酒を飲むのと

書くのとは少し似ている

ひとりでこうして書いていると

波立つ胸が落ち着いていく

秋の夜風の優しさに

油断すると涙こぼるる

誰にも知られることのない
 ....
イギリスで朝飯を食べていた
カリカリのベーコンを
とてもしょっぱいジャガイモとともに
口の中に放り込んでいた


テムズ川を渡ると
ポンドは ユーロに崩壊させられるのだろうと
この ....
五、六年前

朝の光に向かって

新鮮な空気と浴びながら

自転車をこいで出勤していると

週に一度は見かける草摘むおばさんがいた

公園にある小さなグランドのフェンスと

舗 ....
まつげが
長いから
ほかのひとよりも
うす暗い世界で
生きている

ときどき はっ として
息をとめている
チェリーを吸ってた
女の子

思い出すように
生きるから
死ん ....
仕事と寝不足
脂肪と食欲
恋愛と友情
俺の中のあらゆる紛争
人間はたくさんの不協和音の集合体で
社会はたくさんのたくさんの不協和音の集合体の集合体だ
積み木のピラミッド 一瞬で頭から崩した ....
  座るきみの膝に
  とうめいな猫がねころんでいて
  真っ赤なりんごを撫でている



  僕のじっぽんの指は
  オルガンの鍵盤に載せられ
  ゆるやかにだまりこむ
  ....
交差する
わたしは言葉を
絡ませて
たぐり寄せる
あなたを
口に含み
舌の上で転がして
奥歯で噛み砕き
身体中で一番深いところ
朝と夜の境界線が引かれた
あのなにも無い ....
懐かしいメロディ 繋がって

聞いたことないのに気に入って

でも 世に問うのは憚られ


いつも通る道に戸惑って

何もない後ろ 振り返って

また 昨日へと踏み出して

 ....
僕らのみている世界が正立像だなんて
根拠のない迷信なのかもしれない

大地は空で重々しく草も生えているし
空は大地で星が涼やかに流れている

僕達は倒立した空の道を車で走り回り
42.1 ....
カモミールティーを水の様に飲む

ラベンダーを鼻の奥に記憶させるくらい嗅ぐ

 どこかの民族系の音楽をイヤホンに差し込む

安らぎを懸命に起こす

呼び起こす 安らぎを

 それで ....
青々とした芝生

白いペンキの塗られた木造の教会
用も無いのに入り込み
環状六号線沿
歩道との間の
緑の生け垣を越え
仰向けに寝そべる

僕の視界には青い空しか見えない
誰も遮らな ....
夕べに
生まれた
小さな泡が
今日に
命の鼓動を始め
明日に
いつつの指を得て泳ぐ

空に
生まれた
小さな塵が
今日に
光の鼓動を始め
明日に
いつつの指を得て泳ぐ

 ....
空気人形、という言葉に
いつしか親近感を覚えるようになっていた



乾いた言葉たち
伝えたいことなどなにもなく

空気と同化するだけの日々
私の中身もきっと空気でできているに違 ....
春へ
迷いこんだ赤とんぼに
音信を宛てる
なんとなく
くち淋しくて
見知らぬ子どもの
懐かしい
薄荷の味する
はなうたをぬすむ
ぐらつく
奥歯のように
母音を舌で
ころがしてい ....
あまり歩かなくなった
うすうす感じてはいたのだが
認めたくない体力の衰えだった

そう
ほんの少し歩いただけで
ふくらはぎが痛くなる

筋肉痛は
ヒラメ筋って云う筋肉かなぁ

ヒ ....
老人ホームでは
いねむりするひとが多い
あっちで うとうと
こっちで こっくり
いっしょうけんめいに
ねむっている

そのしずかな風景は
さなぎの待機のようだ
白い髪にときが重なりあ ....
とうへんぼくが
ぼうっと立っている
とうへんぼくは
とうへんぼくなので
なにも考えていない
ぼうっと立っている間にも
鳥はさえずり
人ははたらき
とうへんぼくは
ぼ ....
映画が終わり
グラスの水滴が流れて
伝わっていく泉に
手を浸す
深夜のこと
頬にスタッフロールは
逆さに雨となり
取り返しのつかない
早回しにも似て
繁茂した
森の奥に隠されている ....
冬の海を見に行くことにした
しかし今は夏なのでそれも難しい
仕方なくわたしは「孤独」に電話を掛けた
――もしもし
――わたしだけど
――ああ、きみか
――うん
――どこか痛む ....
虫が鳴いている

