夢の隙間から、その日
  僥倖のような光が差しこんでいた
  雨と埃の匂いを嗅ぎながら私たちは抱きしめあった
  目を閉じたまま、腕がしびれてしまうまで……
  その日、私は女だっ ....
           猫だけを置いて
           家人が出かけてしまうと
           猫は人になると飼い主は言う

電話が鳴る
猫は眠っている

電話が鳴っている
 ....
列車の暖かいシートに座ると

向こう側のガラスの奥には

半透明な私が少し微笑んでいて

疲れて座っている

暗闇にうっすらと光り浮いている私は

ゼラチン質のように柔らかで他人の ....
メルセデスで旅をする

日本中の商店街を夜走る

よこには地元の少年少女を乗せている

車内にはマクドナルドの匂いがこもっている

彼らには金を与えている

こっちは彼らの会話を聞 ....
国道二号線を走っていたら
ふいに視野の右側から
何か小さなものが飛び込んで来た
と思ったらサイドミラーの上に
シジミ蝶が止まっていた
小指の爪ほどの大きさの
灰白色の翅をピタリと閉じて ....
刹那に殺せる だからコーヒーを飲む
人の怒りを侮ってはならない  誰だって人を殺せる
安らかなる思い込み コーヒーは安らかさを引き伸ばす
思い留める為に

微塵の一角を曲がれば 殺人の息が泣 ....
西の空を覆う厚い雲を
僅かに縁取り
淡い光が
放射状に
さらなる高みへ腕を伸ばす
羽毛のような桃色の塊が
透明な大気の層に漂うあたりへ

空はいつまで記憶するだろう
人の視線を

 ....
落とした心拾われない 重なってまた離れていくから
美しい模様になる

離れていくことを悲しいと
思っている今この時が
人生を彩っている

鮮やかで美しい
自分だけの模様を
綾なすために

今は何も怖れ ....
生まれた日から神の計画はあったのだとして
生まれる前から神の計画の為に準備された人
時の時を経て夫々一人ひとりは生まれたのだ
としたら私の身体を貴方の為に肢体となって
お使い下さい私は何をすれ ....
君の手のひらに
朝と闇と夕暮れと夜があるから
私はそれについて詩をかきます
遠くにある悲しみと喜びは
誰の手のひらサイズでもない
君の詩をよんでよみ返して
それがわかったのです
いつも窓 ....
その人に投げかけた孤独が
勢いよく跳ね返されてきて
私の胸に鮮やかな痣がプリントアウトされた夜

傷だらけの そのくすんだ球を
手毬のようにつきながら
迷い込んでいくサイバー・ラフォーレ
 ....
だまされたのかも知れない
甘いにおいに誘われて
近づきすぎた

 人だって 
 グルメな匂いに弱い
 縁日の雑踏の中の醤油の臭い
 に誘われて 
 埃と一緒に口に入れる
 焼きと ....
鏡がないと狭い部屋 君に堅く結ばれた
ひもがほどけない

この送られてきた荷物に入っていた
巾着袋のひもがほどけない

わざと堅く結んだな

僕が困っている顔を
想像しているのだろうけど

そうは問 ....
どうして鏡には
こんなに知らないような女ばかりうつるのだろう
手垢のついた壁にかこまれて
言いたいことがある、と
思っていた
そればかりを覚えている
冷えた砂漠になげだされた夜だ

 ....
みどりの精悍な城あとをみる
稜線はふるえて、夜半
南へむかうと述べた喉の
ほとけに花燭を抱きあわせ
うきあがった契りの舟をそらへ
放流する手つきで 投げた

その眼には
映っているだろ ....
長い年月会っていない友人
それでも友人と言えるのは
年賀状にある自筆の文字

さて今年も…
勢いに任せて
「 い ち ど あ い た い ね 」
 苦しいときに泣くことは、
 いっぱい、やってきた

 悔しいときに怒ったり、
 羨ましくて妬んだり

 そんなことは
 幾らでも、
 やってきた

 今日も、あの時、
 とって ....
その昔
俺は 宇宙の中を飛び回っていた。
織り姫に懸想して、彦星から追われもし、
白鳥の首根っこも押さえもしたし、
ペテルギュウスのおならも嗅いだ。
オリオンの楯を盗んだり
カシオペアの辺 ....
きょうという日に
きょうという火が
ともされる
約束したわけでもないのに
東の空に

