ひんやりした部屋の鴨居(かもい)
黒い額縁の若い女に寄り添った老人
の真新しい写真に目をやり
タンスの引き出しを開ける
引き出しいっぱいに満 ....
我が家には
クイーンサイズのベッドと
アッキーの為のロフトベッドがあります

わたしがずっと寝ていた時には
社会人と起きている時間がずれるので
和室に布団を敷いて寝ていました
 ....
いつまでも

生身。
の、おんなでいたいと願うなら

恋をするべきなのだろうか

けなげにもまだ疼く
下はらの臓器

ここにあるの
と主張する

と、裏腹に 枯れてゆく ....
体重計にのれたなら 勝利
のれないなら 敗北
豚の体脂肪率は十四パーセント程度と聞いて 愕然とする
そうすると 私は豚ではなく 
豚よりも ぷるるんとしている 

ひ ....
青空の描かれた箱庭の中で
或いは、人と時の消えた大都市で
僕はたったひとり歩いている

終わりのないこの場所で
あの日見た夢の続きを
まだ探している

皮膚は{ルビ嗄=しわが}れて
 ....
 

棺は静かに炉に入り 錠が下ろされた。
男は 合掌している彼を扉の横に連れて行き
ボタンを押せと言う
「それが後を引き継ぐあなたの役目だ」と

うなり始めた炎の音を確かめ控え室に戻る ....
 

病室に眠る人の腕に滴下する液は
機能を失った腎臓をすり抜けて全身を潤し 
枯れた膚に青く透けるような艶と張りをみなぎらせた

目で合図を送って廊下に出た医師は
一緒に出た家族に覚悟 ....
新緑がこころに刺さる季節は君と手を繋いで歩きたい
野辺の花を愛でながら世界をいとしく思うことだろう

背に負った荷物も軽くはないがそんなものこの五月にくらべればなんでもないんだ
大地からの息吹 ....
父が商人になったきっかけは
一本のから芋の蔓だったのです
長男だった私は
そんなことを弔辞で述べた
そばで母や妹たちのすすり泣きが聞こえた

その前夜
父はきれいに髭を剃ってねた
どこ ....
真夜中に

回るプラスチックの白馬たち

振り返ることなく

たてがみを立てて前へ進む

くるくる回る

それはとてもまじめで

見ていると苦しくなる

どこかへ向 ....
あれはまぼろしだった
晴れ渡った夜の空
一つみつけた美しい輝き
とても嬉しくって
毎晩窓を開けて眺めてた
あれはほかの星とは違って
あれはとっても特別で
どこが
って言えないけれども
 ....
山奥の沢
大きな石の上に寝転がっていると

こんぽろりん
こんぽろりん

遠くの方から小さな
木琴の音色が聴こえてくる
私は少し調子の外れた
しかし心地の良いその音に導かれるように
 ....
羽化したばかりのモンシロチョウの
おぼつかない羽ばたきが
風にあおられ

じりじりと後ずさる濃い霧の中を
触角も羽もなく這いずる夜も

誰かの仕掛けた銀色の罠に
迂闊に絡めとられる朝も ....
胸骨のなかが冷え込むと
やはらかき草のうへに横たはり
全身の痛点を耳にして
よみへ続く覆水の
砂礫に混じる星屑が
ふれ合う金属的な響き
を聴きつつねむる。

*

その響きは
地 ....
あれは
寒い寒い真冬の朝だった
ある郊外の
数十年前に廃墟と化した
黒ずんだコンクリートの
ボーリング場の駐車場で
不法廃棄された八〇年代の車の中で
暖め合おうとするかの ....
涙を練って
甘くしたみたいに
空から温かい匂いがする

涙を流せない
木が
風に触れて話す

ぴよぴよと
黄色い花が
鳴いている

どこかに涙を隠している
だから、こんなにも ....
果たしてひとつの抗議であり得るだろうか
もしかしたらそれは命に対する敗北ではないだろうか
       (略)


