愛 と云うとき
世界がこんなにも憎しみに曇るなら
重い靴をはいて
そしてもう二度と 愛さない

それは ゆるやかなひとつの堕落
最後の刻を待てずに
底なしの憎しみの拳をふりあげたあなた
 ....
沸騰する憂鬱を、
跳ね返すことばが、
さかなになって脳裏を横切っていく。
それを掴もうと、
手を握ったり開いたりしてみても、
私は海底に沈む難破船になって
視線を落とす。

*

 ....
あなたの面影は
白い石鹸の匂いと
サイダーの匂いがした

おかあさん

何処に往ったのですか

ぼくはいま
武蔵野の林を歩いています
あなたを探しながら

足跡は何処にもみえな ....
私を抱いて クレチマス
くるくる・くるる 描く唄

鉄塔の下 踊り出す
ひらひら・ひらら 風も揺れ

見上げる度に 笑います
見上げる旅に 出掛けます

*

妖艶な迄に ....
梅雨明けの少し前、雨粒が入る家と入らない家の違いが分からなくて、屋根をじっと見ていたら失明した。雷の音だけが聞こえて、白かった。

人間が(つまりあなたのことが)見えなくなってしまったから百日紅の ....
風が文句を言う。だから僕は頷く。若しくは日常語だけを話し、沈黙を忘れる。太陽は感情を曲げないで一直線に走る。だから僕は座る。若しくは歩みを止めて、目的地を捨てる。雨は時刻を知らせる。一秒毎に100粒の .... 落ちては掃く
落ち葉の

落としては掃く
落ち葉の
だれでもない
わたし

日暮れの
空の
落とされては掃く
落ち葉の

だれでもない
わたし

だれかが
どこかで
 ....
この街は寒いのに 雨を雪に変えない
小さい傘を君にさして僕は濡れてしまう

クリスマスツリーの点灯は君との別れの時間
またねと改札を抜けていく 一度も振り返らずに

雲の上には眩しいほどの ....
それは突然に来る 音がする
ヒタヒタと迫りくる
晴天が急に曇り、突然降る

人は剥き出しだ 傘もささずに

12月の初めの風 南に向かって
匂う道 曲がる季節

今日の天気 晴れのち ....
    遠くで鴉が騒いでいる
近くでキジバトがうなっている
    そして 里山の林には
    小雀たちが戯れている
  深閑を讃美するかのように

 カラオケのさざなみをたてて
   ....
私が昔
吐いて捨てた言葉に
躓いて転ぶ今の私を
腐った道が笑っている

はじめから途方に暮れていて
今では
どう感じれば良いのかもわからないのだ
 

ゆけなかった

ひび割れた空のかけら
拾い集めて
黒曜をながした月光
あなたのような
静謐
いだかれながら
緩やかに枯れてゆく
水底の
片羽根なくした
蝶を

想っ ....
できの悪い推理小説のプロット
夢の死に絶えたファンタージェン

造物主のいない創世記  
すべての夢がわずかな因果の隙間に託されるなら
いつもつまずいている僕はニッチな日雇い漂流生活者

 ....
ちからなく たちつくす
たちつくすと きになる
きになると えだわかれ
えだには はが のぞむ

はっぱは かぜをうける
いきたいのか ちぎれても
いきたくないのか くちても

ねが ....
狐につままれておもえらく
十中八九発作なのだが 今すぐ要所に駆け込めば
まだしもマシに収まるのだが 今ちょっと手が離せなくて
したい事溜まってる気がしてたのだが よく見ると業者に借りたでっち ....
覚えている 山の色、海の匂い
夕焼けの中、一緒に遊ぶ隣の家のお兄ちゃん
記憶は遥か遠く、遥か遠くに居て 瞬間に迫りくる

過去は止まり、描写は言葉を忘却している
感情の色を失くし、刻む脳裏の ....
ちいさい秋見つけた
帰り道

ちいさい秋実をつけた
輝いている

ちいさい秋差をつけた
キミとボク

ちいさい秋目をつけた
羨ましい

ちいさい秋火をつけた
悔しさに

 ....
大きくはない講堂で
詩人の声がしている

詩人の声は講堂よりも小さく
低いところを這うように響くから言葉のつぶは分からない
絨毯だけが分かっている
水を吸い込む時のように、そこだけが深い赤 ....
ヤモリの張り付いた電信柱が
オレンジ色の灯りをともし
夜の歌を静かに歌っている
夜の秒針を刻んでゆく
ぼくは落ち着けないでいた

