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一週間前にがなりたてるように鳴いていた、蝉の死骸を見つけた。
こいつは実は長生きなんだ、騙されないぞ、と僕は思った。
この世は、騙される事が多すぎる。
ずっと彼氏は作らないと言っていた、大好きだ ....


死を垣間見る
生に敏感になる





ぼん

わたしのいぬはしんだんです
あいしていたんですほんとうです
なのにあのこはにゅうがんで
ひとすじにょうをこぼしてしに ....
美しき世界



ほたりと雫が落ちて、
地面につく前に消えてしまう。
それはまるで届かなかった対話のよう。
繋がりたくて、それでもぬぐった涙のよう。

私は長く病を患い、  ....




私は砂。
水を含み、泥となって、
いつか形にならねばならない。
砂。

茫洋と昔の空を思い出す。
空はいつでも高くて、
私は不自由で。
とても自由だっ ....
からの冬



陽光がふりそそぐ
あたらしい年


からの冬が
こたつを引きずり出して
わたしの足をつかまえる


春になってたまるかと
過去のわたしが追いす ....
クーが死んで



クーが死んで
クーが住んでいた所に花を置いた
そしてTVを置き
カーテンをつけた

クーのいない日々に
じわじわと慣れていく

これが「生活」 ....
生きていてよかったとぬか喜びをするときはあるよね
それでがっかりして
自暴自棄になるんだ

でもね
かみさまはみてござるって言ってね
やっぱり
生きててよかったって
また ....
触れられない


ウミガメの産卵をはらはらと見つめるように
あなたの泣き顔を見つめる私です
あなたは苦しんでいるというのに
私はあなたに触れられない
透明なのです

朗々 ....
死を考える絵師は
炎を身にまとっている
その志の高さは不明だが
他己ともども皆が死ぬと
初めて知ったかのように
絵師は考える
炎は一途に燃えさかる様

変革を求めて割腹か ....
朗らかに歌う若者よ
老獪な政治家に林檎をあげて

私は泣き続け
ここまで至り
そして気づいた事といえば
人生とは全く遊びであるという事だった
私の苦しみも誰かの喜び
私の ....
悩み多きは誰か
悩んでいるというよりも
考え続けているとした方が
幾分か楽になる

楽になることは罪でもないのだ
少し開放して
予測不可能な未来を
覗こうじゃないか
泣きたい時は水面に揺られて
私という器に水を張る
たっぷりと注いで染み込ませて
体中が潤い続けるようにする
泣き叫ぶ声が私を呼んだら
ひしゃくで水をすくって
たっぷりと捧げよう ....
生命とはなんだろう。

父母を―私がまだ光だったころ―なんとなく選び、
生まれてからする「一つのテーマ」を神様からもらって、
おぎゃーと生まれてくる。涙。

年は残酷な程に大急ぎで ....
花ひらけ



梅桃桜と順々に咲きほころんで、
空へ昇華される花々。

私は久方ぶりに太陽の光を全身に浴びて、
自然の美しさにほれぼれと、
園児の様にはしゃぐ。

花 ....
春眠下りて

春眠下りてわたくし倒れる
倒れたわたくし目指して蛇が
雪の下から這い出てきたが
喰うにはまずいと舌を出し
鳶におうぃと声をかける
「こいつを空へ昇華してくれ
 ....





雪の降らない土地に居て
テレビの冬を見ていると
ストーブの温かさも手伝って
たいそう眠くなる

目の前ではアナウンサーや住民が
寒そうに寒そうにしているの ....
ぼくとつ



一人のぼくとつを見た
五十手前のぼくとつは
頭を低く低く下げ
ただ芸を身に付けようと
足掻いておられたもくもくと

「芸を極めるか
 家族を愛するか ....
雪の日に




しんしん積もる
雪の日に
私の命が降りてくる

私の分身
私の死体

しんしんとしんしんと
降りてくる

懺悔と
嘲笑と
甘えと ....
苦しみは注射以外いらぬ

父の死も母の死も
何もいらぬ

けれど苦しみは
私を愛しているのだ

飼い殺しの愛を押し付ける

いらぬものが
年と共にふえるのだ
一人静かに座っている
ばあやの横にすずめが一羽
ばあやは米を振りまいて
にこにこにこにこ動かない
ちゅんちゅん鳴くは我が子とて
お日様だけが動いてる

