幾重にも重なったチャコールグレーの雲模様
ハッヒフヘホー
バイキンマンが登場する定型場面みたいな
重すぎて緞帳になれなかった布地みたいな
そんな今朝の空を額縁にかける

やがて大粒の雨
 ....
希望は罪かも知れませんが
止められなかったのも事実
急ブレーキの跡が生々しいです
轢いてしまった感触だけがあって
亡骸は何処にもありません
私は空を見上げます

制限速度は誰のためにある ....
観葉植物を真似るクリームソーダが
夕焼けに溶けていく
散々

カフェインに浸れた
町角で
段々
赤い花を咲かせた
砂漠の
あるいは密林の植物がひけらかす
肉厚な葉のように
ク ....
椀に触れたことのないくちびる
樹液のにおいのくちびる
人を知らないくちびる
ひとりを生きてゆく手のひら


人の姿をした冬の
はじまりと終わりが並んで立ち
木々が途 ....
赤ちゃんを引っ張りだすように大根を抜いていくかあちゃん
タオルを風に飛ばされても大根の泥をはらいしなやかに太陽にかざすかあちゃん

袋売りの切り干し大根にしか興味のないあたしは中立を気取る麦 ....
1.蜂蜜

海のむこうの国から
はちみつを買うきみに
くたばれと思っても
しようがないね

トースト

冷めちゃって、

可燃ゴミにて
代謝する
えいえんに腐らない日々 ....
剥いた蜜柑の爪跡が地球の裏側に勃っている
朝と見間違うかのような崩落
焔は零れる砂となり
紐を抱くとも数式の最後尾に綴じられる

消えそうな会釈で靴を脱ぐ
前室は輪郭に満たず、水没した鏡に ....
空虚が扉を叩くので
愚かにも私はまた、
鍵を開いてしまうのです

生まれたての悪魔は
私の恋人達を連れ去っていきます
暫く経てば私を忘れて
皆幸せに暮らすのでしょう
(きっともうすぐ春 ....
不気味なぐらい静かな部屋
麦茶が発狂する

女が愛撫の練習
男は射星の訓練

惑星を孕むのか、布団の上で

そして彼女は
冥王星の母親になったのである

気が付けば 寺小屋の ....
しゃくりあげる2月
スカートはフレアして
びどうだにせず濡れる校庭
友引のある日
メラニズムを引き起こす電車にのって
わたしたち
ちぎれてしまう

耳たぶだけになったら

という ....
青い青い夕暮れ、イチョウの葉が金の鳥となり羽ばたいてゆき
「おつきさま こんばんは」と絵本の言葉で
三日月指さす この子の目はきらきらしている
月のおそばにいる あかるい星は
燭とり童というん ....
網にかかるのは風に騙され
流れ着いたポリ袋
それとも詩の振りをしたがる風が
書き散らしたメモ書き

アパートの一室で
誰にも知られず
死んだ男の履歴

携帯電話を所持していても
誰 ....
張り巡らされた枝の投網を
小鳥はすり抜ける

月の形に貼られた和紙が
空の水色を透かし

細い絵筆を並べたような
ポプラの ....
丘の上には公園があり
たくさんの日曜日が植わっている
真っ白な小さな手が花のように開き
その上に我が物顔で日曜日が
乗っている
自転車を押して登らなければいけない
花梨がまだ実を手 ....
昨日から
降ってはときおり止んで
降り続くから
朝か夕か分からなくなる
冬の雨は
うすぼんやり温かい
雪になりそこねた雨に
ずっと昔にも出会ったことがある

時間のあわいのような色の ....
 
                

冬の地下室へ下りていく軟らかい階段を
見つけられない影たちが
窓枠に囲まれた薄闇の奥にたむろするので

もうないはずの衝動に駆られ
割れて逆さま ....
海の見える窓は
花瓶と 古びた鉛筆の
水中のような色の部屋だ
幸せを運ぶリモコンで
僕は そして
テレビに目を閉じさせられていた
過ぎた日の でも 僕は
友達の残した言葉に微笑んでい ....
冬の分厚い雲にとざされた
細胞内共生説
のような太陽の下を歩いていると
ロケットに括り付けられた
葉緑体の
気分だ
真空空間はエナメルのペトリ皿
おれは
スポイトの
遊星で爆発する
普段は気にも留めないのだけど
ふと気づくと
時があっという間に過ぎている
それにはしっぽも前髪もないので
つかまえることができない

