すべてのおすすめ
いっこいっこ
感情を取り出して風にさらせ
解体してルーペに乗せて
顕微鏡もっと下さい

いっこいっこ
欲望を取り出して陽にあてろ
白日の鑑賞会
羞恥で炎上

いっこいっこ
記憶を ....
人知れず
誰もが皆
哀しい背中を持つ

喧騒に背を向けて
明日に
愛に
夢に
破れて

人知れず
誰もが皆
闇底の住人

哀しい背中のそのままで
明日を
愛を
夢を
 ....
今宵もそこいた猫と
今宵もそこで会釈する
怒りも悲哀も肩こりも
わたしは淡く溶けてゆく

何度か変えてもみたけれど
帰りに飲むのはこのお店
過ち、不条理、肌荒れも
わたしは淡く溶けてゆ ....
世界の
まんなかにいたのに
すみっこにいた
すみっこにいたのに
まんなかにいた

風向きひとつ
陽射しの強弱
空腹感
あいまいで ただ
わたしにすっと落ちてくるもの

巣のない ....
かぼちゃのスープ
あったかい
しみるねえ
ほんとしみます

垂らしたものが
世界を侵食していく
産み落とされたものが
世界へ踏み出す

僕と別離しない僕
いちばんの他者
今度君 ....

あっちとこっちの
境い目をうとうとしているとき

聞こえてくる鳥たちのさえずりに感情を撫でられる
透き通った優しい手

昨夜の波立ったわたしが嘘のように
帰って来たわたしが
少し ....
雨に濡れた路面が
世界を映し出す
あいまいな
黒い世界
行き交う人々の
足音に表情はない
遠くに延びる
路面の先に
視線をくべる
前途が
黒く輝く
燃え上がる
感情を取り除かれ ....
雨が降っている
傘を持たずに出てみようか

そうして 遠くへ
瞳を閉じる

必需品を持たないということ
あるべきものがないということ

首をもたげて揺れる草
雨粒が重たいんだ

 ....
ロウソクの火、
消してください
やった
向かい風
風化しちゃえ、
今までの僕
飛んでけ、
お前なんか
くずおれて
剥がれ落ちて
溶けて
無くなっちゃえ
やった
向かい風
ロ ....
デスクに透明な小瓶を置いて
飴玉を入れて
口に放る
ため息がこぼれそうなとき
舌打ちしそうなとき
くたびれたとき
暇なとき
忙しすぎるとき
話題のないとき
何も考えていないとき
考 ....
赤ちゃんだった頃
家でぐずり出したぼくは
ベランダに出すと
外の風に当てると
不思議と必ず
機嫌を直したらしい

出かけよう
洗い流しに行こう
いろいろなことは
頭から投げ出して
 ....
眠れぬ夜
眠られぬ夜

コンビニ行こう
なに食べよう

月は遠く
君も遠く

むしゃむしゃむしゃり
むしゃむしゃり

眠れぬ夜
眠られぬ夜

風は冷たく
素っ気なく
 ....
正しさ醜さにくたびれたときひもとくもの
たとえば詩集

靴紐を解いて
靴下を脱いで
握り締めていたものが失われ
冷気にじかに触れ

はだしだ
ぼくははだしだ

裸体 その尊さを噛 ....
書くことで
いま
始まるかもしれない
もちろん何も
始まらないかもしれないけど

始まりも終わりも
あいまいに漂っている
生も死も
そのときには
わからないのかもしれない

知 ....
君の知っている僕が
僕のすべてであるはずがない

僕の知っている君が
君のすべてであるはずがない

人が数え切れる程度の多面体であるわけがないし
ましてや表と裏だけで構成されているはずが ....
ひさかたぶりに日を浴びた
しわがれた藁半紙の香り
言葉が輪郭を失いそうだ
雨音が遠くに延びる

鏡を見ていると危うくなる
手のひらで骨格に触れてみる
わたしはこの形状で
外縁で保たれて ....
そろそろいい歳なので
生意気になるべきだ
自分が自分になるための
いさかいはとことん受け取るべきだ
世界の一員である前に
自分自身であるべきだ
生意気でなければ
こんな男に価値はない
 ....
でもよ
でもよ
いつもの店で
でもよが口癖のおじさんが また
でもよ とつぶやく
おじさんの
でもよ は
たまに逆接で
ほとんどが順接だ
あることを言うために
ほんの少しのためらい ....
何も問わず
静かにそばにいて
開くといろいろ語りかけ
連れて出してくれる
風邪のときも
不機嫌なときも
どんないでたちで
こころずまいでいるか
何ひとつ問うことなく
僕がどうでも
 ....
気泡が足下から
ひとつ またひとつ

