すべてのおすすめ
おんなが笑っている
高笑いでもなく微笑みでもなく
氷雨に打たれ空を見上げ
おんなが笑っている

おんなの頬を伝うのは
雨粒だろうか涙だろうか
痩せたおんなだった
背の高いおんなだっ ....
朝 陽光と爽やかな風に気づいて
眼を醒ます

ふらりと入った喫茶店の
偏屈そうなマスターの淹れる珈琲がすこぶる美味い

擦れ違った女性の残り香は
懐かしい女性のディオリッシモ

他人 ....
あのひとの笑顔も覚えている
あのひとの号泣も覚えている

あのひとの親切も覚えている
あのひとの冷酷も覚えている

あのひとの口癖も覚えている
あのひとの矜持も覚えている

あのひと ....
いつも温和なあなた
これからもっと暑くなりますよね

不快指数も上がりますよね
クールビズなんて糞食らえですよね

きちんと糊の利いたシャツを着て
ネクタイもきちんと締め夏物のスーツを着 ....
小3の時お袋が内職の金で
買ってくれた少年向きの一冊の本
読み始めたら辞められなくなった本

高校性になってからそれが
コーネル・ウールリッチの
《黒衣の花嫁》だと知る

お袋は僕のい ....
ほんとうに良い仕事をする人間はいるんだ。
いつの世にもどこかにそういう人間がいて、
見えないところで、世の中の楔(くさび)になっている。
            (山本周五郎 柳橋物語より)
 ....
或る深夜観たいものがある訣でもないのにTVを点けた
想わず眼を見張ったそこには見慣れた歩行器を必死に
掴もうとするいつかのぼくがいた

もちろんそれはぼくではなかった
ぼくと同じ脳梗塞で倒れ ....
果たしてひとつの抗議であり得るだろうか
もしかしたらそれは命に対する敗北ではないだろうか
たいていの辛いことや悲しいことは
歳月の力によっていつか笑い話になる

でも時の鑢でも
笑い話にすることができないものは
ほんとうのの辛さであり悲しみなのだ

それは死ぬまで背負い生きて ....
東の山肌の頂きが淡い桃色に染まる
その桃色は歩いて下るかのように
麓へとゆっくりと拡がるさなか

頂きは桃色に重なり橙色に代わり
その色に蒼と紫色が混ざる
そして麓も頂きと同じ色に染まって ....
ゆっくりと ひとりで 途を行くひとがいる まだ幼い息子に投げているのは
ボールではなく息子への愛なんだ

そして投げ返されるボールもまた
小さな息子からぼくへの愛なんだ

だから大抵の男は
映画“Field of Dreams” ....
あの頃 ぼくらは貧しかった
ラジオはあったけどTVはなかった

電話はよっぽど裕福なひとしか持ってなかった
ぼくに電話が掛かってきたら
電話のあるお隣さんが呼びにきてくれた

餓鬼だった ....
もう充分だと言うのは
きっと身勝手なんでしょうね

でもその気持ちが消えないんです
良くないことだとは分かっていますが

やはりこうして日々を
何とかうっちゃっていると

いつも最初 ....
あなたは眼の前で
ひとがひとに殺される所を視たことがありますか
ぼくは一度だけあります
そこはサイゴンの中央広場でした

それは公開処刑でした
若い女性で南軍からベトコンのスパイとして
 ....
「いってきます」とあなたが私に告げてから
もうどのくらいの水が橋の下を流れたのでしょう

おんなの直感でしょうか
もうあなたは私の元へは帰らないと
私はそう想ってあなたを見送りました

 ....
やさしくもなく平和でもない
あなたの周囲や眼にするもの
耳にするものがそうであるだけに過ぎない
僅かな痛みすら止めて貰えないひとびとが
何十億人もいることをあなたがただ知らないだけだ

