教室ベランダ紫陽花と
舞い踊った校庭の砂
瞼を閉じてゆれる
きみの前髪
泥を沈めた水田が
澄んで
さかさまに写す
熊笹
イタドリ
蕗
ヒメジョオン
ミズナラ
ブナ
岳樺
胡桃
落葉松
槐
ヤチダモ
山はまだ若い緑で
ふんわりと盛り上がって ....
きょうはいちめんのくもり空に
名付けようもなく座っている
こんどこそきちんと
この世界から手を離そう
ぶらんこ乗りたちが出会いを繰りかえすように
「ロケ地が このビルなんてさ」
ドラマのロケ地で実際に働く 女性は女優ではない
朝6時入室 入室ご蛍光灯スイッチをすべてON
17時 続々と「おつかれ」とか言い合い
ド ....
ゆで卵じゃなかった
視界の開けた農道の十字路で
車同士が衝突する死亡事故が
今年二件も起きた
屋根の上の仕事師は言う
屋根の上が安全です
棟は細くておっかないって?
歩く足の幅が有れば十分 ....
その憤りは私が引き受ける、と靴が言った。
舟を漕ぐ。
昏い水面。
舳先の灯りに、身をよじるさざ波。
ぐっと櫂を引くと、私とおなじ力で、圧し帰してくる
水の確かな、手応え。
立ちこめるミルクの霧を透かしても
目指す岸辺がどこ ....
ゴリゴリと命を削り生きてみる
飛び散るのは、魂の欠片
それが言葉だろ、詩だろ
季節の企みはいつも残酷で
美しい踊り子達が咲き競う
真夏の舞台に素裸で引き出され
お前も踊れと囃されている
毒で相手をとり殺す化け物と
囃されている
あるいは
冬枯れて朽ちた安穏と
....
何にも手につかない昼下がり
いたずらに伸びた髪をくくって
裸の目には世界は曖昧にしか見えない
外から支配する微熱が
指先から内側へ忍び込んで
たまらなく逃げ出したくなるから
足元で丸くなる ....
もう乳に触りたい以外夢もなし
部屋の隅に座り外を見やる
網戸に絡まる虫の群れ
諸行無常の響きあり
もう乳に触りたい以外夢もなし
赤とんぼ 無数に浮かぶ 夕まぐれ
あの石切り場 遊び呆けて つまづいて
ちょっとこころをおいてきた
指切り忘れて ふりかえる
鼻水垂らしたあいつやら しょんべんちびったあいつやら
みんな ....
遺言聴いてないことにしてる
海のない街に錨を下ろす
日曜の朝 僕は生きていた 相変わらず
美術館に行こう そう思った とても縁遠い生活だ
生活もできていないかもしれない
僕のなかには整理されきちんとしたものなんて何も無かった 歴史さえも
ア ....
#
さびしさが一輪咲いて
ほら風にそよいでいるよ
きのうも、
あしたもあさっても
♭
いつかのうたが立ち去りがたく
苦いの我慢してお薬飲んでる
#
か ....
静かな 絡まらない 単調に打つ 更ける思考回路
夜は 静かな 深呼吸を海水が触った砂浜を歩く時間
明日も仕事 明日は明日のこと
今宵は 物思いを 白線に直し 明日またスタートさせよ ....
これ以上なにを見れば
生きていることになるのか
体じゅうに種を植えた
女が泣きながら踊っている
ケチャップ切らしちゃってと
大人の笑顔で彼女は言った
僕の目の前に置かれたのは
ケチャップがのっていない黄色い肥満体だった
まあいいさとスプウンを入れたのだが
腹から出てきたのは ....
月日に月日が掛け算されて
人と人とが割り算されて
登りなのか降りなのか分からない階段を
一段ずつ 時には一段飛びで
川底に延々と流し続けた
枯葉は月から降ってきて
腐ることなくきらきらと石 ....
まだ天国にはいきたくない
油断が私を空へと打ち上げる
真っ直ぐ飛んで行く体
その姿から私は花火と名付けられた
とはいえ致命的な飛翔は数えるほどしかない
一度目
生まれ落ちた瞬間
....
表現というものの一端に
はじめて気がついたとき
唐突に悟った
あぁ
自分の中は空っぽだ
……良かった
自分という容れ物が
ちゃんとあることに気がついたのだ
借り ....
閉じられた瞼は
眼球にやさしくかけられたさらし布
或いは
フリンジのついた遮光性の高い暗幕
時折
なにかに呼応して
波打つように
揺れる
ベビーカーのハンドルに止まったちょうち ....
空と土地がある
荒れた土くれと錆びた鉄屑、
瓦礫が風に耐えている
影の大部分を失って
陽光があふれかえる
容赦ない時間が過ぎていく
この土地は眠り続けている
満天の ....
濡れて花 あざやかに
なびく風 匂い立つ
雨そそぎ しめやかに
夏を待つ 水無月の
その色は 深く濃く
ひかりの雨 纏う ....
薔薇が月を包み新しい星になる
ガイアに斜陽族の住み家が・・・・
と言うと気障だが
猫背になった半生
その古ぼけた廊下のかなた
老化の狼火が見えはじめた
あたかも妖精の弄火のように
....
人生というものは本来
純粋なものなのか
という素朴な問いに対して
年上の彼の立場としては
人生はかなりのものが不純物で
出来ているという話をしていたはずだった
ここに座って
潤してい ....
アニマとアニムス
男のなかの男(あ)、と、男のなかの女(い)
女のなかの女(い)、と、女のなかの男(あ)
男は(あ)で生きていて、女は(い)でいきている
男のアニマは(い)で女のアニム ....
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