崖を巡る
白い岩の径
ふたつの海の
ひとつは黙っている


水の底には花が見える
崖上からは羽に見える
降り来るものには
まばたきに見える


欠けた色の響きの ....
[line]

彼女が不可思議な行動を見せるようになったのは僕たちが同棲をはじめてから数ヶ月ほど経ったころだった。ある朝、肌を逆撫でるような寒気に目を覚ますと、あけっぴろげにされた窓からあざやかに ....
失敗の多い人生を

こんなもんじゃないって

生きたこともある

コップは溢れそう

こんなもんじゃないって

もう一度思えるか


街道のハナミズキ

朝の青黒い風に揺 ....
ふりをしていた

やさしいふり
あたたかいふり
幸せなふり

がんばってるふり
愛してるふり
それから

もう
私の隣に誰がいても
動かされることは
たぶん 
ない

 ....
 時が静かに化粧をして私に迫ってくる。
 時の誘惑は川沿いに咲く桜のように美しい。
 誘惑を美しいと捉える心は不純であろうか。
 年を追う毎に時の魅惑に囚われてゆく。

 一瞬で燃え盛る ....
 頭の内側から幾つもの瞳が僕の心を覗こうとしている。
 激しい頭痛は時の行方を激しく見つめている。
 これは夢であろうか。
 僕には火炙りにされた女の姿が見える。

 今ここに生きる事に ....
 真昼に地を這いまわるいくつもの影を私は踏めずにいた。
 流れゆく時までも私のせいで歪めてしまうかもしれない。
 私の病はすんでのところで踏みとどまっている。
 消えない記憶は墓場まで持って ....
ゴミ捨て場に群がるカラス
性質の悪い笑みを浮かべる人間よりは 美しい

羽根が 七色に染まる度 描く曲線は
一度 空へと舞いあがり
再び 地上に 降り注ぐ
天使の梯子のよう

細や ....
春の、ほどけた日溜まりのなかで
そよそよと吹く風の流れを、産毛に感じ
周りから、朝露で蒸れた草木の香りが漂う

ゆらゆらと、揺れる、かげろう

その、見えないところ
沢山の透けて、輪郭の ....
世の中の気に入ったものすべてを集めることはできないが
ときおり巡り合う素敵な情景や言葉を僕の何処かにスケッチしておこう

ときにはロボットが生産ラインで溶接した鉄板でできたちいさな車で風 ....
よるになると
ぴい、と音が鳴る
この部屋のどこからか
耳を澄ませる
出どころを
さがしあてようと
眼をつむり
耳だけになってみる
飼ったはずはない
けれどそれは
とりのこえに似てい ....
冬のあいだは閉じていた即売所に
春の野菜が並ぶのをみにいった

空に白い梅の花が
燃え上がるように咲いている

ハンチング帽をかぶった老人が杖をつきながら
老犬とゆったりと歩いていた
 ....
歌う汽笛は下手くそだった
生命波打つ、きみどり色の絨毯の上を航海する船
柔らかな日差しが撫でるように氷を溶かすから、行き先はどこまでも広がる
細かく枝分かれした新芽、太く根を張って、遠くを見通す ....
 郷愁を呑む
 換気扇は回り カタカタと音を立てる
 朝 起きがけの夢の跡とコーヒーの味は苦い
 
 悪友の葬儀は明日への吉兆
 出かけるのは僕
 喉元を腫らして タテガミのように波打つ髪 ....
表にも裏にも
鏡のついた手鏡を
ふたつの指で廻しながら
光ははじまりと終わりを行き来している


横の波が
縦に重なり窓を覆う
外の冬を隠すように
布の鳥の羽音が積も ....
夜は絶え間なくやって来るこころの襞に
おとことおんなは何時もばらばらで

それは覚束ない幼児のあゆみのようで
ときに滑稽を誘うものかもしれない

きのうの残骸からきょうが算出されるわけでも ....
氷の針が心臓に突き刺さって苦しいと思うとき 海から全ての海水が巻き上げられてぼくの口へ吸入器のように入れられるとき きっときみはひとつの歌を口ずさむ ひとつの祈りを口ずさむ、ひとつの海の駅名を口ずさむ .... 夜が明けるまえ車を出した

帰る道がわからなかった

なのにライトが道を照らしていた

タバコを求めるためだけに酒場にはいった


おととい加齢臭のおとこに7時間拘束された

む ....
そこそこイケメンがほんとうのイケメンなのに、女の人たちは信じてくれない
なぜだろ
髪の乱れやすい季節のせいだろか
排卵日なのだろか

そこそこきれいな人をほんとうにきれいだなと思ってるぼくは ....
{引用=
朝がほどけると、水面に横たわり あなたは
かつて長く伸ばしていた
灰色の髪の、その先端から 
魚を、逃がす 
皮膚は、透きとおって ただ
受容する 水の、なまぬるい温度だけを
 ....
ここにはもういなくなってしまった

