この前まで鉛筆をもっていたひとが
木の匣にはいる
燃やされてちいさくしろくなって
木箱にはいる
鉛筆で書いた文章が
もう そのひとだ
そのひとを見ると
鉛筆をもてない
あのひとのこ ....
ここにヨシオという男が居る。三十を少し過ぎたもの静かな男で、生活のためにある巨大な施設の厨房で洗い場を担当している。毎日日が昇る前に仕事場に入り、日が暮れるころに家に帰る。彼には共に暮らしてい .... 天花粉の丸い小箱にはいっていたのは
祖母や母が立ち切狭で廃品回収に出す前に
切り取った釦
鼈甲仕立ての高価なものもあれば
校章入りの錆びた金釦や
普段使いのプラスチック釦
そし ....
空を黄土色に染めたと思ったら
一度だけ雷鳴を響かせて
通り過ぎた冬の雨

なんて足の速い雷神様だと感心しながら
窓を開けてベランダに出てみる

後姿を見ようと身を乗り出したら
忘れ衣の ....
窓辺にネコがいる
闇に紛れ部屋を覗いている
近づいても臆することなく
ひげと耳をねかせ目を細めるだけだ

ネコを真似て尾を揺らしてみる
濁点を払うようにはうまくいかない

ネコが跳 ....
弁慶が大口開けて鍋の中
曇天月隠す湯気あんこうの鍋
煮凝りやぷるんとする皿皮の裏
舌鼓おやじに高笑いでも無く福笑い

角の老舗の佇まい
ガラス戸を開けると顔を出す
ぬっと顔出す親父の顔は ....
夢の中でブログを
作ってました

私はただただ、
hahahaと入力して
それが、
ははははと
変換されてゆくのみ

これはきっと笑い声
ははははと
送信されてアップされてゆく
 ....
ハックルベリーフィンの冒険譚を捜そう
君の風景といっしょに遊びたいんだもの

風の自転車で空を描こうよ
永久に休みなんて来ないんだから
勝手にやすんでしまえばいいんだ

食べる。寝る。愛 ....
(みどり) は、男でも女でもなかった

それを(みどり) は、知っていたし、特に問題にもしなかった

(みどり) は、理由付けされ続ける存在だった

ある日、鏡を見た(みどり) は ....
真っ白な雪に身体を持って行かれました
風が小雪を連れてきて
痛いくらいの氷の粒が頬に張り付きます
習い始めたお稽古事は、叱られてばかり
慣れないお琴で指を弾いて
痣だらけの手を氷水で浸して
 ....
  時折、ひとの心から
  とおく離れてわたしは
  砂利道に迷い出たとかげになる
  枯れ葉の屑どもに隠された光の粒が
  もっと大きな金色の光に攫われていくのを
  わたしは見る ....
ふと思ったのだけれどね
人間には通気孔が必要だってこと

きっとどれかの上着に入ったままの入場券もいつかは必要なんだ
なくてはならないものなんてそんなにないんだけれども

たやすい自由はい ....
陽鳥 




きのうのことのようだ
逃げ出すように ひとり列車に乗り 海を目指した
行き先は 宮島

宮島のカラスに逢いたくなったのだ
途中 かあかあ
二度ほど 鳥が鳴いた
 ....
うえの部屋の犬はたぶんパグで
飼い主は
水商売の女の人じゃないかな

このごろ寒くなってきて
女の人仕事にいかなくなってきた
誰かと電話をしたら
いつも怒鳴りあいになり
さいご泣いてい ....
白い指先でカシュカシュッと、スクイザーで絞ったレモンをレモネードにして
君は、笑顔で風を運んできた
夏の日差しをたっぷりと浴びたテラスの向こうから
今日はあなたの誕生日

あなたの足元には、 ....
 


分厚い雲のはるか向こう
白く明かりを投げてくるのは
まるい太陽

アスファルトに吸い込まれながら
乱れ舞う淡雪
踏みつけようとすると消え
歩こうとすると
視界にまとわりつ ....
夜 小鳥たちは哀しみの巣をつくる
発動機の音がちいさな心臓をふるわせ
人も鳥も水に逃げようとしている
死は同じひろがりで樹下闇を照らし
美しいものの名をわすれていく
冬 かじかんだ指先が ....
アスファルトは灰色だと
思い込んでいたから

