温泉にポニーテールの雪女
時の揺らぎ
後から来たものが先になり先にいたものが後になる
風の凪がれ
ミステリーサークルの中で営業している金魚すくい
何を表しているんだろう
(営業しているとしたら)
四つ角のマネキン人 ....
言葉が厚いナイロンシートの
壁にぶつかって流線形に歪む
喋るのは得意ですが独りです
世界は四角く私たちは丸いと
思っていたのに傾いた地軸に
逆らえない街の人と通じない
回転しなが ....
何処に行ったのかしら
私の膝と、温かさに溢れる秘密
高い背中を見ていたら
今日もいつの間にか夕暮れ
琥珀のグラスを傾けて
少し煙を燻らせて
その指、滴、氷の音
眠る私の華を誘う
ほ ....
静かな 夜半のことだ
やせ細った月が 薄く流れる雲を照らして
とぎれとぎれの 心細い街灯を にじませている
昼でも閉まっている商店街には、
野良猫の姿もない
凍える自分の足音だけ ....
時が支配者であるという命題に
生は何時も屈服する
1日は24種の蒼い乾びた血液から成り立ち
時を忘れた瞬間に赤い血流は体内を巡る
生の瞬間は忘却に潜んでいる
小さな人間の小さな脳内に
....
人の不幸を祈るようにだけはなりたくないと願ってきたが
ふとくちずさむ怜子
噴水はその尖端から凍りゆく わたしも液体を手放してゆく
目を閉じてうしろむきにすすみます一メートルがわたしの限 ....
指先が触れる。
指先が動く。
私の一日がはじまる。
ことばを書くことは、
身体の一部のようなもの。
私がそっと、
何かの気配や、
匂いを感じただけで、
そこからもう、
物語がはじま ....
しろいつららが
落ちてきそうで 落ちてこない午後
まぬけな顔で 口をあけて
なんの涙か 涙さえうかべて
あなたがその 錆びた屋根をみている
ぼ ....
let go
あなたの服に嘘が付着する
夜がこぼれミルク瓶に詰められ
わたしの朝に届けられる
speak
濡れ衣という緑茶に茶柱がたつ
旋律をねり込んだスコーンを焼く
あ ....
私たちが普段
眺めている雲は
お尻だ
顔は宙に向けられている
中空を飛ぶ飛行機が
教えてくれた
お尻は垂れて
砕けて
地に届く
顔は
白い炎のようで
群がる羊のようで ....
160123
ラジオは浄瑠璃の義太夫節を鳴らしている
声は無いから三味線だけだ
第一放送は「今日の短歌」読者投稿に選者が好意的な評をつけ、相づちを打つコンビを組 ....
http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=5297070#11473220
即興で詩を書くサイト 即興ゴルコンダ仮の今回の御題は【はなして】です。
みな ....
「愛されるのなら玩具だっていい」
鉛の兵隊たちは次々に
暖炉の中で溶けおちてゆく
祈りの時間
夕飯のあと僕たちは煙草を回しあう
そしてみなしごの少年たちは愛し合った
誰もが生まれた頃 ....
冷たい風が鼻を折る
国道を挟んで対面から歩いてくる
久しぶりに見た欅の少年
あれはいつか晴れた日の青空に
いつも手を引かれた二人連れ
くねくねと大きな身振りと直角に折り返す手足
何かを ....
私の雀を買ってください
5羽で2アサリオン
珍しい声で鳴きます
夜は静かに眠ります
寝言は言いません
寝返りも打ちません
夢はよく見ます
汗びっしょりで
目が覚めることもあります
け ....
けだるい朝
仕事に行くのもおっくうで
とりあえずコーヒーでも飲んでみる
そういえば
全てのものには重さがあった
部屋のサッシのガラスにも重さがあるし
この蛍光灯にも重さがある
....
眠れない夜が不気味に笑っている
雪を含んだ荒れ狂った風がふくとき
懺悔をすることにしている
だれにも聞こえない声で
してしまった罪を告白する
あしはますます重くなり
背中は痛いほど冷たくなるのに
心だけがぽっかり ....
ぎぼうしゅの咲く頃
おばあちゃんを 思い出す
上の橋の欄干には
玉のような 不思議なソフトクリームが
乗っかっちょん
舐めても 冷たくない
それは 真夏の安らぎ
せせ ....
鋳掛屋は大阪付近では昭和40年代まで見かけたのだとネットには書いてある。西暦に直せば1965年から70年くらいの期間、日本国が美しい国から、あまり美しくない、やけに忙しく伝統を捨てて、国土開発の名の破 ....
ぬるいまどろみのなかでみた
せつなの夢の裾の感触が、
この指に絡みついてはなれない。
けれど、
ひとつの、
拭いきれない痛みがある。
痛みはこの胸を貫こうとするが、
せりあがる熱に溶かさ ....
ようふくをたたむ
しょっきをかたづける
とうふをましかくにきる
みずをのむ
おりがみをおる
よみかけのほんをおく
べらんだにでる
ほしがでている
いまをととのえる
くつしたをはく
....
吹雪いていたその日
子供のころは犬になって走り回ってた
溶けかけた雪膝が骨を出しては
小さく苦笑い
だんだんと汗を拭い
だるまもう少し頑張れ
頑張れと強く息を吐き
雪が降る雨になる ....
誰一人隣に立たないホームで
北風に吹かれていた 骨の体
私は屍 どんなときでも
死の言葉が不意に口をついた
電線にとまるカラス
黒い数珠のように
とおくで丸く連なる
夕暮れの黒に
まぎれようともせず
ひとりがすきなくせに群れている
だれかが羽ばたけば
みんなとんでゆく
その連なる黒い ....
誰だプールにピラニア放ったの
俺の金魚が喰われちまってる
金魚のハナコが喰われちまってる
風を読もうとして
青空の中に人差指を立てた
風上から風下へ
紙飛行機は滑っていった
時を堰き止めたくて
夕焼けの中で小指を絡めた
川上から川下へ
笹舟は忘れ去られた
水面に ....
【燃える一週間】
大切な行事のための火は尊いけれど
大事に至ってしまった火もまた うるわしい
漆黒の空に 炎の ....
まんげつがほほえむから
とてもはずかしくなった
ほしくずがまたたくから
もっとくずになった
したにはしたがいるとおもい
ちじようをみわたしたら
いがいとこのまちはきれいで
はずかしくては ....
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