空は青く 高く
吐息は湯気に消え

あれも
これも
思うに任せず

思案は
湯船に溶け

答えなんか出ないまま
日付だけが変わっていく ....
わたし

その器から

人間があふれ出す

あとになっては

思い出せもしないことで

ふいに気持ちが弾け

嗚咽する夜がある

灰色の日常に染められ

瞳も心も淀んだ ....
ほめられたくって
書いたってしかたない

ほんとは少しは
ほめられもしたいけど

自分はこんなふうだった
そう 残したい

長く生きるかもしれないし
そうじゃないかもしれない

 ....
絶望

この気持ちには

そう名づけるほかないのか

ざく ざく

目覚める者もまだだろう

夜明け前の残雪を踏みしめ

ざく ざく

終わり

その言葉が

何度 ....
うまれた刹那
自覚なし
消えゆく刹那も
わかりやしない
いつも誰かが
何かにつけて
いみ
を勝手に
手渡すけれど
始まりも
終わりも
ほんとは曖昧
滲んでる
りくつ
へりく ....
日の出前
生命以前の静寂
ただ刻々
事実だけが降り積もり
上滑りしていく感情
淀んだ意識のまま
時間をやりくりし
このような自分だ
と凝視する朝
いちゃもんを
自分で自分に
つけ ....
紅葉のこぼれ落ちた

駅前帰路の並木道

車の往来は失われ

したたか飲んで帰る夜更け

等間隔の街灯の

ぼんやりした厳冬の下

黄色い色した清掃車は白煙を上げ

箒を手 ....
夜と朝の

境界線は

音もなく

やさしく引かれ

月の輪郭は

あわく

ほどかれ

いつのまに

僕らは

しんと

立たされる

夜の長さと引きかえ ....
めーだいまー

めーだいまー

電車で子どもが叫んでいた

駅名が踊り出す

乗客に笑みがこぼれる

明大前

よりなんかいい
おなかいっぱいだからいま本読むとたぶん気持ち悪くなる

書店を回遊しているとき耳に入った女子の台詞

そんなふうに思ったことはなかったけれど

満腹だと確かに本は読めないかもしれない

 ....
明かりども近づくな

残酷な街明かり

孤独が

影が

輪郭が濃く

刻み込まれる

できたばかりの傷跡に

秋の夜風が吹きすさぶ

明かりども近づくな

すがる ....
ただのみきやさんの三田九郎さんおすすめリスト(53)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
いっこ- 三田九郎自由詩213-4-27
哀しい背中- 三田九郎自由詩413-4-25
とろとろ- 三田九郎自由詩3*13-4-25
満ち欠け- 三田九郎自由詩513-4-24
しみる- 三田九郎自由詩2*13-4-23
起床- 三田九郎自由詩113-4-23
黒い男- 三田九郎自由詩313-4-21
再確認- 三田九郎自由詩213-4-21
道連れ- 三田九郎自由詩113-4-20
魔法の小瓶- 三田九郎自由詩4*13-4-11
風浴び- 三田九郎自由詩413-4-11
肥ゆる夜- 三田九郎自由詩213-4-8
きぐるみ- 三田九郎自由詩413-4-7
救いのために- 三田九郎自由詩6*13-3-5
奇跡- 三田九郎自由詩513-3-3
輪郭- 三田九郎自由詩813-3-1
種火- 三田九郎自由詩513-2-25
でもよ- 三田九郎自由詩6*13-2-16
- 三田九郎自由詩5*13-2-12
銭湯- 三田九郎自由詩4*13-1-26
- 三田九郎自由詩5*13-1-24
宣言- 三田九郎自由詩4*13-1-22
再び- 三田九郎自由詩213-1-19
- 三田九郎自由詩412-12-22
いちゃもん- 三田九郎自由詩7*12-12-22
落葉回収車- 三田九郎自由詩312-12-15
希望の朝- 三田九郎自由詩4*12-12-8
明大前- 三田九郎自由詩212-11-29
愛情の胃袋- 三田九郎自由詩212-11-29
傷跡- 三田九郎自由詩2*12-11-28

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