目がさめたら
やけに喉が渇いていた

水を飲もうと
池のふちで
身をかがめると
なぜか
バランスを崩し
水の中に落ちてしまった

泳ごうとしても
体は重く
水の底へ沈んでいく
 ....
何だかわからないけど不安だ
夜あまり眠れない
食欲がない
性欲がない
何にも興味が持てない
生きる気力が湧かない
とお嘆きのあなた
そんなあなたに朗報です
飲むあるいは射つあるいは炙る ....
私は十三年間
薄暗い工場の中で
機械の一部になって働いてきました
小さな子どもを連れて離婚した
若くもない女には3Kの仕事しかなかった
子どもを保育園に預けて働いた

毎日々
ベルトコ ....
うわのそらに溺れる 鏨(たがね)を打ち込む

光沢のある表面に
一閃の傷をつける
堅固な光沢のある表面に
鏨(たがね)を打ち込む

切断する術は腕一つ
振り下ろす鉄槌の微妙な躊躇は
表面を滑り鏨(た ....
Vの発音 Vの発音 Vの発音 Vの発音
言語聴覚士に何度も発音を矯正される
だけどまだできない
標準的なVの発音

ボールを投げて キャッチして
ボールを投げて キャッチして
作業療法士 ....
銀盤の周囲には
金や策略やら
得体の知れない黒いどろどろが
埋まっているとかいないとか
それと比べたら
ライバルのスケート靴に
画鋲をいれちゃうなんて
(そういう少女漫画があった)
わ ....
父は今日
返事をしなかった
話しかけても

目だけはじっと
私をみていた

まゆみだよ
わかる?

といっても
黙っていた

聞こえる?
と聞くと
うなずいた

声は ....
洗濯物の模様になって
取り込まれたテントウムシ
手足を縮めて
ぼく死んでまーす

アジサイの葉に
赤と黒の水玉模様
手を触れれば地面に落ちて
ころころ転がり
ひっくり返ってぼく死 ....
金属の目録に眼を通した
あらゆる色彩がひび割れる時刻に
百万年かけて落下する思考の速度で

澱んだ大気の底に広がる地衣類のような
無数の金属の結晶が犇めく都市の上空から
走査電子顕微鏡 ....
熱燗の、おちょこの横の
受け皿に
五匹のししゃもが銀の腹を並べ
口を開いて、反っている

いつか何処かで観たような
あれはピカソの絵だったろうか?
絶望を突き抜けてしまった人が
空を仰 ....
セックスからはじまる現代詩
それは、
無駄に多い性描写
童貞のまま月にたどり着いたロケット

セックスからはじまる現代詩
それは、
風景に溶け込めない看板
ギラギラよりラギラギした看板 ....
釣り堀で釣りをするのがすきだ
どこへもいけない水の底で
大きな魚がひそんでいる

敵は慣れたもので
エサが沈んできてもあわてない
口先でふれては
はねかえる糸がエサを落とすのを待って
 ....
わたしを生んだ
女をわたしは知らない

影も匂いも
どんな音を発するのかも
なにひとつ知らない



わたしを抱いて
わたしを褒めて

わたしを叱って
わたしを守って
 ....
少女がしゃがみこんで
草むらを見ている

ふいに振り返り
その昔
あなたはわたしだったのと告げる

小さな瞳を通せば
草むらは森になり
水たまりは湖になり
その村の地下組織に住まう ....
セカンドバックにもずくが溢れている 【透明なマグマ】


あれからというもの踏切が 透明なマグマだ
車を走らせていて
次第に車を減速させ
遮断機が ゆっくりと降りている
車と車の隙間を ゆっくりと歩いていた猫が  ....
もうただ怒ることはやめた
自分にも
他人にも
一時の感情で怒るのはただの急ブレーキだから

僕はもっと前に進みたい
いつもゆっくりアクセルを踏んでいたい
楽しくハンドルを回しながら
 ....
人生のかなり始めの方から
数字とは折り合いが悪かった
なかなか「ひとつ」から「とお」までが言えなかった
私の脳みそは数学に辿りつくことはなく
小学生の算数の始め
特に九九でつまずいて
今だ ....
星が光っている
遠い時間と距離を走り
今日のこの場所の
この瞬間の
私に届いて
またその先の
いったいどこまで
行くのだろう