               快晴という空虚

 ひざっこぞうを
       陽にかざし
 

        飛行機雲を一本引く
ないものねだりをするように
斜陽を写真に閉じ込める

ないものねだりをするように
野良猫に餌をやってみる

ないものねだりをするように
愛想を振りまき生きている

羨望や焦燥は
 ....
猫が三角になる寒さ 光は淡い
私は愁いを分泌する

花が咲いている
白の黄の 紫の花が咲いている
私は愁いを分泌する

ちいさい蝶たちも舞っている
私の目には見えないけれど
きっとちいさい精たちも
こ ....
布の鳥が鳴き
ほどけては地に落ちる
六角柱の空が
球になろうとして震える


砂煙の夜を
すぎる猫の背
二色をわたる
赤子の息


花のように立つ銀河
白は白 ....
時の流れは
遅いと思えば遅い
早いと思えば早くなる

夏にした花火は遙か彼方
思い出せば昨日のことのよう

夜桜の下で線香花火する
華やかな桜の花は
静かに様子を見守ってくれる

 ....
君だから話したいいつまでもすべてを
玉葱の皮を剥くように何重にも纏ったかなしみをすべてを

春なのに風はまだ冷たいんだ暖めて欲しいから
僕は自由なんて要らない君のそばにいたい

奸計は ....
ポケットのついた服を着ている
あわてて後悔を隠すため

間違っては訂正を繰り返し
ポケットはいっぱい

夜にざららととりだして
テーブルに並べる
色はあせているけど
今日の景色だね
 ....
山桜を眺めると、落ち着いてくる 
白い花々は、何処かうつむいているから。 

山桜を通り過ぎると、落ち着いてくる 
派手さは無く、思いをそっと抑えているから。 

遥かな国の方向へ 
さ ....
あなたが誰かとはやあるき

誰かのことばに足をとめ

ちがう顔して笑ってる

むかしの職場にいまいます

ほされた先輩威張ってます

意地悪上司の気弱な顔

誰かのことばに微笑 ....
                  130428



これが僕の車だよと
ミニ四駆を摘み出し
机の上にひょいと置く
走り出した鈍色のミニ四駆
揺れ動き ....
となりのレジのほうが可愛かった 空のどこかが
解けて
みずが零れる



モノとコトの上に
容赦なく
みずが注がれる





ぬるんだ雨は
葉っぱを揺り起こし
やわらかな雨は
根っこにじ ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
儀式3_追葬- イナエ自由詩6*13-5-1
ベッドルーム- 鵜飼千代 ...自由詩12*13-5-1
生身- 森の猫自由詩17*13-5-1
やわらかい、かわいい、きれい- るるりら自由詩15*13-5-1
現実- 莉音自由詩4*13-4-30
儀式2_移入- イナエ自由詩4*13-4-30
儀式1_喪失- イナエ自由詩4*13-4-30
五月の音- 梅昆布茶自由詩18*13-4-30
弔辞- yo-yo自由詩1513-4-30
メリーゴーラウンド- かかり自由詩313-4-30
熱病- もっぷ自由詩613-4-30
山女の木琴- 灰泥軽茶自由詩9*13-4-29
風読み- Lucy自由詩12*13-4-29
全身の痛点を耳にして- 凍湖(と ...自由詩413-4-29
錆びた世界の朝- ホロウ・ ...自由詩1*13-4-29
はるがきた- 小原あき自由詩9*13-4-29
自死は- HAL自由詩3*13-4-29
春という椅子に座って- 空丸ゆら ...自由詩1013-4-29
ないものねだりをするように- 茜井こと ...自由詩3*13-4-29
猫が三角になる寒さ- 北大路京 ...自由詩513-4-29
春の分泌系- 塔野夏子自由詩3*13-4-29
水と応え- 木立 悟自由詩413-4-29
四月の花火- 夏川ゆう自由詩413-4-29
君と話したい- 梅昆布茶自由詩1113-4-29
ポケットの中の風景- 朧月自由詩513-4-28
桜並木の川_- 服部 剛自由詩8*13-4-28
哀しい夢から- 吉岡ペペ ...自由詩413-4-28
生き残った夕暮れがいる橙の窓の灯- あおば自由詩8*13-4-28
となりのレジのほうが可愛かった- 北大路京 ...自由詩513-4-28
穀雨_(こくう)- nonya自由詩23*13-4-28

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