とても綺麗な青空だ
とても自分が
無価値な気がして
黒い塊が胸いっぱい
それでも
この花束を
君に この花束を
エッフェル塔に登 ....
軽はずみな言葉ほど
健全なものはないからね
自然な
なりゆきの
その背にわたしは乗るよ
いたわりと偽りは紙一重
無情と無償は紙一重
流され過ぎた挙げ句の空 ....
難しい言葉を並べるのだけが詩ではない
と陽だまりに抱かれたばあちゃんが言った
ちょうど春の終わり頃
小学校で書いた詩を先生に褒められたあとだった
知っている言葉をずらずらと
....
全てのものは
混沌としている
一秒だって止まることはない
絶え間なく
濁りつづけている
ぬかるみに
足をとられたとして
転んでひざをすりむいたとして
傷口がしくしくと傷んだと ....
ただいま凧が
ひっかかりましたので
取り除く作業のため電車が遅れております
掲示板の文字が流れた
お父さんとこどもかな
そうあってほしいような
別に怒る人もない昼日中
正月もすぎ ....
もう少ししたら
野焼きの季節になりますね
ふるさとの枯れ野に
火がつけられ
冬がおしまいになるでしょう
あなたには見えないけれど
焼け焦げた残骸の下には
根が生きているのです
春に ....
ひとは知らずに響きをのこしてゆく
希望の響きばかりではないが
きみが生きた証だと信じている
それは言葉の流星群となって
僕の夜に降り注ぐのだ
そして花火のように弾けて燃えつき去っ ....
凍てついた北風に
千切れそうな私の耳が
ちぢこまって 蝸牛
冬枯れた街には
緑も少なく 小鳥もいない
鉛のような 空が重たい
春がこないかなあ……
声に出したら
一歩だけ ....
新聞屋の女の子
お店の窓を拭く
前の車に営業マン
後ろの車はお父さん、その助手席の男の子
みんなまとめて
彼女の虜
一分三十秒のアイドル
サイレント映画、字幕無し
輝き ....
自分が書きたい詩を書くこと
読みたい詩が読めること
それだけの為に
命をかけていた
「おしん」の最終回のように
かつて、我慢に我慢を重ね
頑張る姿が人の感動を
呼 ....
懐古的メソッド
安定の不安定で
冷蔵庫を攻撃する
よく冷えている
中性的で静かな暴力
傷だらけで枕とおしゃべりをする
朝より夜が好きだよ
やさしく首を絞めてくれるから
太陽より月が ....
知っていますか?
あなたの手の温もりを
それは、温かいのですよ
北極の氷よりは、少し
知っていますか?
僕の名前を
僕の名前は「noname」といいます
....
闇 孕むひとよ
陰 孕むひとよ
涙 孕むひとよ
死 孕むひとよ
愚 孕むひとよ
悪 孕むひとよ
憎 孕むひとよ
あなたたちはいつか敗北する
光 孕むひとに
陽 孕むひとに
....
ふところ広いあの人と
度量のちいさなあの人の
中ほどあたりが
わたしです
勇猛果敢な眼差しと
こわごわ逸らす上目遣いの
中ほどあたりが
わたしです
ひとの間に
ひ ....
青い空
野
風すぎる
小さな水の星の
覚める
さようなら
いつの日か
あの日のことを
思い出す
その時そこに
わたしはいない
月夜ひんやり
みなもに映る
....
ひとつの問いが
私の上に落ちてくる
飛ぶ空を失くした
鳥のように
無数の鳥が
私をめがけて落ちてくる
羽のない
石つぶてのように
私が空へ投げ上げた石
虹色の放物線のむこうか ....
大切にしたいものがありました
それはひどく不器用で
武骨ななりをしておりました
それのどこに惹かれたのか
....
どどんがどん タタントタン ガタントトン
レールの継ぎ目が歌うよ
子守唄かもしれない
眠気を誘うのだもの
夜明けに到着を告げる車掌のアナウンス
知らない土地の白銀の風景が ....
雨が降っていると
みんなは傘を差した
だからって、雨は傘を憎んだりはしない
雨はただ、降っているだけ
忙しいサラリーマンはタクシーを降りると
天を見て ....
他者批判と云う毒にも薬にもならないものを
幾重もの儚い言葉で包んでも詮無いと解らず
今日も薄ら暗い厨の隅で包んで喜ぶのだろうか
相対を作り出す意味について
自覚があるのだろ ....
海から陸地へ踏み込んだ
小さな町の橋のたもとに
蟹が一匹蹲っている
蟹が蹲っている
こんな陰気な場所に
遁れてきた蟹に
哀れを感じて
指をやる ....
豆まきをして鬼を追いかけているうちに
私は鬼に追いかけられていた
どこまで行っても鬼は終わらない
だから私は追いかけて
追いかけられながら
ひとつの時代を走りぬけることにした
....
心が干からびる前に
できることはあっただろうか?
言葉を失くしてしまう前に
言うべきことはあっただろうか?
伸ばした手は虚空をつかむ
無数の手が天に伸ばされる
それぞれの手は繋がること ....
きみはぼくに
ただ一言の問いかけをした
夏、
夕暮れのきつい光が
少しだけ漏れる部屋で
きみはぼくに問いかけをした
どんな手がかりも
....
海を知らないのに 波のように
風に這われた雪が空中に駆け上がる
道路から 枝から 積もった雪の壁から
風の爪となり 冬の刃となり
波から眼をそらせば とらわれたハンドルが
凍る道に ....
まどろみの午後、鼻毛を抜いていた
おや、白いのが一本
ちょっとした目眩をおぼえながらも、また鼻毛を抜くことにした
冬も真剣
春も真剣
季節をまっとう出来たなら
勝ち負けなんてどうでも良い
きょうは季節の関ヶ原
天下分け目の大決戦
三寒四温の趨勢だから
春の勝利は分かっ ....
僕たちはなんのためにボブ ディランを
きいてきたのだろう
少なくともこのユダヤ人の歌は
娯楽ではない
でもトークブルースとしては
とても素敵だ
NHKで放映されたドノバンやジョ ....
雨に濡れてるブランコはいつもより空が近くにありますから、楽しいですね。でも、片道切符で乗ってはいけないと書いてあるのは何故でしょう。
風がふくたびシーソーが揺れるので、目に見えない何かを計れるよ ....
風は光にあこがれる
道が光る
海が光る
光が光る
風は光を持たない
風は色を持たない
わたしたちが見ているのは
風ではなく
風の通った跡
風の通り道
風の過去の姿
そ ....
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