さかそう
として枯らした
花びら
栞にした、むかし
さわぐ群青を
からだじゅうに
巡らして
残像のキネマ
はだのいろ
埋もれている
今日の
やわいところ
掬って
浮か ....
産毛に当たった風は示す
そこかしこにもたらされた
水蒸気の束

拝借された通り道は皮膚
花びらが通る度わずかに香る
花畑の猥雑さ

耳元で囁く大気の運動
今年の音色も活性する
強弱 ....
あなたを腕に抱いて、
わたしの背丈ほどの桜の若木の前に立った。
背丈ほどでも、小さな花が四、五輪咲いていた。
あなたにとっては、生まれて初めて見る桜。
なんでも触って確かめたい年頃だから、
 ....
いそいで
いそいで
すずめが走る

いそいで
いそいで
すずめが走る

てまり公園には
誰もいない

誰もいないあいだ
独り占め

いそいで
いそいで
すずめが走る
 ....
春が流れていく

みなもに降り立った
無数のひとひらたちは
いたづらに未来を占ったりしない
何にも誰にも逆らわずに
やがて
その先でひとつになる

裏もなく表もなく
命は等しく終わ ....
踏みしめる雪の靴音は
清らかに固められた冷気のこすれるような強情さで
色の薄い太陽と
水を透かしたような蒼の空

登校する子供達の歩道の
一本道が少しずつ踏みしめられて
坂下まで続く
 ....
終着駅のホームの外れ
赤錆びた列車止めの向こうに
騒ぐ荒ぶる海が聞こえる
そして 呼んでいる

(ここには何もない)

行く人は海
来る人は海
大人は波頭で
子供は飛沫

終 ....
水面を裏側から啄み
莫々と
言葉にならない赤紅の曖昧
室内に満たされた
春の掻痒
一段とまた独り
歓びと狂いたければ
水槽に侵入する他はない
さかなは 心を どこで切っても さかな
わたしは 心を どこで切っても わたし
ではない気がする


でも
あさっての海や あなたの海から見ると
それは くやしいくらいに 全部わたし ....
朝の鳥はうるさい
昨夜のことを話し合っている
方向性をきめている

どっちの空が安全なのか
そんなことではない

朝の鳥はいそがしい
こどもが親の後ろを泳ぐ

どこにえさがあるのか ....
暗闇にさえ晒したことの無かった泣き顔を
いつのまにか磔られた光に照らされていた
片腕を
炎に溶かしながら


人を喰らう鳥が飛び
死にたい者しか外を歩かない
死にたい者だけ ....
みおろすこの街の
眺めは最高のイルミネーション、
頽廃のタワーマンションに
どんな正義も眠るころ、
さまよう夜のいっぴきの黒い猫
あなたを求めて黒い影に化ける。
逃げているわけでは ....
 そこにいるのは誰?
 森の入り口で僕は小さな叫びをあげた。
 昨夜からの雨の上がった朝だった。
 風そよぐ緑の中で気配は続いていた。

 君は僕の味方?それとも・・・。
  味方かど ....
灰色に枯れかけた景色を
あるいてったさきを

(記憶のおくのほうで化石になってくれていた はやあしのおと)

どうしたって ぜったい壊れちゃうんだけど
あったかい秘密基地がほしくってさ
 ....
さがしものはいつでも
くだものの皮の中にある
とでもいうように慎重にむいている

生きているかのように
こわごわあつかっている
こわれもののように

うつむくのに
これほどつごうのよ ....
意味はきらきらふる星だし
正しさはもえる草原で
寝息は世界のかぜ薬
あなたの頬がやわらかいうちに
知ってほしいことがたくさんあるけれども
なにひとつ教えられることがない

だからいつ ....
目を覚ました
しとしとと音がしている
しずかな朝の、
雨音の音階を調律するひとがいる
誰だ。
調律師は物憂げな顔で指先を動かす
ふと音がなめらかに
なったかと思うと
その指先は ....
うすく欠けた月を
つつく
くちばし
埋もれたはねの
なめらかな湿りを
靡かせた風の
まだ
つめたい季節

