ロック/
肉のなかにあるキッチンで
いちじくを割る
どちらがわにもいなくなる
感覚を否定した濡れ手を重ねて
象ったイーコール
それは合掌
あったことはいちどもなかった
....
私は父に児童虐待を受けた
毎日頭を殴られ、
毎日コブができていた
理由がわかる日も
わからない日もあった。
自分は愛されなかった事を
悲しく思う。
だから自分は苦しくても
父がウッ ....
新聞の一面に幼い灰色の無知が滲む
私の人生に関わるのは かすり傷程
世の中の出来事 私に関わりのないと言い切れない
無関心でいられない 少し暇な時間に
世の中の出来事を
....
楽園だと思ってたどり着いたところには
泥土と瓦礫がただただ、広がっていて
許してください
と言っていた
なみだで労って
構わないからと応じ
でも本当はとても
かなしかった
労い ....
無数のマロニエ/或いは樹木の香り
世界がささくれ立ち
保湿して、
穏やかに錯綜する朝が現出する
そして秘めやかに抑揚のない朝が消え
世界は流れ弾き熟れる
無数の弾道がわたしを貫く
一瞬に ....
手のひらを
ひらいたとき
いくつもの時間が
そこで死んでいた
顔をあげると
いくつもの季節が
道路のすみで
凍えていた
ふるえる指で
拾いあげた
だれかの言葉は
死に ....
誰もいない
重ねる手も
合わせる膝も
誰もいない
目をとじても
ひらいても
波さえ
だんだん遠のいて
かわいたページを繰るように
日がしゅんと消えていった
誰も ....
耳を澄ます雨音のように 囁きを飛ばしたい
伝わらぬ心のバリアに すまし顔ではいられない
囁きを幾層も 飛ばしたい
きっとよりも もっと この世とあの世の緩やかな層の彼方に
必ず刺 ....
天気雨で起きた朝寝坊の日曜日 カーテンを翻している風
ごきげんな空模様に思わず あくびをした
モノクロの虹をおもいだして くちずさむ唄
夢見がちなあの子はありったけの想いで あ ....
わたしたちの
毎日乗る
電車
の
車内の
どこかに
溢れ出す前の
青い
空
精一杯
わらい疲れたあとはさ、
窓際にいってごらん?
夜を徹して
つみあげられた花が
ひとときに燃やされてゆくからさ
空のはじっこに
....
平均余命が一桁となった
老耄にとって
それは それは 想いがなごむものだ
住宅街を素通りしたとき
たまたま耳にした
おさなごの弾んだ
金切声の基調演説 ....
おばちゃんは小気味よくステップを踏む
一秒たりとも無駄にせず
牛乳や豚肉、キャベツや卵を
カゴからカゴへ
手をかざすかのようにバーコードを読み取り
お会計を済ましていく
....
ヒロシマにはたくさんの暑いがあって
たくさんの雲がながれて
たくさんの橋がある 。
たくさんの足音がビルに響き
人々はべつに重苦しくもない電車を今日も走らせる 。
雑草は ....
蝶に似た花に
花に似た蝶がとまっていますね
うろこに似た雲が
ここではないどこかから流れてきて
ここではないどこかへ泳いでいきます
そこは空ですか
ええ
海によく似た空です
せ ....
通い始めて3年になる
それなのに まだ
一葉の詩も作れないでいる
多くの写真を撮り
数え切れない程の岩や石の曲線を紙に書いたりしたが
学も無く言葉も足りない 私には
....
屋上で寝転んでいる
なま涼しい風が吹いている
こんなところなのに
どこからか虫が鳴いている
とてつもないほど風が吹き
またたく星がつくられてゆく
星はあんまり見 ....
世界はやわらかにほほえむ
鋼の構築物は弾力の支点
ぼくたちの内骨格は紅色のスプリングで飾られて
秋の街を歩く
体の直線軸上で世界は右と左に分かれ
感覚器は集中制御室の周辺に配置され
排 ....
ポケットにはひとかけらのパンと
一冊の詩集があればいい
ひとつの主題を
私は何度でもうたう
それは青春ということ
誰にもたれかかるのでもなく
自立した心でうたう
青春の尊さを
光を陰を ....
礼を尽くして
空き缶をいただく
あなたの日々は
わたしの知らないところで
正々堂々
みずからの命と向き合っている
早朝
髪をかき乱し
欠伸をしながら外に出る
籠にあふれるビールの ....
青い空を切り取って
それも丘に埋めたのだ
まるでお前の目のような
きれいに澄んだ青空を
果てなく自由な青空を
閉じたお前の目の為に
春が来れば
硬くお前の口一杯に
詰まった土も温も ....
女ホルアップのそのさきに楽しむ暮らしはあるのかい?
車なしじゃ何処にも行けないオクラホマ州の高校生
親と離れてしまえばお金と移動手段を失ってしまう
女ホルアップのそのさきに楽しむ暮ら ....
私は男なのに大概
女の方から誘って来ます。
いつも受けている。
時々振ります。
基本的に皆断わりません。
自分の方が不利になっても
断わりません。
そしていつも振られます。
振 ....
私はアメリカで産まれました。
20才まではアメリカ国籍を持っていました。
いわゆる2重国籍です。
今はただの日本人です。
幼稚園ではドイツにいました。
夏休みにフランス、イタリア、スイス ....
君がなにかTVの話をしている
脳に注がれる曖昧でぬるい声色
もっともらしいことを言うので
もっともらしく首肯してみせる
君の紅茶がおいしいのは不変だ
いつもの紅茶が口腔を ....
輪郭をなぞると見た目より長くなる
そんな事を思った
土の匂いと水のはったばかりの田んぼ
かえるたちの鳴き声、夜には満天の星空と蛍
ドジョウやザリガニやメダカを捕ってたあの頃
泥んこ遊びに鬼ごっこやかくれんぼそしてとっておきの秘密基地
躊 ....
犬だろうが
猫だろうが
ねずみだろうが
ゲジゲジだろうが
みんな
いっしょくたんにして
生き物よ。
人間に構わず生きよ。
ここにすでに死んでいるものがいる。
人間のわたし。
....
そこには空き地が広がっていた
小さな空き地ではあったけれど
空の眺めは最高だった
スピスパスパパ
スピスパスパパ
近くの町工場の音が
雲の流れが幼い私を
ベル ....
なんにもないのが嫌で
空疎な行為を義務化する
一文字
次にまた一文字しるし
空白をうずめて いく
自分を生き埋めにして
いく みたいだ
苦しいけど 中毒的 ....
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