「悪いとは思うが、預かってはくれないか。」


故郷の母に。
同窓の友に。
馴染みのあの人に。
寂しそうに笑う君に。

いつか引き取りに行くから。
押入れの奥でも良いから。
部 ....
  老人が籾殻を焼いている
  見えそうで見えない光のような匂いだ
  空は青く、少しあどけない
  わたしという言葉はもう
  ここには似合わない



  赤茶けた四角い煉 ....
     そのひとは俯くことをせず
     まっすぐに前をみていた
     履いているジーンズはうす汚れ
     家路をいそぐ人々が乗る電車の中
     ぽっかりとあいた空間
    ....
食べ終えたからだには
波のあと
後ろ手に作曲したふたりは朝を拒んで

花は咲かない 実もならない
良い香りがするわけでもない
冬がくれば死んでしまう草みたいに
あるかなしかの根をから ....
秋のほんの少し気取った風に公園のコスモスが淡く揺れる。
黄昏時に語らう恋人たちは私にささやかな幸せを運んでくれる。
感情の昂りを抑えるために訪れたこの公園の静けさはちょうど良い。
私の嗅覚は ....
 言葉は釣針
 この胸の泉から
 秘めた思いを、釣り上げる

 言葉は銃弾
 憎しみを込めて撃ち
 いつか、その報いを受ける

 言葉はスパンコール
 貧しい心を飾りたて
 目抜き ....
すべてがそよともせずにそこにある
流れるものからとりだされる静止画

こんな時間もいいとおもう
背景はつねにうつろいとどまることはない
いっしょにながれるのもいいさ

でも自分のなが ....
帽子をかぶって座禅していると

子供の頃 電車に乗っていたことを思い出す

ガタン ゴトン と

その音が



手に握っていた トマトジュースに突き刺さり

その味を  いっ ....
ベランダの端に
長いこと積まれた
植木鉢の底
一対の鍵

名前も知らない
美しいふたり

命日に生まれた
どこにも行かない
面影をさがす
さよならを歌う

秋の陽射し
ゆっ ....
夏が甘い言葉でさそう
からみつく夏の手が情熱的に
かの女のからだを愛撫して
いちまい一枚服をぬがす
かの女は身もこころもすっかり魅せられ
とろけたバターのようにあらわな白いからだを
朝、ベ ....
それ以上は もう

あなたのおしごとではありません

ペパーミント

そうですね いまのわたしには

あの深みどり色の 喉を辛く焼く液体が

このうえなく大切なだけですから ....
くだものまるごとのみこんだ
ひとくちめで水がうまれて
ふたくちめに街がうまれた
もうひとくちはいらない

だれかの世界にこぼれ落ち
やわらかい素足に踏みつぶされて
かたちを失って色は破裂 ....
    それは声にだした途端
    ひび割れ砕け散る
              
    鎖のようにつなぐもの
    絡まる蔦のように
    知らずに互いを
    縛 ....
記憶を消されて過去に生きている ひとつずつ
酸っぱい思い出を
口にしてから食べると
より甘く感じる
けれど
三つめの思い出で
泣いてしまいそうで
味がわからなくなる
その種は花を咲かせて
実もなるけれど
その ....
支柱にありがとう、と言った

夏のあいだじゅう
あなたが支えてくれたおかげで
私は安心して背を伸ばし
太陽に近づき
あおい葉を繁らせ
たくさんのこどもを生むことができた
赤い血がしたた ....
にわか雨の後に風を読み
電線に止まった鳥がきれい、
だというならば
ガードレールの影がのびてゆき
おどろいた猫の目がきれい、
だというならば
たくさんの小さな色が花びらに
とけ込んでゆく ....
  向かいの家の窓から
  女が身を乗り出して下を見ている
  左手になにか小さいものを持っている
  それがなにかまでは見えない ここからは



  コンセントに埃が溜ってい ....
風と光
肌触りと眼差し
雲と微笑
素っ気なさとほつれめ

先週より軽い靴音
長袖シャツの袖口が気になる
温かいコーヒーを飲もうと
財布を探った手が
ポケットの温もりを探し当てた
 ....
輝く想いを
お気に入りの
箱にいれて