天気予報では雪だったのに
外れてただ寒いだけの日にな ....
凍てつく明けの宵
痛い位強い風の中
揺らぎ燃える炎を見ていた
暗い空気の間で
所在なくぼんやり手をかざしていると
子供の頃に商店街で毎日見かけた
もうこの世にはいない煙草屋のじいちゃんが
 ....
雨粒が描く横顔
花弁 花芯 青空 花嫁
緑の浪に吼えるもの
朽ちた舟に咲く光の輪


星の渦のなかの横顔
誰にも到かない微笑
空は動かない片翼
分かれては出会う分かれ ....
安心して
砂糖は入っていないから、と鳩がささやく

なのに甘いのはどうしてなんだろう
さがしてみたって見つかりっこない
にごった沼
シュガーレス
脳内で変換された甘さ
日々何かに誰かに ....
おだやかすぎる静止画
雲さえ止まってる
コンビニまでならんで歩く
とうに背を越していった娘の中に
小さな娘が見え隠れする
つかまらない鬼ごっこ

今日の空から降ってくる光は
束になって ....
赤い夕暮れがくると
鴉がぶつかってくるから
フェンスで囲われているマンションの
窓にさらに
夕暮れシャッターをおろして
すき間から覗いていると
数万の鴉が空を覆う

どこからやってくる ....
それは自分が発した小さな声の反響
何度も何度も岩にぶつかり
誰かの心に跳ね返り
大きく育って
戻ってくる
私が生んだ子どもです
だから私が引き受けなければならない
彼らを駆除し根絶する事 ....
破片が総合される月には
僕はたぶん接ぎ合わせるために

ちっちゃな経理係を呼び起こして
ちょっとだけ仕事をしてもらう

小欲知足
サブスクリプション

仮説と証明と検証
とってお ....
温度差 
価値観
わたしとあなた

言い回し
言い方
ストレート
カーブ
オブラート

同じ空間で互いの事をしている
繋がったその空間が時に 捻じれ歪む 醜い心を産みながら
愛 ....
心臓の奥に
腕が三本あって
それぞれ違う形のナイフを持っている

見えない未来を切り拓くもの
一秒前からの過去を切り刻むもの
「綺麗な刃物を所有する」だけのもの

三本の腕は互いのこと ....
ぱきん、と割箸を高く鳴らして倒れ込んだ障子のはらの
ほのあかるい幕の内にのはらはやがて冬になります。
傾いた布越しのトルソーです。
私を囲うのは錆びた有刺鉄線と烏瓜の蔓が織りなす
そそけた{ル ....
雨戸を閉めようとすると
足音もなく猫がやってきて
そのレールの上に座る
木製のレールは
約束されていたようにすでにささくれだっていて
座り心地はおせじにもいいとはいえなかったろうに
猫は
 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
そういえばキミはバイキンマンが好きだったよね- そらの珊 ...自由詩9*21-2-15
潮風- 妻咲邦香自由詩421-2-15
コーラのちコーヒー、所によりクリームソーダ- 末下りょ ...自由詩5*21-2-14
こがね_みどり_いのち- 木立 悟自由詩321-2-13
大根狩り- 末下りょ ...自由詩3*21-2-12
ひとところにわたしのための愛をあつめる- 平井容子自由詩621-2-8
カーネーション- 妻咲邦香自由詩321-2-6
孤独の成り立ち.二- 瑠王自由詩721-1-31
射星- 死紺亭柳 ...自由詩321-1-31
火炎- 平井容子自由詩421-1-27
夜、夜- 田中修子自由詩721-1-27
変死- Lucy自由詩7*21-1-25
光の春が- Lucy自由詩8*21-1-25
同一テーマにおける3つの変奏「てがみ」- すいせい自由詩321-1-23
あわい- そらの珊 ...自由詩9*21-1-23
地下室へ下りる階段を- Lucy自由詩7*21-1-19
別荘の部屋で- 番田 自由詩321-1-14
冬の惑星で- 道草次郎自由詩221-1-8
小箱- そらの珊 ...自由詩721-1-7
明けの宵に- Giovanni自由詩821-1-3
八季巡夢- 木立 悟自由詩321-1-1
シュガーレスの沼- そらの珊 ...自由詩420-12-30
冬の散歩道- そらの珊 ...自由詩720-12-29
夕暮れシャッター- 田中修子自由詩3*20-12-25
レイシズム- Lucy自由詩320-12-24
サブスクリプト- 梅昆布茶自由詩1220-12-22
茶番に食われ- 朝焼彩茜 ...自由詩320-12-18
心臓の奥- 三月雨自由詩4*20-12-14
幕の内弁当- 吉兆夢自由詩120-12-13
冬猫- そらの珊 ...自由詩4*20-12-12

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