絶望のない
暗い 暗い 海を泳いでいる
起きたときには
そうなっていた そう鳴っていた
フライドポテトを食べた直後の
人差し指と親指にまとわりついた
まどろんだ違和感のようなものが
....
眼鏡の奥でながれた涙
ワイパーで弾かれた雨の粒
砂漠に咲く花
とどきそうでとどかないキャラバン
真っ黒に染めた羽根
低い位置で飛んでいる鳥の角度
あのトンネルを潜れば吹いて ....
瞑ればおちる 喉元の声
ずく で 散り急いだ未明
知られる事は 色づいてからでいい
浮いた草がひろげる風の扉
顔を覗かせては
あわててもどる 七色の瞳
危険な冒険の途中なの
それ ....
愛という名のカニバニズム
この肉も骨も血も
すべてあなたに捧げましょう
張り巡らされた 透明の糸に
蝶々が絡め取られてしまった
白い翅を震わせ もがいても
ここからはもう逃れられない
....
{画像=120523013143.jpg}
いつも何かが足りない気がする
いつも何か一言いい足りない
いつも何かを忘れている
いつも何か遅れている気がする
忘れてしまったもの ....
迷うたら負けやと、きつい一言
今でもうちのお守り
そんなあんたは迷わずどっか行ってもうたけど
マンガガール
メルヘン気取って また妄想の世界に浸って
マンガの話ばかり 彼女は黙らない
可愛いもんだけ 心に詰めるだけ詰め込んだら
どんどん醜く見える 外見の体が嫌だった
だから着 ....
雨が降ってきたので
魚をさす
ピチピチと
水を得たように
よろこぶ傘
骨を撓らせて
鰓呼吸してる
わっと咲いた桜の枝の花束が
額縁のなかに吊されています
青い敷布の上に座るあなたが
花降る午後に微笑んでいます
ぼくらは宇宙で会いましょう
祈ります
科学じゃな ....
想像のちょうじょうから降りてくるものがあるんだ
延髄から降下してゆくエレベーターは脊髄を各階どまりで
総なめして行く黒い影をともなった魔術的旋律なのだ
人間が理性なんて持ち出したのはつい最近 ....
喉が渇いたので
醤油を飲んでいたら
目が痛くなった
目薬と間違えて
醤油を差していた
まるで
お寿司のように
空っぽになった
醤油を探して
東京を歩く
薬屋はたくさんあるのに
....
化石になったら隠れよう 琥珀になったら閉じこもろう
みずみずしい生き方だったね
まるで魚のような鱗はないけど
剥がしても剥がしても人になんてなれないから
何万年経ってもまだ地球の話をしてば ....
もしも想い出が 熟した安らぎだけならば
こんなに熱く振り返ったりはしないだろう
互いの いちばん弱い場所を
最後に求めた旅だったから
僕らは同時にその日々を想い出すのかもしれない
....
雨よ 降れ
俺達の世界を濡らせ
おんぼろ小屋にも大豪邸にも
等しく雨を叩きつけてやれ
豪邸の中にも貧乏長屋の中にも
等しく人の醜さと卑しさが満ち溢れているから
雨よ 降れ
そうして俺達の ....
どうしても舐められない背中に
傷がある
猫がひとつ
街の中に座ってた
首もとまで
コートを閉めて
冷えきった青
ブルーとは、
本来冷たい色なのだと
冬の終わるいま
あい ....
同志が一人死んでゆく
疲れ果て
夢も希望もない
人の罪を負う
生きるために働き
遊ぶ事は許されず
欝になる。
休む事は禁じられ
息もできない。
誰か助けてやれないのか?
世 ....
明方の台所で
豆腐がひとり
脱皮をしていた
家の者を起こさなように
静かに皮を脱いでいた
すべてを終えると
皮を丁寧に畳み
生ごみのところに捨て
冷蔵庫に入った
....
今日は僕が…
この世に生を受けた…
一年で一度の日
少ないが…
『おめでとう』
と言ってくれる
人達がいるよ
誕生日なんてね
嬉しい事でもない!
なんてツッパッて
みてもね ....
不自由です
水の中にいるよに
いらないものに囲まれ
いらないものを抱え込み
みてほしくなくて
みていてほしくて
一人になりたいひとは
みな
一人がきらいなひとです
雨に濡れ
ネロは行く
自らの死骸を引きずって
彼は昔に死んだ
その時に彼には
彼の死を詠んだ一人の詩人がいた
今はもういない
ネロは行く
自身の死そのものを
廃棄場に捨てに行くために
よっぽど
おなかすかしてはったんやなぁ、おつきさん
おひさん
たべてまうなんて
よっぽどやな
やけどするで
くちんなか
べろんべろんになるで
おとなしそうなかおして
やるときゃやるん ....
太陽が右端から欠け始めていた
月が侵入してきたのだ
肉眼ではわからないが
これを使うとはっきり分かった
宇宙のこの運行のように
人もまたさだめられた偶然を
生き ....
{画像=120521085659.jpg}
2012年5月21日 ほぼ晴天
本日待ちに待った「金環日食」だ
日食観察用メガネとスマホを片手に
あたしスタンバってます!
わくわくわく ....
怯えた目をして 君は
フロントガラスを見つめてる
けっして僕とは目を合わせないように
それとも 心の導線を伝う火の かすかな匂いに
一時間先のことを思いながら
君は窓を開けて 風を入 ....
どこまで走っていけばいいんだ
牛丼屋が見つからない
走り続けていたら海に出た
波の音に誘われるように
海岸沿いのパーキングに車を入れて
砂浜へ
薄曇りの空は曖昧に青く
海は瑠 ....
言葉は私の
みみのなかにはない
私のむねに
深いまんなかあたりに
君へおくるために
両の手ですくう
私の言葉よ
ひろいあつめた木の葉のうらは
色々なひかりをはらんで
うま ....
小雨に当たって今日の花は
桜の花々は眠っているよう
だから金環食の事を考える
五月二十一日
太陽、月、地球が一直線上になるという
些細な椿事の天体図を想う
それから太陽のフレアになって ....
ねえ
これが、
産まれたての時間。
そう言いながら少女が
綿飴をひとつ、ぼくにくれた
まぶしい屋台の{ルビ犇=ひし}めき合う
貧しげな七月の ....
策をねって
近寄りそうな
場所に
わなを張る
なんとはなしに
近づく
雰囲気に
圧倒される
ちょっとだけ
すぐに逃げよう
麻薬と同じ
術中の蝶
{引用=チョコドー限 ....
もう少しで手もつないでくれなくなってしまいそうなほど
大きく成長してくれた君と二人で湖へ出かけた
とても嬉しそうに満面の笑みを向けて
本当に楽しそうにたくさん駆けまわっていた
私の ....
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