唇にできた黒い証を、
たくさんの指が掠めていった。
黒い証は、
誰の手にもぬぐいされはしなかった。

ある日、
舌に同じように、
黒い証を持つ人に出会った。
彼は私の唇を目で掠めていっ ....
  硬質な
  紙片ではない
  タクシー


  そして
  という語の
  尻だけを追って
  山猫


  観葉植物としての
  わたしは
  遣られている水の ....
体型のわるい売春婦

こころのなかの

ダルタニアン、スペインの丘、風車小屋、

青いひかりが氷のうえに射す日まで


なんねんが陳腐

いまだけが説得力

あの方たちから見 ....
叫びたい花の襞が、
指先を突き破る。
突き破られた、
指の皮膚から噴き出した、
花の汁が、
タールのように暗い、
色とりどりの世界を描いていく。

傷つけあうことで、
構築された暖か ....
わたしは
粒で出来ている

粒は
かなしみも
ぜつぼうも
知らないまま
ただ
あたえられた時間を
あたえられるままに
はずんでいた

ときおり粒は
とどこおる
たとえば寒い ....
       つつじが丘のひだに
       住みついて 三十年
       いま 卒寿となって
        しんみりとおもう

    九十の齢(よわい)の歩みが
   (おかげ ....
小さな歯車の音が降る
遠くへと去る足音も
積もりつづける夜の光も
淡い動きに満ちてゆく


光の器の心は欠けて
路面電車の灯を見つめ
ひとりの子が
ふたりの声で歌 ....
詩を書けば
空よりも青く
哀しみにも負けない歌声がある

ほら、耳の聴こえない男の子が楽しそうにみてる

片足の不自由な女の子は必死に両手を振っている

みつめれば舞台の上で ....
暗闇に漂う一本の手首のことを考える
指はすべて揃っていて
爪には土と苔がこびりついている
どこか山蜘蛛のようでもあり
それは実際に一匹の生きた蜘蛛である
さよならだけ上手になっていた

忘れようとして

懐かしがるだけ

もういらないや

さよならの練習だいぶしたから


愛は時間のことだ

時間の無駄と感じるなら

愛も ....
まよう
答えを探している
息子とじゃんけんをする
勝っても負けても
答えを見つけることの間違いを
教えられる
あいこでしょ!

障がいについて
伝える日がくること
世の ....
すれ違うためのいくつもの道が用意されている
君がどの道をたどるのか知らない
そのため受け取ることのない手紙は書かれ続ける
愉快だが退屈な時間が流れる

雨が降る道を器用に選んで避けた
ふと ....
 ハンザギは
 のっそりと
 重たい頭をもたげた
 ハンザギは
 のっそりと
 重たい腰をあげた


 今宵最期の一晩に
 挨拶回りをしましょうと
 鮎も
 岩魚も
 カワゲラ ....
風は光と影に囁き
透明な空気を細やかに主張した
何故なら
ある歌の中では 黒が白となり
ある叫びの中では 赤が青になるからだ
透明感のある言葉は一体どこに隠れたのか

人の主張は圧縮され ....
    きさらぎは昼さがり
     北風の挑発もなく
    ふゆびのさざなみは
ベランダのひさしをすどおり
 やわらかなひかりとなって
 おだやかに三和土のうえで
  尾っぽを引きずっ ....
土を盛る山がある
堪えきれないのは地表
雨水は迷に沿い斜面を削る
それでも汚濁を飲んできた
流れのない水は澱んでしまう
掻き混ぜれば底に溜まるだけで
腐蝕するのを待っていた
ここに湧 ....
きょうも西の空が豪勢だ

あしたは白髪のたぶん雨

長澤まさみが歌っている

弱気な悩ましが冴えない


廃工場で殺しあうぐらい

存在証明は誰かからの愛

見失うぐらい叫ん ....
愛しているという言葉
好きだと話している視線
気になるという仕草

全ては行方知れず
誰にも見えない皮膚に、
がりり、刻印を刻む。
刻む音すらも、
拙いが深いカーブを描いて、
誰にも見えない私の皮膚を
構築していく。
まるで彫刻のように、
私の胸に、
痛々しくも艶やかな ....
できる
でココアを溶かす
できないをハチミツ漬けにする
何も言わない
しーと指を立てるともういちどになる
わが子に伝えられることを
がさごそと探すよりも
整頓された背中から伝 ....
百数十年ぶりに里に下りてきた私は
あろうことか人間に狩られてしまったのだ

