円周率の最後の一桁に出会ったら
宇宙はそのときめきに吸い込まれてしまうだろう
数字とは限らないその解は
きっと愛を語る詩人のように嘘っぽい
輪転機が無限に探すが
解けない問題こそ美しい詩のよ ....
遠く水が閉じるところ
遅い秒針をかきわけ追いやり
夜は夜に身を起こし
剥がれこぼれる光を向く


すべてが昇る夕暮れに
ひとつ落ちる冬の爪
おまえは銀を忘れたという ....
夜へ向かう枯れ野のなか
光のように咲く花もある
だが彼の目はただ
手のひらの淵にそそがれている
朽ちた椅子に腰かけ
うなだれる背と膝を
まだ照らすもののあることに気付く ....
ですから、


ね、
あらゆる、


「わたしから飽和するわたしたちよ、
もうここには語るべきことなどありはしないのです、と
語りはじめる卑怯をおびやかしてください、
かなしいほど ....
ただ頷いて微笑うのはおりこうさん
泣きながら問い詰めるのはおばかさん
ひとつ問題があって
ものわかりのいいひとの粒子は
少しずつ崩壊している


淋しさをこじらせると
言葉すら思い浮か ....
 
うちわであおがれひざ枕

これにまさる涼はなし

お礼に西瓜でも切ろうかしら




 
涼それは
沸騰している中身(こころ)を
落ち着ける小さな風鈴(ねいろ)

涼それは
身体を刺すような棘(あつさ)を
癒す青い海(ぬりぐすり)

涼それは
のしかかるような熱風(おもさ ....
どうすれば僕は  
急坂さえも一気にのぼる  
機関車男になれるだろうか?  

この腹に内蔵された  
エンジンの蓋を開けたら  
思いの他にぼうぼうと     
炎は燃えていたのです ....
忘れる人がいるかもしれないふたつ持っていく 住む人の居ない
山の墓地

お盆には賑やかに花々が供えられている
生まれ故郷を訪れた人の形跡が
風に揺れる

たった今まで
誰かがそこにいた証拠
ロウソクの炎が
消え残り
線香の ....
こんな晴れた日にはあなたに会いたい。
見えない翼を広げてあなたのもとに飛んでゆきたい。
あなたは驚くでしょう?
私には見えない翼があるってことを。

こんな風の涼しい日には今すぐあなたに ....
昨日がないので今日もない
だから明日も明後日もない
あるのは太陽の昇り沈み
大気の湿りと突然の雨
そして疲労を癒す涼しい風

自分は動物だと思っている
ときには蛇のようにしなやかに
 ....
ほぼ体温と同じくらいに
熱せられた夏が
発火点を探しあぐねて
彷徨いの果て
私の絵の具を溶かしていた

指で透(なぞ)写る
あらかじめ決められていたように
螺旋状に滑り出すその先で捉え ....
看板の電球が歯抜けのように消えた店
街路灯の陰には牙が落ちている
その店にたむろする娘のポケットに
住んでいた鼠の、よくとがれた牙

からかっていただけなんて今更
引き返せないと、思わ ....
創作意欲と背反している創作技術
作りたいのに作りたいものはこれじゃないんです
ディスプレイに打ち込んでいるこの文章も
作りたい訳だけど作りたかった訳じゃないんです

歌いたい歌はここにあ ....
夢を見ていた少年のくっせつ
無用の腕が ひとつひとつと音を立て
分針のリズムに置いていかれる
かみなりの先端を指先でひらいて
少年は蜘蛛の巣にからみ合っていく
浮くよりはむしろ しずんで沈ん ....
きっと思い浮かぶ光景も景色も 今は繰り返すだけで
背景はいつも同じ中に 似たりよったり 歌っている

今は緩めの目尻を撫でながら また繰り返しを刻む いつもの事

お水にカボスを絞って透明同 ....
ご馳走になった
そらまめとエビスビールを思い出し

テトラパックのそらまめと
エビスのロング缶を
セブンイレブンで買って来て

ホタルしながら
ひとり送り盆

わたしも ....
そらみみさまのみみはききちがいのみみ

空気踊るくらいあつくなつく夏の夜
ジャンキー頭は
つぎはぎだらけのだらけたことばばっかり
思い浮かんで
へらず口あきれるくらい
生ぬるい唇ふやけて ....
あなたの立てたポストは脆く
内も外も、やまない雨に濡れそぼつ
底冷えに、這いつくばった無音の小部屋の
差込口は狭く
取出口は固く
錆びた金具
動かない