いちまいずつ
剥いだら
花も
あめをよぶ
春はさらさら
なが ....
また、書けない日々が続いている。書けないのではなく、書かないのだと、つぶやいてみる。つうか、詩なんて書いたことがないのかも、詩のようなものを書いては、詩かもしれないと、思い込んでいたかっただけかも。誰 .... あなたの云う、地獄と名のつく場所に連れていってくれと、私がいうのもおかしいので、その方へむかっていく背中を、みていた。煙草の煙にまざって、ゆらゆら幻影、だんだん、見えなくなっていく。私は噛む。爪を、噛 .... 二日ほど前
顔のあたりに穴が空いた
穴というべきかなんなのか
顔があるべきところに
冷たい空気がただよっている
加湿器から出たほわほわが
渦をまいてとどまっているようだ

きっとこれは ....
花粉だけは差別しないでよってくる
鼻から出る水に酔う

あなたも?わたしも に
すぐできる同盟は
すぐ壊れる季節とともに

なみだでゆれるひとみ
ゆがんでみえる世界はきれいですか

 ....
障害があるおまえと一緒にはなれない
それならそれでいいけれど

すきだけで泳げない
うみはふかくふかくどこまでもふかく
なにもかものみこんでゆく

そのせいでくらい部分も美しい

足 ....
北風の音で 眠れぬ季節がやって来た
夜の唱は 愉しいかい?
話し掛けようにも 勢いの強い風は
留まること知らず
対流しながら 我の心を 鷲掴んで
空に 飛ばしてしまいそうだと 身構える
 ....
待っていたのは
あなたのあいまいで退屈な言葉
噛み締めて耐えていたものが
一瞬だけ解ける音がするの

だって
光にもいろいろあるじゃない
それならせめて
この氷のような体温 ....
山育ちの子が海を知った
知らなければその深さも大きさも
わからないまま死んでいく
たった一日の出来事を
赤い水着を着た縁取り写真の子が
記憶を差し出す、午後五時九分の日没

赤穂海岸で俯 ....
  お爺ちゃん
 

真っ昼間
海辺の無人駅に一人座った
何のために来たのかも分からないまま
海が見渡せる方の端っこの古びたベンチで昼寝をした
陽が傾いて折れたような首元に柔らかい光が当 ....
ひるま雨にふられたふくろうの視線の中
森に刺す月光は乾いた笑い声をこらえた

さやさやと流れる雪どけの小川冷たく
小枝ゆらす風の軽い諦めが
病んだ湖を照らす真白な光と交わるところで ....
あなたが死んでほしいと思ってきたけど
あなたがなかなか死なないから
早く自分が死ねたらいいと思うようになりました

だから
きれい好きになったし
いろんなものも捨てたし
死ぬまでにするこ ....
せまい巣箱で
愛を買い
そして死なせた

原液に
浸っていく翼をみて
いやだと言ったのは
誰だったか
それとも
愛だったのか
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
spring_sherbet- むぎのよ ...自由詩418-4-6
うねり- 小川麻由 ...自由詩6*18-4-5
- 北野つづ ...自由詩918-4-5
てまり公園- 腰国改修自由詩2*18-4-4
a_piece_of_spring- そらの珊 ...自由詩15*18-4-3
冬の朝の詩- 高林 光自由詩418-4-3
- Giovanni自由詩9*18-3-30
四月の魚服- 腰国改修自由詩2*18-3-30
釣られた魚- 昼寝ヒル ...自由詩418-3-29
朝に忙しい鳥は- 朧月自由詩618-3-26
白く_残る- 木立 悟自由詩118-3-26
夜が明け、朝は来るから。(黒猫の黒い影)- 秋葉竹自由詩318-3-25
そこにいるのは。- ヒヤシン ...自由詩8*18-3-24
さようなら秘密基地- 田中修子自由詩11+*18-3-24
くだものの村- 朧月自由詩318-3-23
寝がえり- はるな自由詩19+18-3-22
雨の日と月曜日は- かんな自由詩10*18-3-21
parfum.- むぎのよ ...自由詩518-3-20
誰一人としてその名で私を呼ぶことが永久にないとしても- Lucy自由詩11*18-3-20
出涸らしの慕情- 笹子ゆら自由詩11*18-3-19
冷たい穴- Seia自由詩318-3-18
花粉同盟- 朧月自由詩318-3-17
貝の声- 朧月自由詩318-3-15
光の帯- 藤鈴呼自由詩2*18-3-14
shiver- カマキリ自由詩318-3-13
赤穂の海はまだ満ちて- 為平 澪自由詩12*18-3-12
無題- ◇レキ自由詩9*18-3-11
切り取られた最後の世界- 秋葉竹自由詩318-3-11
片付けじょうず- 朧月自由詩718-3-10
巣箱- はるな自由詩618-3-10

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