起きた時喪失を感じる。夢を遡り昨日を遡り、どんどん過去へと逃げていく私の心の半分。私は朝起きるたび心が半分になる。そして、過去へと遡って行った心は決して帰ってこず、その代わり消え去った思い ....
悪い夢ばかり見る
いつも笑えることとか
いつも美味しいと思うこととか
すこし亡くなってしまうくらいの
風が強く吹いている気がして
精一杯手をこすっても
どんどん冷たくなっていく ....
写実と抽象
溢れてくる
水のように
時に
ドロリと油のように
とめどない
そう思いたい
いくら湧いても
無価値であることがルールだから
銃や世論や爆弾
情勢や圧力で
制圧され奪わ ....
私が不治といわれる病気になった時
学校のことや
子供会のことなんか
代わって引き受けてくれたママ友に
「いろいろごめんね」と謝ったら
事情を知っている彼女は言った
「そんなこと、気にし ....
ひとり双六で『1回休み』のマスにとまる
ポケットは好きだ。
もし、この世界からポケットがなくなったら、ぼくはきっと、お猿さんになっちゃうだろう。いちばん好きなポケットはダウンジャケットなんかについてる、ハンドウォームポケットっていうや ....
暗闇の中で
夜眼のきかない私たちは
離れ離れになり惑い
不安げに歌を口遊む
重ならない音
不協和音が大気を揺らす
世界中が苛立ちで満たされる
夜
もっと明るいうちに
互いの眼 ....
わたしを見て
瞳に映るわたしだけがわたし
わたしがわたしでいるために、わたしを見て
大陸を渡り海を越え
渦を巻き
街を空を
夜を冷気をかき混ぜる
降り落ちた闇を雪をまき上げ
小枝を折り幹をしならせ
あらん限りの嘆きを呪いを
憎しみを籠め
声を震わせ
吠える
呻る
....
流行が一周するまで着続けている
懐かしいという言葉を話すと
鼻の奥がツンとくる。
春はまだ来ないが、
冷たい風が吹いている。
君と二人、風に乗って行けるものなら、
君の生まれ故郷のこけし橋の欄干に行きたい。
....
死ぬ時が来たとして
痛みを抱えているのか
苦しみを抱えているのか
その時の自分はどんな感覚なのだろうか
想像しても
想像しきれない
死ぬ時の体調、心象、環境、諸々
読み切れ ....
『お母さん、最初から一緒に寝てほしいの』
『あのね、お母さんは忙しいの。
後で行くから、最初は一人で寝ないとね』
今夜も娘は
テディベアを抱きしめて寝ている
その規則正しい寝息を確認し ....
己の罪の数だけ
要らぬ蕾をつけるがために
言葉と孤独を闇に吐きつつ
切ない光合成を繰り広げる
届かぬ時空に
半端な想いを投げ上げて
何もつかみ取れない握力を
夜毎くどくどしく恨み ....
今度露胃チン
日有るロンさん
グル濃さ眠
ポリフェノール
リコピン、セサミん
イソフラ凡
一歳でも若く見られたい
一日でも長く健康で過ごしたい
ぴんぴんコロリが理想です
認知症だ ....
どうしたいんだ
雲になりたい
何をしたいんだ
告白したい
楽になりたいんだ
言葉を吐き出して 自分だけ楽になりたい
答えがでないんだ
三次元から飛び出して
....
やかんに水を入れて火をかける
ぽつぽつとやかんが
今日あったことを
私のかわりに
喋り出す
こぽこぽと
良いことも悪いことも
とりあえず言葉にすることで
ふうっとため息
すうっと深呼 ....
日本にはね
本当の荒れ地も 砂漠もないんだよ
確かに
火山の荒れたガレ場や 海浜の砂丘は
あるけれど
それは 緑豊かな大地のツマ
それがあって
それも含めて
大地は一層美しくなる
....
雪雲が覗いている
疲れた卒寿の独り暮しに
隙あらば発破を仕掛けようと
庭木も垣根も身もだえしている
そのうえ 漆色の夕陽と
きつい北風に 門扉さ ....
おとぎ話が我々を物語る番だ。一本の蝋燭の火の下、髪の毛を上から植え付ける晩だ。我々はつい昨日まで高校生だったようだ。ほんの2日前には母親の乳に夢中で吸いついていたようだ。言葉を憶えたのが本当にたった今 ....
【閂は開かれる】
閉ざされた記憶の門のかんぬきが
思いがけない方法で開かれることを 私は知った
たとえば 少女の髪にあったリボンが
ほどかれた瞬間に急に大人び
何かを失ったかのような遠い ....
赤銅色の振り子の
陰にかくれ 笹船をほどいた
幼い女児の はにかんだかなしみ
そのときも わたしはうずくまっていた
わたしは なにかをかぞえていた
夕焼けのう ....
人には全裸になっても
見えない部分があります
隠しているわけではありません
母は江戸と背中を見て死にたい
と言っていました
その頃
江戸はもうありませんでしたけれど
背 ....
夜は大きな墓場だから
光が絶命する静かな穴だから
雪はただ意味などなく
微かな感覚だけを残して死んでいく
雪はただ理由などなく
微かな過程だけを残して消えていく
夜を泳ぐまばゆ ....
どこかの車両から低音が伝わってくる
その音は僕をまだ眠らせない
泥で塗りたくられた夜を
ネズミとなって跳ねる
深緑の池の表面を低く銃弾がはしる
僕らの内臓という内臓から放たれ
夕顔や街 ....
あちらこちらから出ている
無色透明の湧き水
遠くから汲にくる人々
料理に使ったり風呂に入れたり
使い方は色々あるらしい
土日は行列が出来ている
人気が高い湧き水
肌が綺麗な人が多 ....
君だけ流星を見て大人になってしまった
明日流れる涙となる梨を喰う
細々と清らかな
自我を削ぎ落したような声の集合
僕らはみんな生きている
生きているから歌うんだ・・
なにかもっと
違う歌を歌えばいいのに
コミュニティセンターの廊下に
西日はさし ....
古ぼけたルノー
牛久のロングブラック
夢乗せたバンの500%の駆動は
5年経ち
とうとう銀河鉄道の軌道に乗った
遠く手を振る私に
ホゼさんはピンクの宇宙ステーションで
星屑を煎ってい ....
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