思わず目を疑った 
冬の道

煌めくならば 
銀色だったり するのだろう

今朝のように 真白の雪に 
覆われていたり

今  ....
ぐちゃぐちゃになってしまって
混乱のさなかにいる

それは、きっと、無防備な墓場

孤独は、きっと他人がいて初めて作られるもので、
他者が居て、初めて、足るを知ることを覚える

きっと ....
  あなたを思うと、
  わたしの心に幾つもの
  穏やかな図形が描かれる
  熱い珈琲をかきまぜながら
  窓の向うの樹をあなたは見ている
  たぶん、世界じゅうのすべてのものが
 ....
     年積月の西日が 

南だれの居間になだれこみ

    たそがれまじかの

いそがしさを そそぎこむ

       原っぱでの

     おさなごたちを

 小踊 ....
古墳のある郊外の町には

なにか清新な風が吹いていた

プログラミングの講習を

五階建てのビルで受けていた


ぼくは思う

よくないことも

いいことも

起こっては ....
しゃらり
さらさら
銀の音

空があまりにも青くて
ぼくは眼を閉じて
その音がメロディになるのを待っています

湖も凍り
白銀の地平を観てみたいのです

しゃらり
さらさら
 ....
ひかってるひかってる
秋の心臓が
きらきらとおちてゆく

ふみしめられて
冬飾る金のかざりになってゆくんだ

道をたえず染める心臓たちにまぎれ
秋のふぐりも知らん顔してポトポトと

 ....
ありきたりな建物の影から
熱がすっかり移動して
遠くの景色が少しずつ
確かな輪郭を持ち始めた頃
黒く細長い支柱が切り取った背景は
穏やかに収縮していた

後から来るものは皆
他愛のない ....
初冬の空に向かい

紙飛行機を飛ばした

天を目指し

太陽に届きそうな

まさにその瞬間のこと

紙の機体は宙に溶けて消えた

直後 空気はぴりぴりと

痛い ....
こう寒うては命もなんだか寂しいようだよ
命ってね、炎のようだけど本当は違うんだ
光ってるけど温度はないんだ、見れば
哀しくて君は首を吊りたくなるよ

今日なんかはね、まだあったかいだろ
そ ....
電車の中で

懐かしい訛りが聞こえる


聞き間違えることのないその方言は

故郷の海の匂いがした
夢の中では生きられない時が来ると
理解していた

現実につぶされそうになりながら
私は両手で囲って
頭の中の草原を守った

罵倒と泥の嵐の上に
私の女神が立っている

現実と戦う私 ....
 季節という音楽を君が奏でるのを聴いた。
 透明な旋律は白銀の街には鮮烈だ。
 音楽は創造され、どよめきの中の瞳を凝視する。
 真昼の動揺を隠せない人々はそのまま夜になだれ込む。

 夜 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鉛筆- 白島真自由詩23*16-12-10
いつか見た映画みたいに- ホロウ・ ...自由詩2*16-12-9
- 為平 澪自由詩10*16-12-9
通り雨- ガト自由詩11*16-12-9
night_tonight- ひさし自由詩11*16-12-8
あんこう鍋- ……とあ ...自由詩7*16-12-8
はははは- minomi自由詩416-12-8
丘を巡る冒険譚- 梅昆布茶自由詩1316-12-8
みどり- 水菜自由詩5*16-12-7
雪の花- 水菜自由詩5*16-12-7
砂利道- 草野春心自由詩316-12-6
入場券- 梅昆布茶自由詩14*16-12-6
陽鳥- るるりら自由詩13+*16-12-6
舞い上がる灰- 田中修子自由詩3*16-12-5
レモン- 水菜自由詩3*16-12-4
曇り空の向こうに- Lucy自由詩12*16-12-4
- 白島真自由詩14*16-12-4
空の道- 藤鈴呼自由詩2*16-12-4
うみねこのうた- 水菜自由詩2*16-12-4
穏やかな図形- 草野春心自由詩8*16-12-3
断_章_(二)- 信天翁自由詩216-12-3
古墳のある町- 吉岡ペペ ...自由詩616-11-30
銀世界- レタス自由詩916-11-29
イチョウとギンナン- 田中修子自由詩5*16-11-29
知らない土地に差す陽の隙間で- noman自由詩416-11-28
冬に溶けた紙飛行機- 葉月 祐自由詩6*16-11-27
- 由比良 ...自由詩316-11-27
最終電車- ガト自由詩10*16-11-27
労働- ガト自由詩7*16-11-27
冬の街- ヒヤシン ...自由詩7*16-11-27

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