私は一日の仕事や
とりとめのない煩いで
頭の中を言 ....
冬の陽の
頼りなげなひと筋ふた筋
枯れ草に寝そべって
融け残る雪はナフタリン

女王蟻はせっせと
ナフタリンを袋に詰める
春に生まれてくる子へ
衣装箪笥の虫除けにする

見回せ ....
言葉や想いはどこへ行くのだろう
風と共に消えてしまうのか
それとも人と同じように
行き先のない旅をして
いつか自分の元へ帰ってくるのかな

そして旅を終えた言葉達は
きっと今までよりも ....
如月草をご存知ですか

たとえばそれは
荒野をわたる風のなか
ささやかに
桃いろに
揺られています

如月草をご存知ですか

たとえばそれは
星座をたどる指のさき
あやふや ....
崩落したコンクリート構造物には異型鉄筋が露出し錆びついている
圧縮されたすべてのものがついに限界を迎え
一瞬にして広大な大気圏の天辺に分厚い雲が浮かび
ゆがんだ紫色の空間から雨が降り出した
得 ....
雨はなぜ私をすり抜けていくのか
そんなことを考えながら歩いている
死者を飛び越える猫のように
あるいは歩きはじめた老人のように
それは古寺へと続く苔生した山道であり
田植えが終わったばかりの ....
ある日窓から花を投げた
あのひとが受け取ってくちびるに寄せてから
あのひとが好きになった 恋をした
みずいろの花 むらさきの花 そしてあかい花
あのひとはすべて受け取ってそっと胸にしまった
 ....
今日は姪っ子と詩人の誕生日
姪っ子は一歳 詩人は何歳だったかな・・
時々 神と繋がっているはずだから 脳の杖は黄金の如意棒
だから 私たちを唸らせるんだ
生まれ持った持たされた才能に違いない
 ....
負けるもんか卵でとじる 捨てた故郷に花を植える 道をほると
どんどんとほると
一体なにがあるのかとのぞきこんだ
黒々とした土の中に
なにがあるのかと期待した

ユンボでかきだされる黒い土は
内臓のようにみせてやっぱり土だった

そ ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
目がさめたら- Lucy自由詩6*14-2-21
テレビショッピング- 花形新次自由詩414-2-21
【_私の履歴書_】- 泡沫恋歌自由詩37*14-2-21
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鏨(たがね)を打ち込む- ……とあ ...自由詩14*14-2-21
矯正- 夏美かを ...自由詩31*14-2-21
そこぢから- そらの珊 ...自由詩11*14-2-21
父は今日- Lucy自由詩22+*14-2-20
擬死- イナエ自由詩12*14-2-20
金属の目録- 壮佑自由詩27*14-2-20
ししゃも- 服部 剛自由詩21*14-2-20
セックスからはじまる現代詩- 左屋百色自由詩12*14-2-20
泳げない魚- 朧月自由詩714-2-20
雪月花- 千波 一 ...自由詩714-2-20
小さな村のお話- そらの珊 ...自由詩12*14-2-20
セカンドバックにもずくが溢れている- 北大路京 ...自由詩514-2-20
【紫】ほかならぬむらさき_オムニバス三編- るるりら自由詩24*14-2-20
リリカルシンキング- ichirou自由詩7*14-2-20
九九と私と- aida自由詩3*14-2-20
星を見上げて- aida自由詩2*14-2-20
想春- 藤原絵理 ...自由詩314-2-20
行き先のない旅- リィ自由詩2*14-2-19
如月草- 千波 一 ...自由詩314-2-19
- 山人自由詩6*14-2-19
饒舌な散歩- 自由詩1014-2-19
花ぬすびと- 石瀬琳々自由詩12*14-2-19
姪っ子と詩人の誕生日- 朝焼彩茜 ...自由詩11*14-2-19
負けるもんか卵でとじる- 北大路京 ...自由詩914-2-19
捨てた故郷に花を植える- 北大路京 ...自由詩214-2-19
ちきゅうの内臓- 朧月自由詩1014-2-19

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