あの中華そば屋までの果てしない
道のりは
とても遠くて ....
夕暮れがやって来る頃決まって私の腕に止まる君
ねぐらへ帰る途中なのだろう
一羽であることもあるし
友達を連れてにぎやかにさえずることもある
いやもしかしたらきょうだいだったのかもしれない
あ ....
また道路に死体がありました
カラスが群がっていました
車たちは知らん顔で通り過ぎるのです

また道路に死体がありました
いつ死んだのかもわかりません

私はみなかった
なんの死体なのか ....
五円玉と五十円玉



出来のいい兄弟みたいに
二つ揃って穴のある
可愛らしい小銭の
五円玉と五十円玉
どっちが兄ちゃんだろうね
そりゃぁ、五十円玉が兄様だろね
五十円玉一つでいい ....
死にたいという衝動が一日中私につきまとう
死が人々の中でたらい回しにあっているのか
私が死の中でたらい回しにあっているのか
でも、死にたいと思うたび、私は私に立ち止まる
死を望むに ....
夕陽は波の音を残して
海と空の混沌に溶けていく
松の梢から昼の光が消えると
ぼくの中で映像がうずきはじめる

 時を忘れて遊んでいたぼくらに
 夕餉を告げる母の声がとどくとき
 一日 ....
     東海は 知多半島の 里山に
      野の鳥かげがうすれるなか 
     昼夜の区別もとぼしくなって
   背の伸びきった「時」はただよい
 間の伸びきった「空」が拡がっている
 ....
 純白の天使が私の窓辺に降りてきた。
 机上の真紅の薔薇を香りもすべて真っ白に染めてしまう。
 ここにいてもいいんだよ。
 迷う私を優しく光の当たる所へと誘ってくれる。

 夜空には眩し ....
 高原の爽やかな風が私を撫ぜる。
 あなたと過ごしたあの夏は過ぎ去った時の上に浮かんでいる。
 ぽーん、ぽーん。
 冬が来たのだ。

 定宿に置いてきた古皮の手帳にはあの頃の私の言葉が並 ....
綴られて次の頁へゆく前に
少女はもう一度 花野へ足を運んだ
静かな色彩の秋の花花に
じっと見入っている
草の実が、
ぼくたちも居るよ
とそっと少女に言いたそう
けれども時は待ってはくれず ....
昼下がりの雨の中で
ザクロが割れる
唇に指を立てて
ぼくは泥を踏んで歩く
それから 傘を振る

とても暑かった(その部屋は)
死にゆくものも
生き行くものも
ひどく暑い
後ろの席で ....
「6月に脇芽を差しておいたら大きくなった」
根元は気の毒なくらい細いのに 上は梅雨時のよう
緑の実をいっぱいつけて 木枯しに揺れている
他の作物は枯れ果てて 掘り返された畑の隅に


 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14283)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
良心- 伊藤 大 ...自由詩215-12-9
- あおい満 ...自由詩11*15-12-9
夕映え- レタス自由詩515-12-9
クレマチス- 藤鈴呼自由詩2*15-12-9
沐浴- マチネ自由詩515-12-9
風景画- 鷲田自由詩515-12-8
オルガン- たま自由詩1515-12-8
雲の上には眩しいほどのシリウス- 北大路京 ...自由詩1415-12-8
- 鷲田自由詩415-12-7
風の舌(七)- 信天翁自由詩215-12-7
▪︎- はるな自由詩315-12-7
うつほ- レモン自由詩29*15-12-7
季節はずれの蜃気楼- 梅昆布茶自由詩1515-12-7
くものうえの_いき- 砂木自由詩11*15-12-6
発作- なけま、 ...自由詩1*15-12-6
空白- 鷲田自由詩1015-12-6
ちいさい秋踏みつけた- イオン自由詩4*15-12-6
朗読の講堂- マチネ自由詩7*15-12-6
闇路- レタス自由詩11*15-12-6
すべての梢は止まり木である- そらの珊 ...自由詩2515-12-5
道の脇にころがったワタシ- 朧月自由詩415-12-5
五円玉と五十円玉- 月形半分 ...自由詩9*15-12-5
思う- 月形半分 ...自由詩3*15-12-5
夕焼けの海- イナエ自由詩14*15-12-5
芥子色の北風⑥- 信天翁自由詩515-12-5
救い- ヒヤシン ...自由詩8*15-12-5
進歩する日々- ヒヤシン ...自由詩9*15-12-5
歳時記の白い栞- もっぷ自由詩615-12-5
ザクロのように- オイタル自由詩7*15-12-4
12月のミニトマト- 藤原絵理 ...自由詩615-12-4

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