冬のベランダに
月の光が降り積む夜は
白く凍えて眺める空に
故郷の庭を思い出す

月の白い光にぬれて
赤いつばきも 寒菊も
色吸い取られ白く震えていた

就寝前に外の便所
白い庭に ....
鬼の子に『桃太郎』を朗読させる小学校教師 まだ自転車に乗れなかったころ
ともだちの自転車を借り
田舎の緩い坂道をおそるおそる降りながら
何度も練習していた

不思議なことにあるときすっと自転車が自分のものになる
そんな瞬間を体験し ....
人間の蛮行を悲しむのは
人間だけなのであろうか

諸々の神を世に送り出し
それを受け入れた者達は

神に事の真意を問い続け
贖罪の何たるかを尋ねて

今日もまた祈り続けては
神の悲 ....
盗まれた
この小さな庭に差し込む光の
わずかなパンの欠片を啄む小鳥の
瞳に反射するわたしの
明滅を繰り返す魂の
内側へと続く戸口が
目の前で閉まってしまう夢と

裏返った
あの ....
真っ赤な花が白い雪でくすんでいる
赤が赤になる前に白がそれを遮り
白が白になる前に赤がそれを遮った
花と雪とが小さな組合を作り
花が風景を焼き過ぎるのを雪が消火し
雪が風景と睦み ....
短い時間 さささのさ
書きたくなるの 

子共のことも
オッサンねこも
季節のお知らせや
ぐちぐちだって
悪玉菌の回答だって

ネタいっぱいで書きほうばって ひとりでに
そよぐアタ ....
守り子の唄は 灰色の雨に滲む
擦り切れた赤い帯の 風車が回った
竹田じゃ雪に変わって トタン屋根が
静かになる しんしんと寒さだけになる


姉さまは 池に身を投げた
三条のぼんぼん ....
吹く風に逆らわない。
それは吹かれるまま
流されてしまうのではなく、
その風を味方につけて。

風はきっと良い所に運んでくれる。
きっと素敵なことが待っている。

今ま ....
人間関係に悩む鬼がタロットカードをめくる 鏡に向かって
眠気と髭を剃り落していた朝
くたびれた自分の顔に重なるように
ふっと浮かんだ父の輪郭
丸くて憎めない
目の記憶

電車の中吊りは
気の早い春の旅への誘い
オーデコロ ....
ひとつも
うまく言えない気持のする
2月
ぼうと立ったまま

こころのなかで
頁を繰って
見つけます
いとしいかわいいやつら

あなたはもうあなたになりましたか
森の手前でと ....
     しゅんしゅんしゅんと
     蓋をカタカタ鳴らしながら
     やかんがじれている
     それを尻目にガリガリと豆を挽く
     ペーパーフィルターの二辺を
     丁 ....
ピアスを開ける勇気がない鬼 光の結び目に降る雪は
まだ永い夢を食べている
砂が敷きつめられた部屋を
風がひとり歩いてゆく


黒に黒を足して樹々になり
額の端のついばみを数える
銀から蒼へ至る ....
月見団子を見下ろしながら一本の芒が微笑んでいる 気をつけてねって云われて火をつけてしまったぼくらはどんな色も内包することができない孤独な白であるところのたてしまという島へ行ったらしまうまになってしまった 七月のある日 兄は ぼくを呼んだ
風通しの良い部屋に一人伏せていた兄は
「今度は帰れないかも知れない」という
「弱気なことを…」
ぼくはそう言ったきり次の言葉が出ない

幼少時父も母も病で ....
翻弄されたくないのです。

嵐の夜に
波に飲み込まれた流木は
人の様相を呈していました
唯一の導きである昴さえ
雲に隠れて
あの日花の種は暗く
水底に沈み込み
死んだのでした
溺れ ....
 
