いま
ここ
この身に
起こっているコト
きて
ゆく
この世の
トキのほころび
きのうの脳内
傷に気付いて
痛みに至る
明したを超した
時間の軸の ....
携帯電話のディスプレイは
血の指紋であふれている
無数の未完成のことばの指紋
指でなぞれば
嘘に近づく
皮を剥けば剥くほど
なくなっていく野菜になって
うすい記憶の皮膜 ....
驚嘆すべき青
突き抜けるような青
青のなかに
濃い青と
薄い青が混在し
吸い込めば
胸に広がり
吹けば風になる
山も青
雲も青
星も月も
波も青
青木功も
朝青龍も
蒼 ....
僕らは社会の文体を学んで成長してきた
はたまた親の文体に反撥しながらも生きるために
それを受け入れて
今度は自分自身のフォーマットに縛られながら
それとの葛藤にちょっと疲れているのかもしれ ....
フィヒャアー
フィヒャアー
ぼく泣いちゃうもん
ママにだっこじゃなきゃ泣いちゃうもん
フィヒャアー
ぼく泣いちゃうもん
電気を消したら泣いちゃうもん
でも眠い時は暗くしてほし ....
おでこにおでこくっつけてジェリービーンズの雨降る
朝もやに煙る街中を
人影が通り過ぎる
一晩稼いで
これから逃走するところ
昨夜あの娘は
盗まれた
二本の指で滴って
絡み付き
トランプの散らばった
部屋の ....
蝉といえばハルゼミ。ぼくは春の東北の山を訪ねるまで、こんな恐ろしい蝉の音があることを知らなかった‥
頂きにとどく高さのモミやミズナラの梢から、一里四方の谷を震撼させていた。その虫は親指ほどの大きさも ....
清々しい朝の光に芝の緑が艶やかに萌える。
美しい旋律は時代の背景となり、
脈々と流れ、
粘りを含んだ人々の呼吸の中で発展する。
季節の花々が咲き乱れる様は
まるで人間の感情のようだ。 ....
並ぶつもりで
並んでいるのではないし
何億光年も離れた小さな星の住人が
語り伝えた
神話など知らぬ
集まって
輝いているように見えても
それぞれ
果てしなく遠い
線でつな ....
いるわけがない
いつもの夕飯時のはずが
食卓に投げ出される、突拍子もない弟の主張
あの丘で恐竜を見た
家族みんなの一笑、からかいに
きみはひとり意地を張りつづける
うっすらとほの暗く ....
蝉時雨が
それほど新しくない記憶を
影縫いするものだから
そのまま置き去りにもできず
立ち止まる
吹き出す汗
ハンカチを忘れたことに気づく
いつもそうだった
肝心な時に何かが欠 ....
真昼の烈光は
漂白剤のように
景色も
僕の影も
脳も
真っ白にしていく
何もない
真昼なり
とりとるたらら
暑い中
とりりつぅたらら
汗を掻く
かすむ目の中
景色が揺らぐ
あたまがゆーらゆら
もやもやで
街路がユーらユら
ゆらいでる
並木がユーらユーら
ゆらいでる
身 ....
薔薇の花が一輪
掌に横たわっている
棘だけが未だ鋭く
チクリと私の皮を刺す
死して尚
痛みを与える
美しさ
庭仕事を終え、
麦藁帽を脱いで
額の汗をぬ ....
また出汁巻けず卵
レモンの青い葉の
そよそよささやくななめしたにある木陰が
独りの影に重なりつらなり
古い灰色の木製の椅子に座り
宙を見つめている無限に
くりかえされる喪失は
だれにも知られることはなく
....
女が買ってきた猫は
目を覚ますことがない
エサも食べず水も呑まず
常に丸まって眠っている
置物ではないかと
怪しんで触れてみると
確かに呼吸をしている
手触りも生き物のそれである
何し ....
栽培キットに水をやる
夏がまた巡る
一昨年は朝顔
去年はミニトマト
今年はホウセンカ
今日三つ花をつけた
鳳仙花
紅い花
今年もそろそろ花が咲くと娘を呼ぶ
鳳仙花 ....
青い本、カーテン、壁。
ゆで卵、液晶、ローラーコースター
交互にする指輪、遠い者同士の接吻
からだを折ると、すこし生きやすい。
思いだすのは、ちいさなこと
泣いたら泣いたぶんだけ体が ....
おばけ不足で夏を迎えた
少女の頬に
ほんの少しの血が
乾いて お祭りの
化粧のようで
当たり前のように
気にもかけなかった
からりと晴れた 暑い午後
地中海の香りを思い出して
悲しくなった
....
軽い重さを背負いながら 独りで坂を上る
軽さは風のように 重さは物語のように
行方は光と闇に分かれ 両方とも人がいる
白い旗と黒い旗が 船に刺さり 古くなる
ミイラが云う 苦しみは生きてい ....
窓を這う
ゴーヤの日除けに
蝉の声
首に巻いたタオルで
額の汗を拭く
夏の昼下がり
冷たい麦茶と
生ぬるい扇風機
微か ....
都合よく堕ちるサヨナラの螺旋
検診前なので、節制中
恋愛前なので、節制中
節制クラブ、部員募集中
想像の青い馬
高速道路を駆けていく
午前二時
夜の風に乗り
どこまでも行けそう
思春期の
次は氷河期
ほどけないのは
輪廻のリボン
だから待たねばならない
氷でできた
僕の駄 ....
一対の鉄塔が
街をはさんで見つめあっている
(病気のような時間帯)
頭痛もちの少女が
おぼえたての寂しさを抱きしめて
影をうつした空へ飛びおちていく
鈍感がいいとおもう
やわやわときづく
なんにせよ関西人は
はやいをいいこととするけど
鈍感がいいとおもう
今? とつっこまれるぐらいに
鈍感は
きづかないということではない
の ....
誰かの右目が 痛むとき
私の左目が 赤くなる
誰かが右手を 怪我したら
私の左手を添えて
包帯を巻いてあげたい
あなたが背中を向けたなら
リュックの理由を
分かち合い
荷物を軽くし ....
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