに修復は困難をともないその努力を裏切るもの
すべてのものすべての凍った息を溶か ....
料理によって人を救った。
嬉しい。上手くできた。
誕生日にプレゼントする。
喜ぶ顔が見たい。
苦しんだが良い事をしている。
手紙を添えて
愛情添えて
笑顔を添えて
僕を信じてく ....
ストックをつくりたい
せっせと
余計なことを考えず
動物も集めてる
眠りにむけて大事なものを
足りない という想いは
満たされることはない
まだまだ
まだまだ
その作業は安心 ....
{引用=
掠れた息をつくように
ベッドにそっと
言葉にならないものを吐いたとき
その言葉にならないものはすぐ露のように朝の陽にきえた
あの日のあの雲にはもうであえな ....
いわれの無い 悲しみは
こどもの頃の 押入れの匂いがするから
布団のすきまに押しこんだ
この目は きっと赤
ともだち
と いう響きの電話の声が
「いまから 出かけない?」と ....
浴室にこおろぎがいた
おまえ、どこから入ってきた?
こんなところにいたら
いずれ泡にまみれて死んでしまうよ
ここは地獄のお湯屋だよ
どこの世界にも
ちゃんと生きているつもりでも
なぜ ....
小さなおさかな
群れをなし
用水路のなか
泳いでる
稲刈る田んぼ
土の匂い
もみがらのやま
焦げる匂い
もんしろちょうに
黒あげは
しおからとんぼに
ぎんやんま
....
仕事 変わって と
頼むよりはやく移動してくる人
ちょっと待て この間この作業は向かないと
変わったばかりなのに また少し嫌や所にふられて
そそくさと戻ってくる 私は あっけにとられる
....
「ゴローちゃんの時と違って本気なの」
「私は貴方が好きなのよ、どうなのよ!」
「好き好き、私のタイプ」
「友達じゃ嫌だ、恋人でないと。」
昔の事だ。優秀でかっこよく痩せていた。
未来も輝 ....
皆に振られ
もう誰も好きになってくれ
ないのではないか
そう思うときがある。
明日から仕事が始まる。
自分には務まるだろうか?
不安を抱え
人に怯え歩いてゆく
神様が最善の道を ....
落下する一滴の体液
足下に舗装された道が広がる。
一滴の体液は一滴の水ですらなく
足下を潤すことはない
アスファルトに吸収されることもなく
側溝に流れる粘り気のある体液
全て虚 ....
朝
かまきり が袖を引く
貧弱な鎌をカフスに突き立て
出勤する私を引き留める
そんな鎌じゃ 草も刈れまい
まして人間なんて 狩るもんじゃあ ないよ
生地がいたむから
その鎌 どけておく ....
丸みを帯びた 秋の空に
猫のヒゲも丸みを描く
床に伏せて そのまま 目やにをつける
区切れない流れる 耳鳴りではない 時の音に
丸みを帯びて 天へ還ってゆく秋の空
ふきだし ....
真夜中
娘の背中をさすりながら
ただ一心に祈る
他に何も要らない
何も要らないから
ただこの子の咳を治して下さい
今この瞬間にも
地球上のどこかで
同じように子を抱きながら
....
{画像=120911010820.jpg}
ベランダから花火に興じる親子が見えた
遠くで見る花火は寂しい
家族で花火をすると必ず
兄弟で取り合いになる花火があった
必ず最後に ....
かっこつけるなよ
近道が知りたいだけだろ
かっこつけるなよ
身体が欲しいだけだろ
楽して生きていたいんだ
泥をかぶるのは御免だ
ババを引くなんていやだ
若いままでいたいんだ
責 ....
泣きたくたって泣かない
笑いたくもないのに笑う
言いたくもないことを言い
言いたいことは言わずにいる
その哀しみから逃れるために
僕らは今夜、旅に出る
言葉なんかい ....
遠い遠いあの月を
強引に引き寄せて
無理にでも抱き寄せて
眠りの深い底まで
落ちていってしまいたい
待っているんだ
あの闇のもっと先に
私生活でも社会でも
人を助ける力がぼくにはなかった
雨雲が垂れていた
胸には錨が下りていた
人は自分で決めたいのだ
水色の空が
向こうには広がっている
....
死がない
僕は死に
想いを馳せる
僕のまわりに死がない
僕は死人に恋する
が愛といえるか
僕のまわりは真空状態
人や言葉がない
そして死がない
僕に死を
僕に死への ....
おそらのりんとはれたひは
かみひかうきをおりませう
どこかできっとなひている
おともだちまでとぶやうに
おれたらそっとおくりませ
かぜがひゅうとはこびます
まどからはなれゆ ....
逆立ちしたくなって
雲の底をひっくり返して
ごっちゃんですの青い空鍋
てんやわんやのこの前の出来事も
ごっつり煮詰めてしまえば
薄味醤油がたっぷり染み込んで
こってり泣き虫だっ ....
生き過ぎて
置きどころのない身を丸め
世界じゅうの
音を聞いていた
気持ちばかりが散らかってゆき
世界が
どんどん狭くなる
それから、立ち上がって
なにもかも行き届いた ....
雨あがり
ひたひたとどこかで
小さな眼が
光っているようだ
きっと虹を隠しているんだ
あいつら
カナヘビたち
すこしずつ
空の時間をずらしている
気をつけるんだな
光ってい ....
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