ひとは、これほど醜いのか

愛は、これほど弱いのか

ただ祈るしかないのか



※2005.7.7 ロンドン同時爆破事件の日によんだ詩
 今、一度


 
山を登り汗をかき
服を脱ぐ
上半身裸で
身体から湯気が出る

冷たい風が
木々を揺らし
光がまばたき
葉脈の枯れ葉が
ひらひらひんやりと
肌に沁みこみ
私は透き通る
葉脈のよう ....
冬の蛹が、
春になると、
蝶になって夏に舞う。

心のなかは、
なにもなくなって
風が吹き抜ける。
それでも白いワンピースは
新たなる期待を孕む

生まれては ....
時代遅れの男ブーム ヒヤシンス
強力に上目使いで
我を見つめる花


急速冷凍と氷畑
どちらが早いか
徒競走しよう


水溜りに埋もれた嘘を
ゆっくりと取り出す刹那
亀の形に成るでしょう
 ....
頭に計算機を詰め込んで
公園でチャンバラごっこをする
ヒーローたちは
世界を救うはずもなく
砂の城を蹴り崩した跡に
旗を突き立て
誇らしげに胸を張る

「ひとりはみんなの為に、みんなは ....
一面の雪の朝
私は
兄とかまくらを作る
田んぼ中の
雪を集めて

できました
私たちの秘密基地
しゃがんで入れば十分余裕
通学路からも
はっきり見える
不格好な雪の家

それ ....
ごはんできたよ と 声をかけても
テレビから離れられないでいる
夜の器に盛られた農場は テーブルの上で
少しずつ ふけていく


ブロッコリーの木に
間違えてよじ登った子豚は
降ろ ....
ところで君がいなくなった後の
この世界についての話をしておこう
君がいった後
ぼくらはあのマンションを引き払って
少し不便だが
旧華族の邸を改装した
郊外の物件を購入し
そこへ移 ....
時々思い出す
二段ベッドの下のうすい隙間に
うつ伏せになって潜りこんでいたこと

とても気持ちが落ち着きほっとする
目を細めると
奥の奥へその先があるような
私はぺらんぺらんになって
 ....
若者が過去を振り返るのは
夢を実現するため
老人が過去を振り返るのは
夢を楽しむため
でも 
若かった過去へは行けません

***

別れるまで一度も名を呼ばれなかったからっ ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
月の光が降り積む夜は- イナエ自由詩11*15-2-6
鬼の子に『桃太郎』を朗読させる小学校教師- 北大路京 ...自由詩1115-2-5
自転車に乗って- 梅昆布茶自由詩2215-2-5
嘆きの神・・・- tamami自由詩1015-2-5
give‐and‐take- 衣 ミコ自由詩6*15-2-5
花と雪- 葉leaf自由詩4+15-2-5
さささのさ- 朝焼彩茜 ...自由詩15*15-2-4
戻り橋- 藤原絵理 ...自由詩415-2-4
- chiharu自由詩9*15-2-4
人間関係に悩む鬼がタロットカードをめくる- 北大路京 ...自由詩415-2-4
記憶- nonya自由詩17*15-2-4
- はるな自由詩1315-2-4
束の間- 石田とわ自由詩14*15-2-3
ピアスを開ける勇気がない鬼- 北大路京 ...自由詩615-2-3
水と手のひら- 木立 悟自由詩415-2-2
月見団子を見下ろしながら一本の芒が微笑んでいる- 北大路京 ...自由詩215-2-2
よこしまなきみとさかしまなぼく - 阿ト理恵自由詩8*15-2-2
寒い夏- イナエ自由詩22*15-2-2
こわがり- 衣 ミコ自由詩6*15-2-2
祈り(テロの日)- 殿上 童自由詩20+*15-2-1
葉脈- 灰泥軽茶自由詩915-2-1
- あおい満 ...自由詩615-2-1
時代遅れの男ブーム- 北大路京 ...自由詩415-2-1
うつむきの花- 藤鈴呼自由詩3*15-2-1
サンジュウシ- 衣 ミコ自由詩215-2-1
雪の家- umineko自由詩16*15-2-1
夜の器- あるみ自由詩11*15-2-1
空への手紙(ヘンドリック・シリーズ)- オダ カ ...自由詩5*15-2-1
二段ベッドの下- 灰泥軽茶自由詩915-1-31
歳を取ったと気付かないあなたへ- イナエ自由詩9*15-1-31

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