ひとたちが

ときどき浮かんでくる


そのたんびに僕は

夕焼け 夕焼け

って詩を書き始める




いないいないばぁ
 ....
 西日の差す窓から遥か遠方の山々を望む。
 白く輝く飛行機雲を眺め、彼方に飛び去る鳥たちを見つめる。
 視線は常に前方を向いている。
 彼らの優しさを感じ、ゆっくりと目を閉じる。

 す ....
 銀色の雨が音もなく降っている。
 テラス越しに見る常緑樹の緑は鮮やかで、
 一日の予感は謎めいている。
 
 雲に覆われた空は以前読んだロシア文学のようだ。
 テラスに置かれた二脚の白 ....
何千、何万回と
細い管を体内に入れて
排出するために
カーテンで遮るような社会

赤い手帳が福祉の窓口に置かれ
自動ドアが開き
外からの風が吹いて
折り紙で作った鶴のよう ....
このメールを打ちながら
ほんの少しあなたは微笑んだのだろう
ありふれたジョークのような
たった二行から
一滴零れた微笑みが
ザクザクの雪解け道をよろけながら歩いていた私の
胸の底にぽたりと ....
大切だ、ぐらいでいいのに

それ以上の気持ちになるなんて

それはまるで

憎むひとを

殺すチャンスを与えられてしまうようなものだ

想像することもおかしい、ぐらいなら

押 ....
いつのまにか名前を忘れていて
出席番号だけになった

常緑樹はかわらなくて
花のにおいはかけている
校舎と門
息をするのがむずかしいような
薄い空だけ

水に飽和して粘液のような砂糖 ....
目覚ましが鳴る
私の眠りが破られる
また目覚ましが鳴る
私の眠りが破られる
いったい何度目覚ましは鳴るのか
私をどんな眠りから
どんな目覚めへと連れ出そうとして
目覚ましは鳴るのか
そ ....
保管の状態が悪いそれは表紙やらを茶色く煤けさせる埃のようなものを纏っていた、永く倉庫に眠っていた武満徹の譜面を叩き起こしたいと思った。
壁というものを作ると、隔てられた先のそれは、隔てられる前すなわ ....
音楽は子供組が舐める風邪シロップみたいなものなんだって
遠い昔にいた偉い人がそう言ったんだって
いつかのあなたがぶっきらぼうに教えてくれた
わたしは中古の楽器を担ぐあなたについてまわ ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
こだま_かたち- 木立 悟自由詩317-3-26
phosphorescence- 紅月自由詩817-3-26
抒情- 吉岡ペペ ...自由詩217-3-25
ふり- umineko自由詩4*17-3-25
時の化粧- ヒヤシン ...自由詩5*17-3-25
時の行方- ヒヤシン ...自由詩2*17-3-25
時の心- ヒヤシン ...自由詩1*17-3-25
天使の梯子- 藤鈴呼自由詩8*17-3-25
春の足取り- 長崎哲也自由詩3*17-3-24
コレクター- 梅昆布茶自由詩1417-3-24
よるのとり- そらの珊 ...自由詩23*17-3-24
人と犬は枝と花- 田中修子自由詩10*17-3-23
春の航海- 青の群れ自由詩617-3-22
郷愁を呑む- stereotype20 ...自由詩417-3-22
かたち_かたち- 木立 悟自由詩417-3-21
- 梅昆布茶自由詩617-3-21
塩の柱- 白島真自由詩31*17-3-20
帰る道- 吉岡ペペ ...自由詩817-3-20
そこそこ- 末下りょ ...自由詩6*17-3-19
記憶を、汲む- 望月 ゆ ...自由詩27*17-3-19
いないいないばあ- AB(な ...自由詩7*17-3-18
美、夕暮れ時の唄- ヒヤシン ...自由詩3*17-3-18
週の半ば頃- ヒヤシン ...自由詩3*17-3-18
カテーテル- 5or6自由詩5*17-3-17
微笑み- Lucy自由詩15*17-3-16
それはまるで- 吉岡ペペ ...自由詩217-3-16
まなびや- 田中修子自由詩8*17-3-16
目覚ましが鳴る- 塔野夏子自由詩2*17-3-15
_- ehanov自由詩317-3-15
音楽- DFW 自由詩12*17-3-13

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