すずめよすずめ
ば ....
君と僕



君の手のひらに収まっている小さな飴玉の屑は
きっと僕の心臓に近いものなのだろう
君への気持ちは愛でも恋でもなく
単純で複雑なものらしいので今でも僕は説明が出来ない  ....
とうへんぼくが
ぼうっと立っている
とうへんぼくは
とうへんぼくなので
なにも考えていない
ぼうっと立っている間にも
鳥はさえずり
人ははたらき
とうへんぼくは
ぼ ....
牢獄が私の家だった
手枷をジャラジャラと鳴らし
監守の持ってくるまずいパンと汁を待つのみの
私はそんな女だった

ある日
男が来た
男は理解できない言葉を
とても丁寧に話 ....
たびたち



夢中になるものをみつけなさい

そう少年の母親は言い
銀貨を三枚とつくろった衣服を風呂敷に包み
少年を家から

ピシャリ

追い出した

少年はパニックにな ....
小僧


一張羅

小僧はそんなものを着て

わくわくと
わくわくと

かあさまから褒められるのを待っている

かあさまはミシン工場でつつましく

漁でいない旦那の分も
 ....
しとしと、と梅雨の残り香が降っている。
季節はもう夏になったというのに。
雨は名残惜しげに降り続ける。
明日にはからからと日が照って、
水たまりを干からびさせるだろうに。
雨は ....
離れているほど、愛することもある。

それは幻想。

近くにいてこそ、憎しみが増す場合もある。

それは潮時。

哀しみは誰の上にも平等に降り注ぐ。

涙を隠す雨となり、 ....
あざみ嬢の物語


「老人たちは言った。」


あざみ嬢あざみ嬢あなたの刺は危険。この麻を被っていきなさい。

あざみ嬢あざみ嬢あなたの刺は危険。このフードを被っていきなさい。  ....
おおげさな音をたててトラックは右へと曲がる
小さなおさげの女の子が道を渡ろうとしているのを見て私は焦る
だめよ
まだ止まっていて
けれど女の子はとてもうまく道を渡って
てくてくと去 ....
かすみゆく


昭和という名の喫茶店
中には常連のサラリーマンと
マスターらしき初老の男
私はなぜか吸い寄せられるようにその喫茶店に入ってきたわけだが
本棚に詰まってる室生犀星 ....
ただのみきやさんの田園さんおすすめリスト(37)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
はーどぼいるど- 田園自由詩6*14-8-17
- 田園自由詩414-8-16
美しき世界- 田園自由詩7*14-2-10
- 田園自由詩4*14-1-16
からの冬- 田園自由詩214-1-2
クーが死んで- 田園自由詩513-7-25
- 田園自由詩3*13-7-21
触れられない- 田園自由詩1013-7-18
あおいほのお- 田園自由詩3*13-4-6
生死とて- 田園自由詩3*13-4-5
悩み- 田園自由詩413-4-2
泣くという事- 田園自由詩5*13-4-2
生命、- 田園自由詩4*13-3-10
花ひらけ- 田園自由詩7*13-3-2
春眠下りて- 田園自由詩2+*13-3-1
- 田園自由詩4*13-1-18
ぼくとつ- 田園自由詩11*13-1-7
雪の日に- 田園自由詩9*13-1-6
苦しみ- 田園自由詩3*12-12-8
ばあやとすずめ- 田園自由詩312-12-2
君へ- 田園自由詩4*12-11-5
とうへんぼく- 田園自由詩10*12-9-5
牢獄の女- 田園自由詩512-9-4
たびたち- 田園自由詩412-8-29
小僧- 田園自由詩212-8-28
- 田園自由詩212-7-18
哀しみ- 田園自由詩6*12-7-14
あざみ嬢の物語- 田園自由詩3*12-5-18
子らよ- 田園自由詩3*12-5-4
かすみゆく- 田園自由詩7*12-4-25

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