秋の音させて

虫が鳴いている


遠く宇宙で星が瞬いている

遠くからだと瞬いて見えるのだ

遠く宇宙で星が瞬いている


何かが落ち着き

何かが ....
満ちているのか

それとも 欠け始めたのか

空に 照道の月 有り
虫の音 ひとつ



それにしても

わざわざ 酒を盃に注ぎ
うつして

夜も眠らずに私が こうして月 ....
上半身はだかの子が
全身でじてんしゃをこいでいる
大きなじてんしゃのおかあさんの後ろを
ちいさなじてんしゃでついてゆく
まるくなって
前だけをきっとみて
回転する足が
うごくうごくうごく ....
牢獄が私の家だった
手枷をジャラジャラと鳴らし
監守の持ってくるまずいパンと汁を待つのみの
私はそんな女だった

ある日
男が来た
男は理解できない言葉を
とても丁寧に話 ....
「つばめ」
          木の若芽

雲の流れる川が少し明るんだ正午
雨がすむその奥から小さな点があらわれ近づいてくる
あれぞ 勇気の鳥 つばめは
雨ぎらう空をみごとな滑空 また上昇 ....
鳥の
輪を描くように
腕の中で時計を
守ってほしい
日に細かな気泡の浮かぶ
ガラスの器に
首の折れたストローを挿して
二重になった影を
辿ってほしい
絡めた指先から
震えとともに
 ....
街中で知らない人と沢山すれちがう

わさわさ人

つつつ つつつ
つつつ つつつ

つらなる人と私

駅につきすれちがう視線

電車に乗り窓の外を眺めていると

つつつ つつ ....
あなたはその(目)を視たことがあるか? 
私はその(目)を視たことがあるか?

ほんとうの(目)はいつも 
鳥の羽ばたく虚空から 
世界の物語を眺めている 

私はあなたを視たことがあろ ....
純粋だけでは生きていけない
人間関係が上手くないと
生き残れない。
愛がないと生き残れない。

短気は損気
カッと来る感情を押さえ
苦しんでいる人を助ける。
はぐらかす事も必要

 ....
巨大な扇風機をもってしても
私のなにもかわらずに
ぐるぐるとかきまぜられるだけのようです

この扇風機は私がもってきた
うまれたときからずっとずっと
かわれかわれと願いながら
この道 目 ....
ひとりで仰げば尚更に
山野の月はきれいです

涙は
雲居をわたる舟

契りは
雲居をてらす舟

言葉が透ける霧の夜は
山野の月がきれいです

あまねく水面は
古巣です ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
再生- 三田九郎自由詩2*12-9-7
一人だから楽しい- 番田 自由詩312-9-7
草摘むおばさん- 灰泥軽茶自由詩5*12-9-7
チェリー- はるな自由詩612-9-7
不協和音- 新守山ダ ...自由詩212-9-6
とうめいな猫- 草野春心自由詩712-9-6
さこよんうになちらは。- peau自由詩2*12-9-6
明日への帰り道- 短角牛自由詩112-9-6
屈折点- 梅昆布茶自由詩1612-9-6
カモミールティーの底- 朝焼彩茜 ...自由詩1012-9-6
夏ーエスキース- ……とあ ...自由詩8*12-9-6
星という海星- そらの珊 ...自由詩1512-9-6
空気人形- 三奈自由詩16*12-9-5
郷愁- sample自由詩412-9-5
ひらめの筋肉痛- 板谷みき ...自由詩3*12-9-5
しずかな午後- 朧月自由詩9+*12-9-5
とうへんぼく- 田園自由詩10*12-9-5
眠りの淵で- 春日線香自由詩612-9-5
“い”はイチジクの“い”- 青土よし自由詩4*12-9-5
秋の音- 吉岡ペペ ...自由詩712-9-5
車中泊- ぎへいじ自由詩3+*12-9-4
自転車をこぐ少年- 朧月自由詩312-9-4
牢獄の女- 田園自由詩512-9-4
つばめ- 木の若芽自由詩312-9-4
灯台- 春日線香自由詩612-9-4
かずのこ- 灰泥軽茶自由詩8*12-9-4
目について_- 服部 剛自由詩612-9-3
あこがれ- ペポパン ...自由詩5*12-9-3
風の球体- 朧月自由詩312-9-3
山野の月- 千波 一 ...自由詩6*12-9-3

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