比 ....
闇 孕むひとよ
陰 孕むひとよ
涙 孕むひとよ
死 孕むひとよ
愚 孕むひとよ
悪 孕むひとよ
憎 孕むひとよ

あなたたちはいつか敗北する

光 孕むひとに
陽 孕むひとに
 ....
死ぬ気でやっても
報われないことは数多くある

だからといって
死ぬ気でやるのを辞めたら

それは敗北を認めるばかりか
敵前逃亡との軽蔑すら受ける

だから自分が大事だと想ったことは ....
独りじゃないと想っている間は
大地を踏みしめて生きていける

でも逆境のとき苦境のとき
ひとは独りだと気がつく

差し伸べる手はなく
悲しみの海に沈みそうなのに
だれも浮き輪は投げてく ....
眠れぬ夜がつづく
なぜに睡魔は訪れないか

こころに障ることもなく
日々は穏やかに流れつづける

それなのになぜ眠れぬ
それなのになぜ睡魔は訪れぬ

そのときにようやくに気づく
こ ....
大義という主張と主張の狭間で
武器を持たないこどもがその親が
何の躊躇もなく銃弾で殺されていく

そしてその真実を世界に伝えようとする
ジャーナリストも標的にされる
その惨状をソファに座り ....
だれにでも好きな位置がある
それは例えば常連のBarの席や
馴染みの喫茶店で座る席

Raceだったそうだ
先頭を走るのが好きなひとも
中段のなかで揉まれるひとも

最高尾から前をいく ....
そのひとは腕時計を見る
そのひとの腕時計は1分1秒狂ってはいない

そのひとにもなんのためかは分からない
でもそのひとは腕時計を見る

そのひとにもなぜ正確に時刻を合わせるのか
でもその ....
だれかが生と死の狭間にいるときには
そのひとの肌を触ること

手を握りしめながら
声を出しつづけること

戻って来いと
この世に戻って来いと
大声で耳元で叫びつづけること

それが ....
見捨てることは
見ることを捨てることだ
見ることを辞めることだ

そこに人が倒れていても
人かどうかも見ずに
ただ邪魔なものだと想い
躊躇なく踏みつけ前へと急ぐ

誰もが倒れ人を気に ....
きみはぼくじゃない
ぼくはきみじゃない

きみはどこまでもきみで
ぼくはどこまでもぼくだ

だからきみはぼくをもとめる
だからぼくはきみをもとめる

そしてきみとぼくをむすぶ
愛と ....
もう何処まで来てしまったんだろう
振り返ればもう出発点は視えはしない
視界に映るのは遠い後悔か 懐かしい悲しみか
幻だったかのように過ぎ去った愛するひととの日々

振り返れば道は一本だけ
 ....
新出生前診断でその子に
ダウン症や先天性の染色体異常が
あったと分かってもその子を
葬ろうとしてはならない

法律がどう定義されているかは関係ない
受胎したときからその子はもういのちだ
 ....
きみと最後に観た十五夜は
もうどのくらい前だったのだろうか

きみは教えてくれた
中秋の名月はもともと中国から
伝来したものだと

ぼくはそれは知っているよときみに答えた
じゃ十三夜は ....
ただのみきやさんのHALさんおすすめリスト(65)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
おんなが笑っている- HAL自由詩7*13-11-13
ちっこい幸福論- HAL自由詩13*13-6-21
通りすがりのひとたち- HAL自由詩6*13-6-18
殴って好いですよ- HAL自由詩3*13-6-14
マザコン- HAL自由詩8*13-5-24
こつこつと- HAL自由詩8*13-5-20
頑張れオッサン!- HAL自由詩8*13-5-17
自死は- HAL自由詩3*13-4-29
時の鑢でも- HAL自由詩4*13-4-8
遠回り- HAL自由詩4*13-3-28
ひと- HAL自由詩7*13-3-27
キャッチ・ボール- HAL自由詩4*13-3-9
ぼくらは貧しかったのだろうか- HAL自由詩9*13-3-8
巡礼- HAL自由詩6*13-2-23
許されない好奇心- HAL自由詩9*13-2-22
待つひと_待つこと- HAL自由詩10*13-2-16
世界は- HAL自由詩10*13-2-7
孕む_ひと- HAL自由詩6*13-2-4
決意初め- HAL自由詩6*13-1-5
悲しみの上に- HAL自由詩6*12-12-29
美しい空白- HAL自由詩4*12-12-28
屍体は睨む- HAL自由詩3*12-12-21
位置取り- HAL自由詩4*12-12-12
そのひとは腕時計を見る- HAL自由詩6*12-12-3
叫ぶべきとき- HAL自由詩1*12-11-19
倒れ人- HAL自由詩3*12-11-18
うぶごえ- HAL自由詩3*12-11-4
旅人への歌- HAL自由詩11*12-11-1
もういのちだ- HAL自由詩4*12-10-25
片見月- HAL自由詩11*12-10-3

Home 次へ
1 2 3 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する