静かに
鍵を
掛けましょう

胸に抱いて
ゆっくり
頬擦りしてから

心の海に
そっと
沈めましょう

落ちて
落ちて
底に ....
  朝がいそいでいる
  子の笑う声のような
  光たちを小脇に抱えて
  ガラスの球は真ん中から
  はっきりとふたつに割れた
  きみが急に
  うたうからだよ
  ゆうべ見 ....
午前五時。満たされた心に筆が泣いている。
家を出て川辺に立ち、今は何も語らないせせらぎが時を刻む。
頭にぽっかりと穴が開き、そこに寂寞が広がるのはなぜ?
こんなにも心は満たされているのに。
 ....
なんにもない場所で佇んでいる冬とは対照的に
待ち望まれていた秋がシャンデリアのもと自意識過剰に笑みつつ
深夜の鏡に自分を映し深紅の薔薇へのまなざしをして
まだ気がついてはいない

季節風すら ....
証拠を埋めたシャベルの音が残っている おばあちゃんは栗をむく
背中を丸めて栗をむく
かたいかたい栗をむく

息子にも
娘にも
孫にも食べさせたい

むいたほうが食べやすい
ただそれだけで
もくもくと
真剣に

一 ....
溶けてくるのは腰?
いや、そうではあるまい
それは、キャベツであったはずだ
あるいはお前そのものであったか?

みかんの骨はおそらくは蝶になるのだろうが
蝶の飛ぶ空だけは残して欲しい
願 ....
たわんだガラス窓をひたすらに登ろうとしている羽蟻を見ていた。
同じ動作を飽きもせず繰り返している。
彼はなぜその小さな背に生えている羽を使わないのだろう。
よく見るとその羽は見る影もなく疲れ ....
 一

 夜の水平線が
 両の腕をさしのべ
 その手で満月を挟み

 嘆く空から引き離し
 海の底に沈めた

 光が闇に溶けて
 波の下に燃えつき

 殺風景な夜空に
 取り ....
散る為に咲くその姿
折り摘まれしばし綻ぶ

咲く為に地にしがみつき
季節の風をうけとめて
けなげとは
このことにあると言わんばかりに

誰につたえることなく
自らの ....
星のみえない夜にも
星は存在する
風にふれない丘にも
風は存在する
あなたが消えたあとにも
あなたは存在しつづける

両のてのひらを
まるくして合わせる
透明な卵だよ、ほら
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
心を置いてきた。- 瑠依自由詩313-9-30
籾殻- 草野春心自由詩813-9-30
辿りつくまで- 石田とわ自由詩16*13-9-29
波のあと- はるな自由詩413-9-29
癒着から生へ向かう- ヒヤシン ...自由詩7*13-9-29
言葉にまみれて- まーつん自由詩8*13-9-29
- 梅昆布茶自由詩26*13-9-29
- 八男(は ...自由詩313-9-29
away- mizunomadoka自由詩713-9-29
夏に恋する乙女- 寅午自由詩213-9-29
シングス- 芦沢 恵自由詩20*13-9-29
ピオーネ- かいぶつ自由詩1313-9-29
ふたり- 石田とわ自由詩13*13-9-29
記憶を消されて過去に生きている- 北大路京 ...自由詩413-9-29
ピオーネ- AB(な ...自由詩613-9-29
秋別れ- そらの珊 ...自由詩17*13-9-28
きれい、- 左屋百色自由詩15*13-9-28
鈍行列車- 草野春心自由詩913-9-28
9月28日_晴れ- nonya自由詩22*13-9-28
_- りり自由詩413-9-28
せわしない朝- 草野春心自由詩513-9-28
しののめに立ちて- ヒヤシン ...自由詩10*13-9-28
たとえば九月みそかの- もっぷ自由詩713-9-28
証拠を埋めたシャベルの音が残っている- 北大路京 ...自由詩913-9-27
まんなかの栗- 朧月自由詩613-9-27
溶けてくるのは- 草野大悟 ...自由詩2*13-9-27
ある社会の中で- ヒヤシン ...自由詩11*13-9-27
波の下の月- まーつん自由詩11*13-9-27
- 梅昆布茶自由詩20*13-9-27
わたしが消えたあとにも- そらの珊 ...自由詩22*13-9-27

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