 こころの番地(アドレス) ....
美人が遠くに座った きみはあまり泣かなくなった
うたもうたわなくなった
ほほえむ時間が増えた
笑いごえをあげなくなった
花はすべてドライ・フラワーにしてしまった
部屋からひとつずつ色が消え
そしてすこしず ....
高く登った太陽が
より濃く写す真夏の影
それは微睡む、眩む昼下がり

汗ばんだ首をそっと撫でる風
窓際の儚く揺れる竹簾
それは蝉時雨の白昼夢


向かいの酒屋で風鈴鳴れば
土佐錦、 ....
真っ赤な
パラボラアンテナは
今日も恋をする

南の島の
センチメートル波を
受け取りながら

灼熱の
コンクリートの上で
鮮やかに咲う

真っ赤な
パラボラアンテナは
 ....
下町の団地の小さな台所で
母が作ってくれたホットケーキには
必ず人参のすりおろしが入っていた

海を隔てた異国の地で
日曜日の朝私が作るパンケーキも
やはりほんのり柑子(こうじ)色

 ....
夜の街
光る街
沈黙の中へと
のみこまれてく街
あなたってばいったい
どこで何してるの
ぼくはこの街を
歩いているよ

クルマやバイクが
アスファルトの道駆けぬけていく
 ....
朝ぼらけ

星の香り

色彩を描く

長い休符

沈没しようとする船の中で

君の世界は終わらない

砂の中の海

そこにいるあなたが誰であろうとも

ねじれた木

 ....
海から遠い場所で
服についた砂をはらう
風にのってかえる砂は海へ

夏の夕方は
暑さの残り香がぺらりとおちて
いっぽ いっぽ秋にむかう

後ろ姿のこどもは
あなたかもしれない

 ....
まだ夕方だというのに眠くて
すこし横になっておこうかと考えているうちに
いつのまにか眠りがやってくる
目を覚ますととうに外は暗い
諦めてこのまま寝直してしまおう
と、その前に水を一口

 ....
知り合いかもしれない人に会釈に見えるか見えないかの位置まで体を曲げる
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 乱太郎自由詩2713-8-19
色と羽- 木立 悟自由詩613-8-19
ノート(リトアニア2010)- 木立 悟自由詩213-8-19
__- 紅月自由詩513-8-19
ひどく簡単な、冴えたやり方- 伊織自由詩11*13-8-19
- 殿上 童自由詩20*13-8-19
熱さとともに- ムウ自由詩713-8-18
機関車男__- 服部 剛自由詩1213-8-18
忘れる人がいるかもしれないふたつ持っていく- 北大路京 ...自由詩613-8-18
お墓参り- Lucy自由詩19*13-8-18
こんなに空が青いのに。- ヒヤシン ...自由詩7*13-8-18
- 葉leaf自由詩213-8-18
デカルコマニー- そらの珊 ...自由詩13*13-8-18
鼠の歯- すみきた ...自由詩213-8-18
駄作(負け惜しみ)- ニワコ自由詩4*13-8-18
かみかげ- 中川達矢自由詩213-8-18
朝焼の窓の休館日- 朝焼彩茜 ...自由詩713-8-17
そらまめ- 鵜飼千代 ...自由詩12*13-8-17
そらみみさま- 阿ト理恵自由詩613-8-17
ポスト_(想起させるものに、忠実に)- 乾 加津 ...自由詩9+*13-8-17
美人が遠くに座った- 北大路京 ...自由詩513-8-17
ドライフラワー- はるな自由詩413-8-17
真夏の影- キダタカ ...自由詩413-8-17
ハイビスカス- nonya自由詩16*13-8-17
柑子色のパンケーキ- 夏美かを ...自由詩29*13-8-17
自由な疾走- シホ.N自由詩213-8-16
人のタイトルを勝手に並べると新しい物語が生まれるだろうか- 左屋百色自由詩6*13-8-16
砂絵- 朧月自由詩613-8-16
洪水の夜- 春日線香自由詩313-8-16
知り合いかもしれない人に会釈に見えるか見えないかの位置まで体 ...- 北大路京 ...自由詩613-8-16

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