この老体を食べても美味しくなかろうに
あろうことか吊るされてさばかれてしまったのだ

私の臓腑の中で可愛がってい ....
美術館の展示物は
来館者のまなざしを食べる
じっくり詳細に見る来館者のまなざしを
ふんだんに咀嚼し飲み込んで
まなざしの味を吟味する
一般者の軽いまなざしは
スナック菓子のよう
 ....
陽を殺し
西の夜空を見上げれば
笑う月
たちまち臭気に囲まれ
三度深呼吸をする
頷けば、嗚呼、
、馬鹿野郎と一緒に眠る
掛け布団に遊ばれ
いま、それとなく終わる 。


 ....
 
思い出になったあなた

お願いだから あたいをよばないで

この一本道、途切れるまで



 
誰もいない中庭で
ときどき降り積もった雪が舞い
上がっていた
隅の方に穿たれた 小さな
穴の中では
随分前に置き忘れられた憎悪が腐りかけて
いる
行く宛を見つけるのは
そう難しくないの ....
ある時
私は気がついた

私は
鳥ではなかったと
羽ばたき方も
囀りかたも
思い出せない

確かに
飛んでいたはずなのに
しなやかな翼に風をはらんで
束の間の夕焼けに
淡く染 ....
社会人30年目
窓際っぽくなってきて
枯れ木のようですねと言われると
瓦礫だよと答える

達成感がない毎日
これではいけないと思いつつ
つい酒に手が伸びる

ある日リサイクルショップ ....
波立つ湖面は
薄い雲が駆ける空と
雪原が反射する
午後の日差しで
濁った銀色に 染められている

切り立つ山肌は
根雪まで吹き払われ
黒々とした 風の道を見せる

はるか上空 
 ....
単焦点のレンズをつけて
春を探しに出かける

低い雲が垂れ下がった街は
名前の無い色合いで
マフラーの内側の囁きは
聞き覚えの無い言語で

嫌なものは
ぼんやりとしか見えない
 ....
{引用=私は一篇の詩になりたい
それはたとえば路傍の風景

私は何も語りたくない
私としてのさびしさなど

私は私でありたくない
私にとって 私でありたい

私にどうして{ルビ彼=か ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14262)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ポケット- あおい満 ...自由詩6*16-2-11
yamaneko- 草野春心自由詩216-2-11
青いひかり- 吉岡ペペ ...自由詩616-2-11
- あおい満 ...自由詩516-2-11
わたしの粒々- そらの珊 ...自由詩1916-2-11
老細胞の呟き③- 信天翁自由詩216-2-11
flicker- 木立 悟自由詩216-2-11
詩歌- アラガイ ...自由詩7*16-2-11
蜘蛛- 春日線香自由詩416-2-10
さよならの練習- 吉岡ペペ ...自由詩316-2-10
グーはチョキに勝つ- かんな自由詩5*16-2-10
断絶までのびている道- 伊藤 大 ...自由詩116-2-10
サンショウウオ- 北村 守 ...自由詩316-2-10
- 鷲田自由詩516-2-9
色鉛筆①- 信天翁自由詩216-2-9
運河- アラガイ ...自由詩4*16-2-9
励まし- 吉岡ペペ ...自由詩516-2-8
Missing- 文字綴り ...自由詩216-2-8
- あおい満 ...自由詩12*16-2-8
ととのえ- かんな自由詩3*16-2-8
_里に下りた顛末_- くろねこ自由詩2*16-2-8
美術館- 葉leaf自由詩316-2-8
落日- アラガイ ...自由詩5*16-2-8
よばないで- 殿上 童自由詩15+*16-2-8
唐突に夜空がぼやけて見える- noman自由詩116-2-7
冬のうた- Lucy自由詩13*16-2-7
ガレキギター- イオン自由詩3*16-2-7
一瞬の影として- いねむり ...自由詩416-2-7
単焦点- nonya自由詩17*16-2-7
梢が春となる頃に- もっぷ自由詩416-2-6

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