広葉樹の多い樹林の中央に
高さ二〇メートルほどの榛の木が一本
屹立するその根元はジメジメとした地面が広がり
いち早く裸木となった榛の木は
次の春に暗褐色の花を付けるため逼塞する
あたり一面紅 ....
両親を持たない
孤児はさ迷って
乳が欲しいと雌の裾を掴む
だのに女は乳房を持たない
大聖堂の聖母も大通りの花売りも路地裏の娼婦も
まるで育むことを拒むように
首元までボタンを閉めて
 ....
風に戸口を叩かれた冬が
一斉に開かれようとしている夜に
凍えるようなアスファルトを踏む
裸の爪先が何処かを目指してさ迷っている
たくさんの色彩に恵まれた
この祝福された大地で
夜の闇にさえ ....
新入社員の頃に言われた
組織の長を目指して
世界に羽ばたく蝶になれと

中堅社員の頃に思った
組織の長は無理ならば
地元で羽ばたく蝶になろうと

熟年社員になって気がついた
組織の長 ....
{画像=121112003029.jpg}


人はみな心の中に
自分の花園を持っていて
色々な花を育てている

私は一つの花壇に飽き足らず
ネットを彷徨い
この花園を見つけた
私 ....

タトン
タタ
雨が大気にあふれ出す
地は吸い込んで
水流が闇にあふれ出す
ヒトはみな小動物
家のなか
葉陰の小鳥たちの夜を案じ
明朝の我が身を気に病む
石くれになる傘の中

 ....
はるか遠くの
たんぽぽ綿毛が舞い降りる
まるで初雪のように
まるで天使のように

国境も
区切りもない空の上空で
どんなねがいを背負ってるの

どこかでうまれたたんぽぽも
その背景 ....
この部屋中にある
あらゆるものを突き刺して
壊れたオブジェをつくる
グラスも、時計も、棚も、オルゴールも、
本もめちゃめちゃに破い ....
文句言うためにテレビを点けて居る 僕が降ってきたよ
無数の

堪え切れずに
僕が

地面に突き刺さろうとして
ザザズ

濁った悲鳴をあげているよ
無数の

僕が降ってきたよ
止めどなく

所嫌わずに
 ....
強いってなんだろう

冬の朝は潔い
そんな空気の中を歩いてゆく
けっして潔くはない私の足は
心を映すようにふらりふらり

視線までもふらり
はらりの葉っぱを追いかけて

自由なんて ....
押入れの毛布にくるまり

ロールケーキのようだなと

とろけるように目を閉じ

甘い夢を見る

お菓子の家は飽きたから

寿司ネタにしてくれと叫んでいる

小学生の私

そ ....
外はまだ暗い

風はないらしい

木々の揺れる音もなく、ただ

規則的で優しい雨音

世界の静寂

僕の孤独が浮かび

街灯の足下でアオガエルが思案していた

天気予報、雨 ....
僕は 何気なく 思いついた言葉を
誰でもないような顔で 書いていた
何故だろう 言葉は 今もそこにある
誰であるということも無いままに だけどたたずんでいた気のする新宿の街角で
ぼんやりと ....
人の心に耳を澄ませた金曜日
聞こえてくる様々な声に
目頭が熱くなった

人の声に耳を塞いだ土曜日
何度も繰り返した同じ言葉
口にだしてしまえば、泣いてしまいそうで
唇をぎゅっと噛みし ....
思いが波紋と広がり
弾けてきらめく
夜空に星座を探す夜は
そうして更けてゆく

ゆきずりに声かけて
無理にでも言わせたい

  おやすみなさい
  よい夢を

あてないから
お ....
わたし時間です
あなたの時間です
わたしはあなたの中にいます
だから
わたしとあなたは同じです

わたし時間です
似ていますが痴漢ではありません
でもあなたはわたしがうとうとしていると ....
  皺くちゃの子ども
  緑色の鋏を手にして
  揺らめく雲の端を断った



  いま、
  目覚めの時
  山の連なりは遠く
  朝焼けに縁どられ煌めく
  森のどこか ....
老いた母に
追い詰められる

じわりじわりと
追い詰められる

壁際まで
追い詰められる

涙と鼻水
叫びを上げ 壁を叩く

翌朝

軽い内出血した手
私の中に留まった血 ....
文句が有るなら言ってみろいいえ別にありません

お前の態度が気に食わない文句があるなら言ってみろ

いいえ今日は用事があるのでライン長様に文句なんて

我慢だ、足軽社員は我慢が命と心の叫び ....
トンボになって飛んでいた。
桜の木もすっかり葉を落とすころ。
トンボの翅はなにも思考せずに
ただ
トンボのこれからを ひたすら羽ばたいていた。

大きなビルの大きな木陰で
すこしばかりの ....
昼下がりの公園
子どもたちが四、五人集まって
わいわいやっている
何だろうかと覗きこんだら
身体が一番でかい男の子が
カマキリを手に持っている
青い立派なカマキリだ

「今から、このカ ....
今日死んでしまいたい
明日生きていたい
月の断頭台で
綺麗に首を刎ねてね
あとは夜に突き落として
なんて無様な一人三文芝居

世界は広すぎる
私は怯えている
言葉はいつも過剰に饒舌で ....
鏡像のように

ひびく睡蓮

あなたの瞼から

瞼へ


五時のサイレン

夢の瞼が剥がれ落ちる

記憶の海から疎外されて

現実に戻る


まだ
 ....
人がありったけの思いを込めようとも
富士はそこにあるばかり

謡い、描き、愛でようとも
我関せず
富士はそこにあるばかり

憧れは尽きぬ
見果てぬ夢の如き姿
それはまさ ....
咲きつづく花となった左手を
冬へ冬へかざしながら
森の上から去らぬ影を見る
同じ翳り 同じ霧
こだまのように立ち並ぶ


漂いは追い
追いは漂う
空が空をくぐるのを
 ....
さよなら
と言いながらつむじ風
くるりと巻いて
さよなら
ともう一度

こんにちは
とは言わないで
何度も
何度も
さよなら

止まらない銀河鉄道
開かない窓からアンドロ ....
玄関に靴を並べて
朝日を当てる

猫に餌をやって
ミルクをやる
顎の先を少しなでて
それから座る
座って朝日を顔に当てる
それから この身の全てに

夜の間に
オニがやって来て
 ....
季節が
ずい分かわってしまって
空はかなしい

部屋のなかには
あなたにあげられなかったものばかり
散らばって

真ん中に
あなたのかたちの不在がのこる

扉のむこうはひかっ ....
「アンニュイ」と言う
横文字を
怠惰的と理解してる

窓辺に肘をついて
叶わぬ恋を思う
それはアンニュイ

俺は馬鹿だが馬鹿じゃ無い

きちんと「物憂い」を理解している

馬鹿 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
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_『逆流』- あおい満 ...自由詩512-11-11
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土砂降り- nonya自由詩16*12-11-11
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週末- 三奈自由詩1612-11-11
今夜は空が澄んでいるよ- もっぷ自由詩6*12-11-11
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平行線- 小川麻由 ...自由詩3*12-11-10
爆発_2012_11_9- ぎへいじ自由詩12*12-11-9
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さよなら- 乱太郎自由詩25*12-11-9
起床- オイタル自由詩3*12-11-9
不在- はるな自由詩712-11-9
珍しく- ドクダミ ...自由詩112-11-9

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