一人、
部屋にうずくまりながら
深い海溝に墜落していく
そこには冷たい水のかわりに
闇だけがある

孤独、果てしない孤独
膨れ上がる世界と
縮んでいく自分

エゴに押し潰される自画 ....
キミが折った舟が
わたしを載せて
すべるように小川を下る
冬にさしかかれば
時間が凍らないようにと
祈る
どこへ向かっているのか
きけばよかった
それはたぶん大切なことだったのだと
 ....
 頭の内側から小さな手が生えて
 目の玉を内側からひっくり返す。
 黒目が僕の脳内を観察している。
 まだ手遅れではない。

 頭の一部分を小さな手が刺激する。
 耳の奥からがさごそ音 ....
思い違いをしているのではないか

君は寝床に身を横たえているのではなく
もういつの時代に作られたのかも
さだかではない古い古い風呂桶の中に
身ぐるみ剥がされたままの素裸で
(しかも生温い蒟 ....
 
川が近づいてそっと入っていく
金属くさい くさい 私と
その鎖のつながりあるところまで

この世が終わるなら私ひとりだけ終わっていいと
いつも思っていた        いつも思っていた ....
花を踏んで地面に押し花を
つくりあげる
しろい脚ばかり順繰りに
刈り取っていましめ
白金色の湿原には
ゆらゆらと
あおい目のさかな
とうめいな躯
背骨と心臓
透かしてみずにと ....
  心と所作と雨の答え



雨 雨 あがるな

心を砕き続けてよ
痛みを 忘れないように
鮮やかさたちには血の色も
数多の原色 心が染まる
その危うさに 恐怖に飲まれ
明日の自 ....
忘れていたことを
ある日ぽっかりと思い出す

潮が引いた砂地で
貝が静かに息をしているでしょう
見ればそこかしこで
生きていることを伝える
そんな穴が開き始めて
私の足裏とつながる
 ....
 届いた風の便りに耳を傾けると冬の音色がした。
 煤けた樅の木に電飾が灯った。
 静かなメロディーが部屋中に染み渡った。
 心の状態に合わせて蝋燭が揺れていた。

 窓の外は雪だった。
 ....
放り出された左手は
ゴロンと転がったまま
流血することもなく
その細長く美しい五本の指が
微動だにすることもなく
ただそこにそうしているだけで
いついつまでも眺めていたい
芸術作品のよう ....
ほんのりが合間を縫ってココアを持たせた
降らない結晶を望みながら 
20年前の手の艶やかさを思い出しながら
ハンドクリームを細かい溝に落としてゆく
心は歳を取らない
鎧の全ては時間に ....
レモンよ

お前はどうして

人を殺めるほどに明るいのだ

私の胸の中に溶け込んで

明くる日も明くる日も共に暮らさないか


レモンよ

だけどひとたび中身を開けば

 ....
針先で突き刺した
指先から
私というひとつの海を
絞り出すように
私は激しくもとめている
あなたのその、
果てない闇の底に
うつりこんだ私を

あなたは一匹の魚だ

つかまえよう ....
木枯らしが冬を引き連れて
醜い獣を呼び覚ます

魚の腹は濡れた月
涙は水底真珠となりて
ころころ転がり心と成った
夜更けに泣いて震えてる

か細い枝に三日月刺して
滴る孤独の蜜舐める ....
此岸から彼岸へと
車の葬列が往き過ぎていく
勝鬨橋の寂しいど真ん中
ぬばたまの闇色鏡を
滑っていくあれは屋形船か
はたまた精霊船だろうか
城塞の如く聳えるビルの窓には
煌々と点された幸せ ....
月白色の街に降りてみた。

寒色の気持ち。

暖色の気持ち。


両方を持ってきた。


灰色が無い、私。
あってもいいのに、
曖昧。が身を助ける、ことだって有る。

 ....
美貌の横顔を真青に埋めて
寂しげな眼差しを遠くに投げる
翼が欲しいと叫びたい心は
襟の白線で縛り付ける
黄金の前髪が耳へかけて描く波は
柔らかに繊細を奏で
そして僕は思い知る
手が届くこ ....
公園の写真を川に流し
波乱を飲み頭に尽くして
夕日の中から影を取り出す
山の踊り 蝶の渇き
鳴らす座り方を立たせる

焼きたての咳を我慢し
通り道を夜にするさるすべり
支えるものが支え ....
 黒い指先でノートに描く空想は踊る。
 悲しみのインク、苦しさのインクはすぐに消えた。
 快楽のインク、喜びのインクだけがノートに刻まれる。
 夜は静かに更けてゆく。

 ノートに綴った ....
 異教の里で出会ったのは魂の遍歴だった。
 彼や彼女が生まれ、死に、そして生まれた。
 前世の記憶が正しければ、私はハーブ売りで彼女はほんの少女だった。
 そして二人でいびつな小窓から覗いた ....
 ため息交じりの朝、風はそよぎ、鳥は歌う。
 ベランダに用意されたささやかな食事。
 葉を落とした木々が静かな影を落としている。
 すべてが謙虚な幸せに包まれている。

 注がれた珈琲に ....
失くした雨傘は
どこへいったのだろうか

降り出した雨に打たれて
ふと、そんなことを思った

雨はどんどん強くなって
雨宿りをせずにはいられなくなった

軒先から滴る雨のしずくが
 ....
都会に行けば田舎に帰りたいと泣き
田舎に帰れば都会が忘れられないという
両親と恋人を秤にかけるくらいの、
推し量れない淋しさと重さを見ていたら
安住の地は無くなった

量り売りが ....
蛇に出会えない
泉の滸(ほとり)にいない

けれど 硬い 蛇の兄弟の
運命への抗いを 忘れないで

見渡すこの街の遥か西方で
もつれ合うことを嫌った抵抗が
太陽に飛び込み自殺を図っ ....
肉体の、
肉体の檻が邪魔だ
空間をよぎって その声は
いつも私を焦らせる

部屋を暗くして闇にうずくまる
部屋の心音と私の動悸が重なって
あらゆる、存在に理由を付けたがる私の思考が
膨 ....
ちょっと難しいことを

百人の私達の中に
セイウチの数を数えよう

セイウチは足が早くて
あっという間に廃れてしまう
ので

そんな
セイウチの仲間に おのれを数えよう
おのれを ....
冬のはじまりを
ことばにしたくなった
ときすでに、

むかし話のように
ふり続くゆきのような、
文字のられつ

呼ばれなくなった
なまえを口ずさむように
くり返し、くり ....
 午前のアトリエに光は射し、人はいない。
 淡いキャンバスに薄くデッサンが描かれている。
 海だ。
 透明で純粋な世界がそこにあった。

 時間と空間の概念をその筆に携えて、
 その海 ....
いのちは
こころのかたすみで
ふるえながら狂っている
枯れた木が
記憶だけで
まだ水を吸い上げようと
こころみているように


まともなあんたは
ひびわれた ....
飴を、舐める。
眠る。
私は眠る。
光に満ち溢れた戦争が起こる。
身体の不調。
調性。
波に濡れた身体。
私は私から零れていく。

ニューロン
夢を集めて
逆さまにする

遠 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
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はじまりをことばにしたくなった- かんな自由詩5*17-12-2
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銀河- 由比良 ...自由詩817-11-29

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