掃除を終えた綺麗な部屋に
いっぱいの日差しが入ってくる
本棚の背表紙もそろえたし
机にだって塵ひとつない
今のこの部屋には
神さまだって住めるけれど
そうするわけにもいかないし
背もたれ ....
ぼくのこころに根をはって
大きくなった老木が
公園の散歩道をゆく
墨絵のような老木から
枝が生えて
格子状に柔らかく伸びて
その先に花が咲く
躑躅の紅い花
ハナミズキの白い花
菫 ....
海がしょっぱいのは
泣き虫が残した
名残りかもしれません
当て付けかもしれません
海が青いのは
まだ幼くして
生まれ変わったものかもしれません
澄みきった空に
負けたくなかったのか ....
丘を下りる 隠者の音楽
川に浸かる 色の指
まばゆく細い
月の虹彩
ここに在るものは
ここに無いもの
夜は語り
夜は刻む
登るたびに
ちらつく光
さ ....
うまいこと言おうとして舌を噛む
良い句が浮かんで書けないボールペン
耳につけた装飾品の数だけ
傷ついた私がいて、血を見
慣れた過去が過ぎ去れば、
強くなるだろうと信じてい
ました。装飾品が私に代わ
って私を語ろうとし始めた
とき、私 ....
親愛なる子どもたち
カレンダーは夏になったというのに
窓の外には雨が降り続いています
ペンを走らせようにもインクがすっかり凍ってしまいました
それでも息を吹きかけ便せんをひっかいては文字を綴り ....
悲しいツラぶら下げて会おう
元気に挨拶は交わさないでいい
会話は特に弾まないでいい
にぎやかなチェーン店で
相槌を打つだけのお前
淡々と伸ばす箸の先に
つまめないのは破れた手紙
スケープ ....
一国の最高指導者が
グラサンで人前に現れるというセンスを
今僕は完全にナシと思えるようになりました
そしてディズニーランドに行こうとして
捕まったあの日をとても恥ずかしく思います
刈り上 ....
土曜日の朝
詩の学習会に出かける電車の中
文庫を読んでいたが 文字がぼやけて読みにくい
片目を閉じてあたりをながめ 見付けた左目の異状
会場で雑談中に報告すると
詩友はきつく念を押す
「必 ....
群衆の中を往き交う海猫達の叫びはなおも遠く、
この胸の錆び付いた音叉には共鳴しない。
道端で音楽を奏でる者たちに、路地裏の住人は白けている。
彼は言う。ペインが足りないのだ、と。
人は ....
ある日ぼくのもとに封書がとどいた
送り主をみると
その日暮らしの友舍
たしかにその日暮らしはしているが
友を募るほど盛大ではないし
あけてみると請求書だ
項目として
笑った時 ....
うつむき すぎた
頭を軽くして
ゆっくり上げると
青空
今日の空は一段と青い
でも
この青さは
少し
傷にしみる
そんな気持ちを察してくれる
空は
南 ....
(傘の滴を落としながら)
そこから抜け出すためには
入口を探すしかないのですが、
誕生や死という非日常に囲まれて
小さな日常があるのですが、
強い雨の中 物質と観念をつなぐものは
....
【 人生映画館 】
白いスクリーンに
私の人生を映してみれば
どんな映画になるんだろう?
始まりは
ごく平凡な子供時代から
思春期はシャイな少女の
夢見がちな その憧れと日常
....
手首に巻いた 虹の飛行機
何処まで飛ばそうか 考えている
エアポートは 何処
何処にでも 存在するのに
迷ってしまう
雲隠れした 昴を 探し出すよりも 困難
ウグイスの 香し ....
宇宙との交信中酢飯の匂いしている
にわか雨が去ると
真冬の風が通りみち
樹木も人も躰を震わす
「バーイ!」
「バァーイ!」
交差点の娘たち
無敵の若さにさざめいて
もっと綺麗な明日に生きる
ヒラヒラと手を振って
ひと ....
ママは 青汁の味がする
時々は トマトジュースの味がする
ママは 玄米の芳ばしい味がする
朝食は 納豆の糸が引く
ママは ほうれん草と水菜を主食にしている
おかげさまで 7・8センチまで ....
時計の一秒ごと刻む音が心臓と共鳴する
進んでいるのは過去の堆積
動いていない僕の胴体を切り刻む
未来は音を編んでくれるだろうか
帰納法を後ろ盾に布団を被り
証明書のない契約に親指を赤 ....
鳥でなければ見たことのないはずの景色を
夢で見た
子どもの頃なら
空を慕った記憶はある
宇宙からの信号は
生まれた日から
届いていたのに
地表に張り付いたまま
私の未来は区切ら ....
くやしさを抱いて眠る夜には
カモミールとロックンロール
ジミー・ペイジ
今日は悲しい一日だった
私の代わりに泣いておくれ
せめて夢の中で
天国へ連れてっておくれ
最後に見るものは
あなたのくるぶしがいい
美しくて
すべらかな
まるで 葉っぱみたいね
朝露に濡れた肌に
もう一度 くちづけをさせて
愛情深く揺れて
あの ....
負けるまで帰れない
土管のうえに猫がととのっている
紋白蝶はさえずりのように風にふくらんで
もはや言葉の色はしていない
捨て去られた、黒い缶コーヒー
夕空に向けて屹立してい ....
まゆ毛を微調節すればするほどズレてゆく
9月の夕方にある方からメールを頂きまし
た。(あなたの詩は結構好きだがかっこつけ
すぎではないか)というような内容でした。
10月は攻撃して11月は防御 ....
衰弱する息をひたと止めて
女は唇を背に置いた。
通夜
息をするように嘘をついた日
やわらかな地獄に落ちていた。
《劣の足掻きより:http://mi-ni-ma-li ....
秋を着飾った紅葉が
全ての葉を落とした
裸になって
冬の薄い日差しを
目一杯受けたいのだろう
やがて来る
春のために
君は最近歌を口ずさむ
歩いてきた距離は途方もなく長く、
希望を持って歩いてきたけれど
どうにもうまく行かないことが多くて
それでも前だけ向いて歩いてきた
君の歩いている道は
君が望んだ ....
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