明るく
温かい
平等な
きょうが
どこから生まれてくるのか
ボクは
みつけた
旅の途中で ....
全部まちがえておんぼろ車がたがた走る 5歳の野原に
少年をひとり
おきざりにしてきた

今も夢に見る
あれは

世界の果てまで
走って行くはずだった真昼

やけるような緑と
汗と言う名の夏が
身体にべったりはりつい ....
まっすぐいったらぶつかるね
でもうまく泳げることがいいことなのかな

ぶつかって泣く君のそばにいる
こたえを知らない私は
できるだけそっと歩いた
二人の部屋を
渇いた湖底を
掠め
渦巻き
通過していく
そんな
低温の吹雪を

窓には無数のひび割れに似た
しばれ模様が張り付いて
空気中の水分は
耳にも
皮膚にも
触れない
喉も乾かして ....
夢には
二種類あるみたいだ

現実から
逃げるための夢と
現実を、変えていく夢

僕は、
炬燵の中で微睡む
飼い猫のクロと一緒に

彼女はもう
十年以上も前 ....
頭まで毛布を被り
丸めた背中の向こう岸に
たまった呼吸の骸が、たからもの
眠りはぬくもりに引きずられてくると
信じて布団にもぐりこむ
あなたをここに押しこめたい

寝息の小川を
すい、 ....
この思い出せないものは
おぼろに揺れて
この肌と共に老いていく

老いた幹に
傷が付くと言う事も
その痛みも遠のいて

一見の新芽を褒めては
少し背伸びする若造を
少し微笑みな ....
なにも映さない鏡になる  人を
 好きになるのに
 理由なんてないよ

 雪の結晶みたいに
 君という心のかたちは
 この世に、唯一つしかない

 純粋とは、
 澄んでいるのではなく、
 自分の色に染 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14286)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
僥倖- 草野春心自由詩113-12-21
猫と電話- イナエ自由詩20*13-12-21
もうひとりの私はゼラチン質のようだ- 灰泥軽茶自由詩1213-12-21
少年少女と世界や株価- 吉岡ペペ ...自由詩813-12-20
シジミ蝶- 壮佑自由詩22*13-12-20
だからコーヒーを飲む- 朝焼彩茜 ...自由詩10*13-12-20
「石狩川」- Lucy自由詩16*13-12-20
落とした心拾われない- 北大路京 ...自由詩813-12-20
模様- 森川美咲自由詩6*13-12-20
神は何を賜うたか・・・- tamami自由詩1713-12-19
ポケットに現代詩- 左屋百色自由詩8*13-12-19
サイバー・ラフォーレ【電脳の森】- 夏美かを ...自由詩25*13-12-19
ウツボカズラ- イナエ自由詩18*13-12-19
鏡がないと狭い部屋- 北大路京 ...自由詩913-12-19
君が堅く結んだ結び目に完敗した- ichirou自由詩1113-12-19
砂漠- はるな自由詩313-12-19
肩ごしに- とおの自由詩713-12-18
26年_年賀状- イナエ自由詩11*13-12-18
苦しいときに、やれること- まーつん自由詩9*13-12-18
スペースキャプテン2- ……とあ ...自由詩14*13-12-18
猫のさがしもの- そらの珊 ...自由詩2113-12-18
全部まちがえておんぼろ車がたがた走る- 北大路京 ...自由詩213-12-18
in_the_Summer- 駒沢優希自由詩12*13-12-18
囲いの中- 朧月自由詩213-12-17
- Lucy自由詩21*13-12-17
- まーつん自由詩13*13-12-17
蜜月と迷子- 茜井こと ...自由詩9*13-12-17
長寿- subaru★自由詩14*13-12-17
なにも映さない鏡になる- 北大路京 ...自由詩613-12-17
純粋のかたち- まーつん自由詩713-12-17

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